先日、会社帰りに自宅近くのコンビニに寄りました。残業してたので、少し遅い時間です。サラダや牛乳、パンなどを買い、レジに並んでいた時のことです。
 爆音と共に入り口前にVIPカーが停車。もう、それだけで十分イタイ。型落ちしたセルシオの車高を極限まで下げて、18インチのアルミ(しかも、ピカピカのメッキ!)に超扁平タイヤ。店内からは見えませんが、恐らく2本出しの強烈なマフラーが付いていることでしょう。真っ黒なフィルムに包まれた車内からは、これまたお水でもやっていそうな、いかにも見た目から頭の悪そうなお姉ちゃんが出てきました。
 おでんの横にあるホットスナックコーナーに、顔がくっつくほど接近。
 「ああーん。フランクフルトが食べたいなぁ〜」
 とまあ、さとう珠緒もビックリな甘い声です。そこに、運転席から降りてきたお兄ちゃんの登場です。サンダルにジャージ。Tシャツにジャケットと完全なVIPスタイルでの登場です。まるで、漫画に出てくるような取り合わせに、レジを打っていた店員さんも手を止めての観察です。
 「ねぇねぇ、フランクフルトたーべーたーぃー」
 という、お姉ちゃん。腰をくねくね。首をふりふり。立ってるのに、パンツが見えそうなぐらい短いスカートです。お兄ちゃんは、そんな尻をつまみつつ、
 「がははは。なんだ、そんな細いのがいいのかぁ? これから、俺のフランクフルト喰わせてやるから、ちょっとまっとけ」
 と、店内の端にいても聞こえるような大声で言い切ると、お姉ちゃんの腰を抱き、2人は何も買わず車の中に戻っていきました。
 私と店員さんは「ぽかーん」。
 VIPってすごいですね。