ホテルのロビーでタクシーを呼んでもらいました。時間は午前5時。朝過ぎて、誰も活動してません。
 程なくして1台のタクシーに乗り込みます。
 目指すは、ドンムアン空港。
 タイは、元も、このドンムアン空港があって、それが手狭になったためにスワンナプーム空港を作った経緯があります。それで、このドンムアン空港。国内線用に活用されていたりしたのですが、作戦の大洪水で水没(スワンナプーム空港は平気)して、全航空会社がスワンナプーム空港に移転したりと紆余曲折がありました。その後、航空会社は混雑や、設備の兼ね合いで行ったり来たり。私が使うエアアジアは、政府の要請でドンムアン空港に戻ったんだそうです。
 ちなみに、このドンムアン空港まで、普段ならタクシーで40分ほど見るそうです。私が乗ったタクシーは、なんと15分少々で到着。グランド・セフト・オートを時で行ったら本当にこんな感じ、という運転しでした。
 赤信号→左折→展開→左折(要は直進)という、法律上は問題ない(多くの国は左通行なら信号に関係なく左折可)けど、実際問題どうよ! という激しい運転。周囲の車は80km/hぐらいで走っているのに、このタクシーは160km/hですよ。ボロッボロのマニュアル車。ブレーキもあんなに甘いのに…。
 空港に着いたときは、喉がからっからでした。
 ワンミスで死ねる。
 そう、実感したドライブでした。
 さて、ビザは事前にとっておいたので、入国は問題ナシ。
 現地では、問題なくコーディネーターと落ち合うことが出来ました。いやー、一時は、帰りの便まで空港で待機という最悪のシナリオも覚悟していただけに拍子抜けでした。
 それにしてもミャンマーは凄い。
 アジア最貧国は伊達じゃない。
 長年の軍事政権で、凄い歪んだ社会構造になってます。一般市民は、物価の高さについて行けない(多くを輸入に頼っているため)のに、自国の産業が少ないために、賃金が安すぎて、富める層とそうでない層の差が開くばかりのようでした。
 都市部の平均世帯月収が6000円程度(恐らく、それでも良い方)。それに対して、日用品は、タイの都市部とそれほど変わらない物価。土地の値段は跳ね上がり、ガソリンや、電気代も高い。
 

ミャンマー市街の通り

 この通りは、現地ではかなり有数な通りの近く。それでも、私からすると、ジャッキーチェンが全盛の頃の香港のダウンタウンよりも、まだ汚い。そんなイメージです。コピー用紙だけを扱う、紙問屋。伝票だけ扱う問屋、そんな小さな問屋がいくつもあり、戦後すぐの日本と変わらないイメージです。
 来月から、インターネット(ADSL)の接続料がかなり安くなって5000円ぐらいになるんです!と、現地の人が言ってました。我々からすると、まぁ、5000円か。光も引けるのに、という感覚ですが、地元なら、1ヶ月の給料丸々持って行かれる水準です。いかに高いかが分かります。
 ちなみに、土地代や、賃貸物件の価格は東京と変わりません。ばかげています。
 水道をひねれば、錆びた赤い水。下水もなく、電気は日に数回停電。
 私がお邪魔したビルのADSLの速度は、200kbpsでした。これでも、周囲の人はうらやむレベル。モバイルなんて、通話以外何それ、レベルです。
 周囲を走る車は、日本車が多いです(壊れないから)。しかしそれは、日本で中古で売られ、別国で乗りつぶされ、廃車になったような車がほとんど。エンジンが動いてタイヤが回れば機能する。そんな世界です。
 窓の開閉が出来なくても、燃料ポンプが死んでも、内側から扉が開けられなくなっても、錆びて足下から道路が見えるようになっても、動けばそれで成り立つのです。
 あ、お金持ちは割とイイ車に乗ってます。
 私が子供の頃に使ってたバスが現役で動いてます。まだマシな方です。
 そういう現実を見ると、日本って、本当に恵まれた。成長できた国なんだなぁと思います。大事にしないと、日本!