朝の通勤中。ギュウギュウ詰めの中、酸欠になったり、貧血になったりする人は多いと思います。
 私の斜め前に立っていた女性。息も荒く、少し辛そうでした。最初は痴漢にでも遭っているのかと思ったのですが、違う様子。駅を過ぎる度に顔色が悪くなっていき、ファンデーションの下から汗が玉のように噴き出てきています。
 「大丈夫ですか? 次で一度降りた方が良いんじゃないですか?」
 と声を掛けようと思ったのですが、彼女が汗を拭く為に取り出したハンカチを見て、躊躇してしまいました。
 それ、下着ですよ
 ハンカチじゃない。白い布だけど、明らかにハンカチじゃない。
 声を掛けるタイミングを失ってしまいました。

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