集団もかなりバラけてきたこともあって、集団も小さくなってきます。
相変わらず、2番手グループぐらいで走っていましたが、後半の先導するスタッフの方は、きっちり25km/hを守って走ります。
これぐらいのスピードだと、体が温まらないのです。寒いのです。
そんなときに、またも事件が起きました。
「パキーン!」
固い音。すぐ後ろから。
すぐに分かりました。後輪のスポークが折れた音だって! だって、不自然に振れていたんですから! これの予兆だったか!
手信号で、後ろに居た人を先に行かせて、ゆっくりとブレーキ。その間も、ずっと「カン! カン! カン! カン!」と、折れたスポークがフレームに当たる音がします。
coleのスポークは、ちょっと普通のと違います。その場で修理が効くような感じではありません。切るような道具も無く、さてどうした物かと悩んでいると、スタッフの方が止まってくれました。
「どうしたの?」
「スポークが折れました」
「走れそう?」
「なんとか、行けそうです。ゆっくり行きます」
「おk」
バーテープを止めているセロテープを少し切り、スポークが外に飛び出ないように別のスポークに止めました。後輪の振れは大きくなっていますが、フレームに干渉するほどではありません。
残り20kmほど。何とかなるでしょう。
先導する人と離れたので、自分のペースで走れます。平坦路なので、後輪に大きく負荷の掛からないよう30km/h弱で走ります。
「よく走るね! 結構距離走っているでしょう?」
「いえー、全然です。月に500km走れたら御の字ですよ!(11月~2月なんて、100km/月ぐらいだし)」
「そうかー? 月に1000kmぐらいは余裕で走ってる感じだよ!」
「あざーっす!」
と、スタッフの方に褒められて、気分良く町中まで戻ってきます。