7月23日に予約開始し、8月30日に発売開始されたCanonのミラーレス一眼EOS R5 Mark II。
税込みの標準小売希望価格で65万円を超えるカメラです。

4年前。EOS R5発売の時も発売日当日に入手出来た方は、予約開始数分内のSubmitという激戦でした。今回はどうかなぁ? 思っていたら、先代R5と変わらないレベルの大激戦でした。
アメリカなどではそれなりの初期出荷があったようで、有名店でも当日在庫がありました。
(為替を無視して個人輸入しようかと思ったら、海外発送NGにでした。そりゃそうだ)
個人的には、輸送に時間とコストの掛かる海外分に多めに送り、(国内生産なので)追加生産分を日本国内に回しているのでは無いかと思います。

私は、3%ポイントアップクーポンを持っていたビックカメラで注文。10:07でした。
平日仕事中です。朝のミーティングが終わり、トイレに行き、個室で必死に注文しました。頑張ってもこんな時間です。
残念ですが、初回分からは漏れました。
いろいろ調べてみると、ビックカメラで10:03注文で初回分を手に入れている方がいたので、この辺りがボーダーなのでは無いかと思います。
ちなみに、カメラのキタムラでは10:01分台前半でギリギリとか。マップカメラでは10:27でOKとか(サイトダウンで10:25ごろ注文開始っぽい)。本当に争奪戦だったようです。

9月12日に、ポイント付与のメールが届きました。
これは、商品が確保出来たので、即出荷となるやつでは?と喜んでは見たものの、丸5日ほど経ってもステータスは「メーカーへ発注しました」のままです。
あれ、これ、4年前にも同じ体験してるぞ……。
(ビックカメラの場合、注文から50日でいったんクレジットカードの売上を立ててしまうのかな?)
R5の時は10時予約開始で夜の9時半に注文。そこから60日で到着となりました。今回は10時予約開始で10時7分に注文したのに、到着は10月1日です。予約開始から70日。販売開始から32日です。
あれ、R5の時よりも争奪戦キツいんじゃない?

さて、肝心のR5 Mark II。裏面照射積層センサーになって幕速が上がり、ローリングシャッター歪みがかなり軽減されています。
読み取り速度と、ノイズはトレードオフです。裏面照射はノイズ低減に有効ですが、この辺りの落とし所が気になるところです。
先代R5のノイズ(特に熱ノイズ)が気に食わなかったので、裏面照射センサーには期待してたのです。が、読み取り速度を優先して、ノイズレベルはR5よりも、1/2段程度落ちるようです。

R5の電子シャッターは12bitに制限されていましたが、R5 Mark IIは14bitのまま出力されるメリットがあります。とは言え、実際にはメカシャッターの方がノイズレベル低いようです。
軽く撮ってみた感じ、メカシャッターと電子シャッターの差はほぼ感じませんでした。高感度域ではメカシャッターにしてもいい気がしますが、実用上あまり気にしなくても良さそうです。
RAWファイルをノイズ低減無しで見た場合、ISO1600辺りからノイズっぽさが出て来ます。ISO6400辺りでかなり画質の劣化を感じます。とは言え、カメラ内のニューラルネットワークノイズリダクションや、adobe、DxOなどでもノイズをかなり低減できるようになりましたので、ISO12800辺りまでは普通に使えるように思えます。
個人的には、(個体差だと思いますが)R5のノイズが酷くて酷くて、Canonに故障じゃないかと修理依頼したぐらいです。この時のR5は輝度ノイズもカラーノイズも酷かったです。今回のR5 Mark IIは輝度ノイズが控えめで、カラーノイズが高画素カメラらしく出ています。ノイズのバランスが良いので、あまり酷さを感じません(よい個体を引いたように思います)。

EVFはR5から優秀でしたが、R5 Mark IIでも優秀です。0.76倍と、見かけ上の大きさは同じですが、R5 Mark IIはアイポイントが1mm伸びているのと、視線入力に対応し大型化したアイピースのおかげで、より見やすくなっています。
最大輝度も2倍ほど上がっているようで、屋外では「明るすぎて見えにくい」と言われています。カスタムメニューにファインダーの明るさ設定を入れておくのが良いと思います。
あと、地味に接眼センサーがファインダー内に隠れたのが良いですね。スッキリします。

視線入力ですが、これは人に寄りけりですね。
眼鏡を掛けていますので、逆にこれがアイピースとファインダーの距離を安定させているのか。思ったよりもしっかり視線に追従するように思いました。
密集した2~3人の被写体を、コロコロ切替ながら撮るには有用だと思います。
大人数の個別の顔を指定し続けられるほどの精度はありませんし、1~2名なら視線で選択するまでもありません。ハマれば非常に強力でしょう。

メディアについて。
今回もCFExとSDカードのデュアルスロットです。書き込み速度はR5と同等とのことです。恐らくDigicX側がCFExのIFを持っているので、書き込みに関しては何も変わらないのでしょうね。
多少連射するぐらいなら全然気になりませんが、電子シャッターで連射とか、プリ連射多用すると、バッファ詰まりが起きるかもしれません。4500万画素で30fpsですからねぇ。バッファ自体はR5よりも増えているようです。

縦グリップなどのアクセサリは互換性があります(ただし、バッテリ性能に起因する弱点あり)。L時ブラケットなどもそのまま使えるのは有り難かったです。

ボディ自体の剛性も上がったように思います。
R5は、価格の割にオモチャっぽい手触りでしたが、R5 Mark IIは、かっちり感が上がったように感じます。円安もあって、価格は上がりましたが、高級感も少し上がっているように感じました。

肝心のAFです。
R5でも十分に優れたAFでした。ただ、よく分からないところで背景にフォーカスをもて行かれる事が往々にありました。R5 Mark IIでは、この辺がかなり粘るようになりました。地味に有り難い。
あと、被写体を認識してからフォーカスが合うまで、かなり速くなりました。被写体を「人」「動物」「物」(オブジェクト)として認識しているのか、ちょっとした影に隠れても追い続けたりします。結構賢くなりました。
まー、たまに?????と思う挙動もあるので、ファームアップで直ると嬉しいなぁと思います。

あと、R5では、ファインダー内ではフォーカスが合っているように見えるのに、実際の写真では少しボケている… なんてことがありました。今回は、ファインダー内で合っていれば、ほぼ間違いなく写真でも合っています。すごいです。速度もそうですが精度も上がっているのは嬉しいですね。

オートホワイトバランスが良くなったらしいです。AWB使わないので、よく分かりません。
あと、カラーバランスが若干変更されています。少しマゼンタが抑えられ、自然な色合いになっています。とは言え、Canonカラーは健在です。人を写せば血色がよく見えます。旧来の機種とバランスを取る場合、ちょっと調整や、設定を作り込む必要がありそうです。

新型のバッテリーになりましたが、持ちは、むしろ悪くなったように感じます。
特にプリ連射を使うと、ガンガン残量が減っていきます。大人しく使う分にはR5と変わらないのかもしれませんが、確実に予備が必要だと思いました。
LP-E6互換バッテリを持っていたので、こちらを使ってみたところ、電源も入りませんでした。もちろん、最初からLP-E6使用できない、LP-E6NHなら制限付きで使えるとアナウンスされています。
ええ、互換品はLP-E6NH相当と銘打って売られていながら、中身はLP-E6互換なんてものザラです。互換品で運用している人は諦めるしかありませんね。

結論

動体に強くなったAF、軽減されたローリングシャッター歪みと、基本機能の改善。
プリ連写、視線入力など、新機能も携え、スペック表に記載されている以上に中身の進化を感じました。
反面、CMOSセンサーからの読み出しを上げたため、ノイズはR5と同等か、若干増えています。そのため、画質への影響をなるべく減らしつつ、機能強化したのがR5 Mark IIと言えます。

AFや、ローリングシャッター歪みをあまり気にしなくて良い分野であれば、積極的に(価格的にも熟れた)R5を使用する選択も有りだと思います。新品はおすすめしませんが、程度の良い中古であれば「買い」だと思います。一眼レフからの乗り換えなら、十二分にミラーレスの恩恵を感じることができると思います。
とは言え、R5 Mark IIのAFに慣れると、便利すぎて戻れないのも事実です。あと、動画を撮る人であれば、撮影時間やC-log2、フルサイズのHDMI端子など買い替えるポイントは多いです。
(R5は乗り物系の認識できる被写体が、R6 Mark II等よりも少ない)

バッテリーが新しくなりましたが、持ちはR5同等か、若干落ちるレベルです(特にプリ連写を多用するとあっという間に減っていきます)。旧来のバッテリーでは、LP-E6(や、互換品)は使用できず、LP-E6NH / LP-E6Nでは連続撮影速度が落ちたり、プリ連写などが使えなくなるため、実質新型のLP-E6Pの予備が必要だと感じました。
高いんだよ! バッテリー!

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