Kissに近づいたのか、動画に配慮したのか。恐らく両方だと思うんです。
 ボタンの配置、サブダイヤルの機構など、考えると、どうしてもそう思えてなりません。
 プロ向け静物1Ds、プロ向け連写1D > ハイアマ7D/風景5D > ステップアップ 60D > エントリー Kiss という階層が見えてきます。次世代を想像すると、ハイアマの7Dはもう少しハイエンドよりに(もしくは3Dなどの上位機種が出るか)、2桁機はもう少し上に振ったものがあるとバランスが良いですね。
 でも、この60D。単純な新機種ではなく、割と意欲的にいろいろな機能を組み込んでいます。次世代CANON機の下地となる部分ですね。2桁機以上を持つ人から見ると、ちょっと食指の動かないこの60Dですが、中身に関しては無視しちゃいけないと思います。
 ・マシン内RAW現像、アートフィルター 他のメーカーでは当たり前に搭載されてきた機能ですね。ちょっと遊んだりするのには良いと思います。kissクラスには必須だと思います。個人的には「ジオラマ」風は使ってみたいです。機能を見ていると、周辺光量補正、歪曲補正、色収差補正なんかもできるようですから、DPPでやるのが面倒、という人にも良いと思います。
 ・ホワイトバランスなどが“雰囲気”で選べる。従来だと、タングステン~曇天なんて感じで選んでましたが、コントラストや露出補正もひっくるめて選べるようです。「くっきり鮮やかに」、「ふんわりやわらかく」、「暖かくやさしく」、「しっとりと深みのある」、「ほの暗くひっそりと」、「明るく」、「暗く」、「モノクローム」だそうで。これはKiss系にはいい機能だと思います。ホワイトバランスを理解してる人には邪魔かもしれませんが、ワンタッチでパラメーターを切り替えられるのは便利かもしれません。
 ・電子水準器が付いた。これもトレンドですね。水平を簡単に出せるのは嬉しいです。ファインダー内でも確認できるそうです。
 ・横開きタイプのバリアングル液晶。縦グリップつけてもバリアングルできるように考えてますね-。
 ・SDXC。これは正直しょうがないと思います。CFなんて、古くからカメラやってる人しか使ってないですから。連写が落ちる…。なんて言われてますが、ちゃんとしたSDXCはかなりインターフェースとしては速いです(実測が出るかは謎)。デジカムもほとんどSDですし、時代の流れだと思います。
 ・ワイヤレスストロボのコマンダー。これも7D同様当然のように付いてますね。いいなー。
 ・バッテリーグリップが薄くなった。電池が代わったせい(7Dと同じ)もあると思うんですよ。今までのは厚くてとても握りにくかった。改善は嬉しいですね。
 と、見ていくと、外装の安っぽさばかりに目が行って「全然ダメだ」という評価が先に出てしまいがちです。今までの2桁機よりも下のランクにあるせいもあって、買い換えの対象にならないのもあるでしょう。でも、中身を見ていくと、次世代機の基盤となるインプリメントがてんこ盛りです。
 なので、爆発的には売れないと思いますが、それなりに売れそうな機がします。はい。
 54/64の2本と、1Ds Mark4が次の発表でしょうか。あー、3Dも出ないかなぁ~!