この「朝はどこから」は珍しく懸賞募集でできた作品です。戦後間もなく(昭和213)新出発した朝日新聞社が、戦争で疲弊した人心に明るい光を当てようと企画したものです。その中で一等に当選したのがこの、森まさる(本名:森勝治)という人の「朝はどこから」でした。前年にはサトーハチロー、万城目正の「リンゴの唄」がでており、その中に<朝のあいさつ夕べのわかれ>と言う詞がありますから、それに触発されて♪お早う、今日は、今晩は♪、という発想になったかも知れませんが、当時は【民主主義の息吹】がどこから来るかしら、それは<希望、働く、楽しい家庭>から来るんだよ、というような受け取り方をしたと記憶しています。まさに時代に相応しい歌ではあったのですが、そう思うと何となくGHQのお墨付きの歌という気がしてきます。これまた新生NHKの『ラジオ歌謡』の2曲目に取り上げられました。橋本國彦は東京音楽学校(=芸大)出のヴァイオリニスト、指揮者、作曲家で、主として交響曲、歌曲を作曲していますが、童謡「スキーの唄」ラジオ歌謡「アカシヤの花」などもあります。*1森まさるはJASRAC無信託ですが、歌詞につき全音楽譜出版が全信託しています。作曲者は著作権消滅しています。

 
 朝はどこから Photo by Hosomichi

     昭和21年(1946年)   JASRAC CODE NO.000−0549−5


     朝はどこから     


     作詞:森まさる(無信託)*1
     作曲:橋本国彦(PD)
     歌唱:岡本敦郎

     MIDI制作:滝野細道


  (一)
   朝はどこから 来るかしら
   あの空越えて 雲越えて
   光の国から 来るかしら
   いえいえそうでは ありませぬ
   それは希望の 家庭から
   朝が来る来る 朝が来る
  「お早よう」「お早よう」

  (二)
   昼はどこから 来るかしら
   あの山越えて 野を越えて
   ねんねの里から 来るかしら
   いえいえそうでは ありませぬ
   それは働く 家庭から
   昼が来る来る 昼が来る
  「今日は」「今日は」

  (三)
   夜はどこから 来るかしら
   あの星越えて 月越えて
   おとぎの国から 来るかしら
   いえいえそうでは ありませぬ
   それは楽しい 家庭から
   夜が来る来る 夜が来る
  「今晩は」「今晩は」


     懐メロ  八洲秀章&抒情歌  童謡・唱歌  「細道のMIDI倶楽部」TOPへ  2006/SEP/01 開設曲

                   

            【橋本國彦の当倶楽部内のアップ曲】

橋本國彦当倶楽部内の作曲曲 
  曲  名   作 詞   歌 手    歌 い 出 し 
アカシヤの花 松坂直美  岡本敦郎  たそがれの並木をゆけばアカシヤの 
朝はどこから  森まさる  岡本敦郎  朝はどこから来るかしらあの空越えて雲 
お菓子と娘   西条八十  奥田良三  お菓子の好きな巴里娘二人揃えばいそ 
はごろも  林  柳波  ー  白い浜辺の松原に波が寄せたり返したり
富士山見たら  久保田宵二  四家文子  旅の空から富士山見たら遠い故郷の