昭和47年(1972年)   JASRAC No.013-8646-8

女のみち     もう一度聴く repeat
童謡・唱歌 懐メロ 八洲秀章&抒情歌  *2012/MAY/11 
(一)
(わたし)がささげた その人に
あなただけよと すがって泣いた
うぶな私が いけないの
二度としないわ 恋なんて
これが女の みちならば
(二)
ぬれたひとみに またうかぶ
捨てたあなたの 面影(おもかげ)
どうしてこんなに いじめるの
二度と来ないで つらいから
これが女の みちならば
(三)
暗い坂道 一筋に
(ゆ)けば心の 灯(ひ)がともる
きっとつかむわ 幸(しあわ)せを
二度とあかりを けさないで
これが女の みちならば
作詞:宮史郎(C)          作曲:並木ひろし(C) 
歌唱:宮史郎とぴんからトリオ   MIDI制作:滝野細道

この「女のみち」をリリースした<宮史郎とぴんからトリオ>は、<ハナ肇とクレージーキャッツ>や<ドリフターズ>と同時期の、宮史郎、宮五郎、並木ひろしの三人で結成した、お笑いを主体としたコミックバンド、というよりは漫才トリオでしたが、この歌の公称400万枚という大ヒットのため、お笑いを止め、歌謡曲主体のコーラスバンドとなりました。この歌が人気があったうちは良かったのですが、以後新たなヒット曲も出せず、お笑いの方も中途半端となって、宮史郎・五郎兄弟の<ぴんから兄弟>と並木ひろしの<並木ひろしとタッグマッチ>に分裂し、あまり活躍できなくなりました。この「女のみち」がリリースされた翌年の昭和48年、同じ様なコミックバンドであった<殿さまキングス>が同じ様な女心の歌「なみだの操」をリリースし、公称300万枚のシングル売上の大ヒットとなりました。<殿さまキングス>も、この「女のみち」の400万枚の大ヒットに触発されこの路線にあやかって「なみだの操」をリリースしたのでしょう。二つの歌はいずれも、むくつけき男の代表のような、しかもお笑い芸人の宮史郎や宮路おさむが、恋うる女性が邪慳にされ、捨てられても健気に生きて行こうと決心をする女心を歌うという、落差によるものが受けたのでしょう。「女のみち」は純情な女性が捨てた男を恨まず自ら分かれて自立して行こうというもので、「なみだの操」は叩かれても蹴られても<捨てないで>と縋り付いて生きようという女性を描いている違いはありますが。