[温帯どんの遺訓]

 温帯どんのホームページの冒頭に、常布の滝について次のような主張がある。

群馬県草津町にある 「常布の滝」 について百選の滝の選者である永瀬嘉平氏は、「かくれ滝を旅する」 という本の中で 「知られていないせいもあるが、危険もあって近づくのがむずかしいからであろう」、「シャクナゲや潅木の浮き根に指をからませ、断崖を下る」、「幾度も、身体が宙に浮く瞬間がある。その度に草つきに手をやり、谷底へ持ってゆかれるのを防ぐ」、「あの危険極まりない崖を下る人などそういないと思う」 と記していましたが、現在も遥か遠くの展望台から眺める人が希にいる程度で滝壷に近づく人など殆どおらず、全くの自然が残されたままの状況となっています。

(現実には、この滝を独り占めすることによって利権を得たい 「ある一人の人間」 によって、安全なルートがあるにもかかわらず、「常布の滝」 を目指した人々が危険なルートを歩かされている、というのが本当のところです。
私は、本当に滝を愛し、滝とその周辺の自然を守ってくださる方には 「安全なルート」 をお教えすることに抵抗はありません)
その 「常布の滝」 (私はここで熊に遭遇しました) 

 有名になって「心無い観光客」が増えて滝が泣く。しかし、一方で滝は一部の
人たちのものでなく、大げさに言えば全人類のものでもある。これは温帯どんの
みならず、滝を愛する者すべてのジレンマである。私は、私のこのホームページ
の温帯追悼記をお読み頂く人たちに、滝を泣かすような人たちは決して無かろう
と信じ、温帯どんの遺志のうち<私は、本当に滝を愛し、滝とその周辺の自然を
守ってくださる方には 「安全なルート」 をお教えすることに抵抗はありません

を選択し、ルートマップを掲示することとした。願わくば、地図を削除するようなこ
とにならないよう・・・・・
 最後に常布の滝前で思い浮かんだ句を温帯どんに奉げる。
    雲に乗り 今日も常布の 滝しぐれ          
                                2001/05/23/記 [了]