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[世立殺人の滝]

 草津からR292でR405に出て左折して3km。
初めて白砂川を渡る橋の手前のカーブの正面
に大看板があって、「大仙の滝、白糸の滝ー氷
壁」と表示がある。白糸の滝ー氷壁とは何か?
 大仙の滝入口の空きスペースに車を停め、降
りて行った。滝は西日を受けて輝き、虹もクッキ
リと掛かっていた。12mほどの滝であるが実に
良い姿をしている。この時までに群馬県の滝は
既に22本ほど巡っていたが、世立にこのような
良い滝があるとは知らなかった。
  この滝の上流に「殺人の滝」というおどろお

どろしい名前の滝が鎮座している
わけだ。沢家さんなら遡行できる
かなと思ったけれど、後ほど上部
の久内の滝というのを見て、その両岸があまりの切り立った岩壁で無理と
分かった。
 殺人の滝の近況を調べるため、世立集落に入って行く。大仙の滝を出て
白砂川を渡る橋の先に右折していく細い道がある。この道は丘を登って行
って世立集落に入って、左へ左へとカーブして再びR405の野反湖方面に
出る。この細い道(入口はそう細くも無いが100mほど行くと普通の車では
一杯の道幅となる)の入口には最近立てたような道標があるが、肝心の字
が滲んではっきりしない。どうも「世立八滝巡りコース」と書いてあるようであ
る。その道を200mほど行くと右手に広い駐車場があって、そこが起点とな
って、仙の滝や殺人の滝の観瀑台に行けるようになっているようである。仙
の滝へは最初の駐車場をでて300mほど登って行った右側に矢張り広い
駐車場があって、そこからなら簡単に仙の滝に行くことができる。
仙の滝は駐車場から見ると、岩壁の中を下っている洞
窟滝のように見えるが、左側に巨大な一枚岩があって、
洞窟のように見えるだけだ。何処かで同じような光景を
見たな、と思ったら、早戸大滝の滝前にあった、巨大な
一枚岩に似た岩盤であった。水量は早戸大滝の方が
勿論多く、こちらは写真のような細流分岐瀑である。
 殺人の滝観瀑台への道はどちらの駐車場から行って
も丁度中間くらいにある。最近立てられた大きな看板が
あって、<諏訪神社0.2km,さつうぜんの滝>などと書
いてある。そこから尾根に向かって、かなり急坂のガレ
道が続いている。脇にはガレ道に沿ってチェーンロープ
が張ってある。最初は当然登っていって、殺人の滝を遠望して来る積りだっ
たが、急坂を見て足の奴がとうとう言うことを聞かなくなって不平を言い始め
たので、無念ではあったが断念した。
 帰路はR145で吾妻渓谷を通るような愚かなことはせず、暮坂峠越えのロ
マンチック街道で中之条に出た。世立を18:00に出て横浜に帰宅したのが
21:30。往路より20分余分にかかった。かくして、温帯追悼遠征は終了した。

 温帯どん、あなたが言っていた滝、「滑川大滝は、滝壷まで降りにゃあ」、「
火焔の滝は何時行ってもいいだね。滝口に紅い飛沫が飛ぶような写真が撮り
たいね」、「赤城の不動滝はオラの原点だ」、「塩原の咆哮霹靂の滝の脇にあ
った簾のような無名滝がいっちゃんよかった」などなど、私は同じ滝には二度は
行かない主義だけれど、これらの滝は機会があれば再訪してみたい。そして、
一枚でも良いから、温帯どんを唸らせるような写真を撮りたいものだと思う。
 この追悼記に地図を付すべきかどうか、暫く決めかねた。