昨年の11月に購入してから、早いものでもうすぐ6ヶ月目に突入します。
その間、それ程使い込んでいるわけでもありませんが、それなりに良いところと悪いところが見えてきました。

良い所は、小型軽量で、ピント精度の良さ。AFの速さ。
何よりも、ボディの小ささは、持って出かけようという気になります。これは大きいです。もう少しペンタ部が小さいと、普通の鞄にしまいやすいです。EOS RPはそういう意味でも丁度良いと思います。
懸念していたバッテリーも、こまめに電源を切っていれば1000枚近く保つことが分かりました。良い誤算です(電源に気を使わず撮ってると、500枚ぐらい)。

では、悪いところをまとめていきます。

1)コントロールリング付きマウントアダプタは、思ってたよりも使いにくい

現在、私が持っているRFレンズはRF35mm F1.8 MACRO IS STMだけですが、基本的にRFレンズのコントロールリングは「前玉」付近に配置されています。
コントロールリング自体は「凄く使いやすい」です。露出補正や、ISO感度の変更に割り当てて使っていますが、右手でがっつりホールドしながら、左手で変えられるのは、安定感からもありがたいです。
マウントアダプタは、後玉側(マウント付近)になるので、EFレンズとRFレンズを交互に使っていると左手が迷います。時間にしたら少しなのかもしれませんが、イライラ度が高いです。
要は、早くRFレンズを揃えろって事ですね。
(望遠レンズのコントロールリングの位置がまだ不明ですが……)

2)EVF切り替えセンサーの挙動がイマイチ

猫なんかの写真を撮っていると、カメラの角度をぐるぐる変えるので、ストラップが垂れてきたり、自分の手がセンサーの前を横切るときがあります。すると、液晶画面が消えて、EVFが点灯します。違うんだよ、そうじゃない。
案外過敏なので、少々センサーから距離があっても働いてしまいます。
スリープからの復帰も微妙です。
シャッターボタンの半押しをしながらEVFを覗くと、まだ真っ暗! もう一度覗くと点灯、というタイミングが何度かありました。スリープ中はセンサーも切ってるんですかね?
とまぁ、過敏なのか鈍感なのか分からない仕様です。
センサーは複数個付けて、両方が影にならないとEVFを点灯させないような仕組みにして欲しいです。
バッテリーのことを思えば「一度押せば液晶点灯/消灯」「長押しでEVF点灯」みたいな物理ボタンを配置して欲しいところです。これがあれば、撮影枚数は飛躍的に伸びるはずです。

3)AFの追従がイマイチ

AFの精度は良いのですが、時々「こういう風に追って欲しい」という思いと裏腹の挙動を示します。
人を撮るときは「顔+追尾優先AF」にしているのですが、ワンテンポ遅れる事もしばしば。少し距離があると、その傾向が顕著です(SONYなどと比べても近寄らないとダメ)。顔の認識が出来なくなると、自動選択 AFになってしまいまが、これが適当なものにフォーカスを当てるものだから、AFフレームが明後日の方向に動いてしまいます。
この手の自動認識は、手前にあるもの、コントラストが高い物に吸い寄せられるので、大概「そっちに行ってしまってはダメだ!」というものにAFを合わせてしまいます。そして、なぜか追従して画面の端っこまでAFポイントが画面内を旅行してしまうのです。
素直に「顔が認識できなくなったら、直前に使用していたフォーカスモードに戻る(もしくは自分で設定できる)」という挙動だったら良かったのに。
顔が見えているときの顔追従AFは本当に便利なので有り難いんですけど!

4)マルチファンクションバーの解除がもどかしい

上記の顔+追尾優先AFで顔が見えなくなると、急いで別のAFモードにしなければなりません。自動選択 AFに我々撮影者の意思を汲む力など無いのですから、自ら指定しなければならないのです。
AFモードを変更するには、マルチファンクションバーに割り当てるか、ボタン操作する必要があります。
このボタンがとても押しにくい所にあります。親指をひねるようにしてAF選択ボタンを押し、更に輪を掛けて押しにくい位置にあるM-Fnボタンを押します。M-Fnボタンは1回押されると1つずつ移動するので、7種類あるAFモードを行き来するには、最悪6回押す必要があります。
マルチファンクションバーは大変押しやすい位置にあるので、ロックしておかないとチョイチョイ触って、コロコロ変わってしまいます。ロックを解除したら、順送りも左右移動もできるので、非常に簡単にAFモードを変更できるのですが。
なんと、2秒も長押ししなければなりません。
ボタンを押すよりも若干早いが、急いでいるときに2秒の長押しは辛すぎる。
と言うわけで、2タップとか、左右端までの1スライド(いわゆるスワイプ)とかで解除できると嬉しいです。

どの点も、ゆっくり操作できる余裕のあるものであれば気にならないレベルです。でも、被写体が目まぐるしく動く場合や、取り直しができないものなど、なるべく早い操作で意図した設定にしなければならない時に、こうだったら良いのにな!と思うことも多いのです。

物理的なボタンの配置を変えるのは難しいですが、不満の多くはちょっとしたファームウェアの設定変更レベルで何とかなる部分も多いはずです。Canonの英知でミラーレスの操作系をまとめ上げて欲しいところです。

さて、もうすぐ瞳AFのアップデートがリリースされるはずです。(Canon東南アジアのページによると、4月中旬リリースとのこと)
この辺の気になるポイントもまとめて修正されているといいなぁと思う次第です。

PS
選択したAFフレームに露出が引っぱられる傾向が強くなった感じがします。顔認識の時は、顔の露出を適正にしようと、ビックリするぐらい露出を変えてきます。従来のEOSのつもりで撮ると、想像外の露出で撮影してしまうので注意が必要だと思います。