米Amazon箱'%><BR><%=image 1,'箱を開けた新型ANOVA

 米Amazonで購入した家庭用低温調理器「新型ANOVA(900W)」が千歳亭に届きました!
 (正確にはAnova Precision Cooker。120V用だけど、100Vで問題なく動く)
 本家本元でも買えるのですが、輸送料がちょっと高いので、今回はAmazonから買うことにしました(本家では60ドルぐらいするのです。Amazonでは(通常配送なら)30ドルぐらいですし、他のものとまとめ買いすれば、相対的にもっと安くなります)。
 そもそも、低温調理とはなんぞや…?
 いろいろな調理法が混ざって、低温調理と呼んでいます。一つはジップロックなどの袋に食材を入れ、空気を抜いて(減圧=真空)調理する事。もう一つは、恒温調理と言って、温度を一定にして食材に均一に火を入れること。最後に、100度以下(=低温)で調理して、素材の(特に肉類のタンパク質)ギリギリで調理する事です。焼く、蒸す、煮る、に次ぐ第四の調理法と言われています。
 何で真空にするのかというと、空気の断熱性能が優秀すぎて、周りに空気があるとなかなか熱が素材に伝わらないからです(オーブンだと180度でもなかなか焼けませんが、油で揚げる天ぷらだとすぐですよね)。
 正確には「真空定温調理」だと思うんですよね。ま、いいけど。
 タンパク質には、凝固温度があり(58度~60度)、これを超えて68度ぐらいから分水作用(水分が抜ける)が始まります。要は火が入りすぎて、肉汁が飛び出てしまうのです。と言うわけで、素材に合わせて、タンパク質が固まり、分水作用が出ない温度で調理すれば、素材の100%の力を発揮させられるってワケですよ!
 (圧力鍋など、100度を超えると組織が壊れて、また肉が軟らかくなり始める)
 これをフライパンやオーブンで行うと、5分焼いて15分休ませる、なんて面倒な作業になりますし、肉の質量や断面積でも時間が変わってきます。職人の経験と技が必要な作業になってしまうんですね。定温調理の場合、周囲の水温を63度にしたら、中の肉は「絶対」63度を超えないので、焼きすぎ!という事にもならなくなります。料理の失敗が減るのです。
 美味しくて、失敗しない調理法を使わない手はないです!
 最も手軽な方法は、鍋に水を張り、ガス(IH)でお湯を温め、温度計で確認しながら「人間がON/OFF」する方法です(千歳も、今までこれでやってきました)。温度を一定に保つためには、キッチンに張り付く必要があり、長時間の調理には向きません(出来るけど面倒)。また、どうしても温度にムラができてしまい、完璧を求めるのには向きません。
 そこで、このON/OFFを自動的に行ってくれるのがANOVAと言うわけです。
 センサーによって温度を計測し、電熱器で温度を保ち、撹拌して対流させる。これが一つで出来てしまいます。電気で動くので、仕込みだけしてしまえば、ガス台(IH)を占領せずに済むというのもメリットです。60度12時間、なんてチャーシューを作るのも、寝ている間に出来る幸せ。万が一撹拌する水の量が規定値を下回ると、自動的に停止するのです。あー、至れり尽くせり!
 肉は凝固さえすれば低温の方が美味しいと思うのですが、殺菌という面で見ると63度/30分(75度で1分)という指針もあり、千歳亭など、人が来るときは指針通り。家庭内で食べる分にはギリギリ温度を抑えています。
 ベーコンを燻製した後の殺菌も楽になるなぁ!
 ※牛のブロックの場合は、55度~60度で調理して、表面が63度以上になるように最後にフライパンで「焼き」を入れます。豚の場合は、腸管出血性大腸菌が怖いので、75度以上1分(中心に届くよう)するようにしています。魚の場合は、そもそも「生食用」を使うようにしています。
 うわー、こんな物まで買って! 面倒くさそう! きもい! 調理オタク! と罵られそうですが、これで調理した料理を食べ始めたら、外のレストランで肉を食べることは(ほぼ)なくなりました。それぐらい美味しいです。
 ※低温調理をし始めると、皆さん食中毒に驚異的に詳しくなります。
 ※ANOVAを買って後悔している人をあまり見かけません(検索上位に上がってこないだけかも)
 ※どの家庭も、低温調理を始めると、ジップロックの消費量がおかしな事になります(笑)
 ※低温調理後は、封を開けずに冷蔵保存した場合(基本的に)減菌されたままなので、通常よりも長持ちします。