EOS Rシステムの目玉となるレンズの1つ、開放F2のズームレンズ「RF28-70mm F2 L USM」を使う機会があったので、レビューします!

とは言え、希望小売価格453,600円(税込)という怒濤のレンズ。大手量販店で40万円ちょっと(+ポイント10%)とか、Amazonでも35万円ほどです。もちろん買えませんので、レンタルしてみました。
※新品最安値だと30万ぐらいですね。定価を考えると安くて魅力的に見えてくる不思議です。

第一印象は、でかいと言うより「太い」です。
太巻き食べようと思ったら、恵方巻だったよ!と言うぐらい太いです。

そして、怒濤の重量1430g。
小型軽量なEOS Rに付けた時のバランス「悪っ!」
明らかにフロントヘビーです。フルサイズミラーレスの中ではかなり評価の高いEOS Rのグリップでも、この重量とバランスを支えるのは難しいです。長時間掴んでいると、かなり指が痛くなります。
こういうときに、1Dxとかなら丁度良いなぁと思います。

前玉がでかい!
フィルター直径95mmは、化け物と思えるレベルです。特に注意したいのは、このクラスのフィルタは強度を上げるために枠が少し太くなっていたりします。すると、フードが引っかかって入らなくなります。決して安いフィルタではないので、購入する場合はご注意を。

さて、自前のEOS Rに装着してみると、やっぱりバランスが悪い。
手持ちのレンズだと、EF70-200mmF2.8L ISがほぼ同じ重量なんですが、長くて細い(RF28-70mm F2 L USMに比べてですけどね…)ので、撮ってて楽です。RF28-70mm F2 L USMは太くて収まりが悪いプラス重心が微妙な位置にあって、自然体で握れるという感じではありませんでした。ま、そのうちこのレンズに見合うボディも出るでしょ!

AFは早いです。この太い筒の中にみっちりガラス玉が詰まった感じなのですが、そんなレンズの重たさを感じさせない素早さです。
ピントも正確(DPCMOSなので当たり前)です。有ったところは芯があり、被写界深度の外に出始めると、ふわーっととろけている描写はすごいとしか言い様がありません。ボケも柔らかいです。

28mm側ではそれ程でもありませんが、望遠側70mmでは格段にとろけた描写をします。本レンズは高価な単焦点レンズ4本分を1本に!と言っていますが、本当にそんな描写です。
また、Lレンズの中でも特に濃厚な描写をします。ちょっとビビッドな設定にしていると、色がやかましく感じるほどです。

焦点距離によっては、少し彎曲が見えますが、まぁ、目くじらを立てるほどではありません。現状CameraRAWにプロファイルがないので、一発で修正というわけに行かないのが残念です(もちろん、Canon純正のDPPなら問題無し)。
周辺減光もありますが、この口径でこれだけ?と言うレベル。ほとんど気になりませんでした。
最短撮影距離は39cm。ワーキングディスタンスは20cmチョイです。もう少し寄れた方がありがたいですが、これでもCanonの標準的な撮影倍率です。

描写は、開放からシャープで、F4ぐらいまで最高画質が続きます。
F2.8より一絞り明るいおかげでシャッタスピードも稼ぎやすく、手ぶれ補正がないことはあまり気になりませんでした。
24mm始まりだったらとても便利なんですが、現在のフィルター径を考えると、この4mm差は無視できないでしょうねぇ。

描写力は抜群。F1.8クラスの単焦点を取っ替え引っ替えしているなら、このレンズ1本で!と言うのはアリかもしれません。スタジオに籠もって、この焦点距離でオールOKなら、このレンズを買っても良いかもしれません。
Rマウントのボディを買ったら、是非一度は撮影して欲しいと思うレンズなのは間違いありませんが、所有するのには勇気が必要ですね。重さよりも太さがネックに感じました。金額もですけど。
運用の難しさを感じました。