先日開発発表がなされたCanonの新型ミラーレスカメラEOS R5
「今年中にEOS R5と9本のレンズを出す」
という見出しだったので、R5もかなり先の話かと思っておりましたが、日刊工業新聞に「オリンピック前に投入」との見出しも。
(どうも、9本のレンズを今年中に出し切りたいという意味っぽいですね)

まず、レンズについて。

今まで高級路線ばかりのレンズも、普及価格帯の拡充で一気に攻めに転じた様に感じます。特に、ミラーレスだからこそできた開放絞り7.1のレンズ。これは、かなりコンパクト化に寄与します。
ミラーで見ていた場合、レンズから入ってきた光を増幅することができないので、レンズがある一定以上暗いとファインダーが見にくくなっちゃうんですよ。なので、純正だと概ねF5.6まで。サードパーティでもF6.3までというものが殆どでした。
F5.6からF7.1ですと2/3段暗いので、望遠レンズなどでは一回り小さいコンパクトなレンズになる事が期待できます。
今後、カメラのダイナミックレンジが広がり、高感度ノイズがより少なくなれば、開放F値8なんてレンズが普通に出てくるかもしれません。

image.canonサービスについて。

R5が最初の対応機種となるimage.canonサービス。これが4月中にサービスインらしいので、早ければ4月中の販売開始もあるのかもしれません。
(このスピード感だと、もう量産に入っていないといけないタイミングです。と思いきや、先日台湾NCCにR5と思われる型番(DS126832)が登録されました。使用バッテリーがLP-E6系ですので、中級機以上なのは間違いありません)

image.canonは、カメラが予め設定したアクセスポイントに接続すると、クラウドにデータをアップロードしてくれる機能です。
Wifiが完備された屋内での撮影なら、今すぐにでも使える機能です。屋外の場合、使いやすいWifiスポットが近くに無い場合、自宅に帰ってきてからの同期……では、あまり意味がありません。
スマートフォンのテザリングなどを使用した場合、速報用にSmall JPEGぐらいなら行けると思いますが、RAW画像を転送し始めると、多少の大容量プランでも一瞬で使い切りそうです。
この辺は、今後5Gネットワークが充実して、GBオーダーのデータをサクサク送信できるようになるのを見込んでいるという事でしょうか。

使わない人には全く不要かと思いますが、撮ってすぐにシェア(例えば編集さん)したい場合は、本当に便利になります。

デュアルカードスロットについて

さて、前置きが長くなりました。

まだ謎に隠された部分の多いR5。
特にデュアルカードスロットは「デュアル」と言われているだけで、どのメディアが使えるかが公表されていません。

現状考えられるメディアは、SDXC、SD Express、CFexpressのデュアル、または組み合わせになると考えられます。SDXCは、UHS-IとUHS-IIに分けられますが、UHS-IIのみ考えれば良いと思います。CFexpressはType AとType Bの2種類あります。
(今更コンパクトフラッシュや、CFastはナシでしょう。1Dx3でも非対応だったためXQDもナシでしょう)

R5は静止画において最大20コマ/秒で撮影が可能です。
おおよそ5000万画素のEOS 5Dsでは、JPEG/FINEで約17MB前後、RAWデータでは約60MBと言いますから、合計80MB×20枚ということで、1600MB/sとなります。まー、静止画は一度バッファに貯めてから出力しますので、あまり気にしても仕方ないですね。
動画の場合、直近に発売された1DX Mark3のビットレートを参考にすると、5.5K RAWで約2600Mbps(325MB/s)。4Kだと最大で約940Mbps(117.5MB/s)程度です。圧縮比にもよりますが8Kともなると、この2600Mbpsが1つの目標だと思われます。

安定して保存できるかどうかは別として、規格としてはSD Express、CFexpressは耐えられます。よって、帯域の足りないSDXC UHS-IIのデュアルという事は無いでしょう(UHS-IIは最大312MB/s)。

SD Expressは、SDXC UHS-Iと互換性があります。UHS-IIとは互換性がありません(1段目は互換性を保つためUHS-I互換。2段目がSD Express専用ピンとなるため)。SD Expressを採用するという事は、旧来採用してきたUHS-II規格のSDカードが使えません。また、SD Expressはカメラ業界向けに開発されたものではない様子。まだ、このメディアを採用したカメラは世に出ていません(2020年後半との噂)。
よって、SD Expressのデュアルという選択肢も限りなく薄いと考えられます。

従来の互換性と、利便性を考えた時に最もありそうなのが、CFexpress Type BとSDXC UHS-IIのデュアルです(CFexpress Type Bのデュアルは、サイズ的に難しそう)。
とは言え、異なるメディアのデュアル構成は不便も多いですし、メディア間の速度差も気になるところです。
CanonはCFA寄りで、CFastカードを採用した数少ないメーカーの1つです。その為、まだ普及していないけれども、これからの主流となるメディアとしてCFexpress Type Aのデュアル構成という可能性も捨てきれません(まだ、メディアが出てないんだよなぁ~!)。

期待のR5。
人気沸騰で、予約しないと、しばらく購入できなさそうですね!

※CFexpress Type AはSDカードより若干小さい。
※XQDとCFexpress Type Bは同形状。プロトコルが異なる。

 

(2020/03/03更新)

認証機関に登録されてから3ヶ月か4ヶ月後に発売されるケースが多いようです。2月末の登録だと、5月末~6月末ぐらいの発売が妥当な線ですね。

 

(2020/03/13更新)

CanonのEOS R5スペシャルサイトにて、情報の追加がありました。

 AFは犬・猫・鳥の全身・顔・瞳に対応
動画は8kで水平方向クロップ無し、全モードでデュアルピクセルCMOS AF可能。かつ、内部記録可能
(EOS R5スペシャルサイトより)

動物の認識はありがたいですね。我が家には猫がいますので。
また、動物は人間と違って勝手に動き回りますから、AFをシステムに任せられるのは非常にありがたいです。

 

動画は、非常に進化を感じます。
(かなりセンサーからの読み出しが速くなったんですね)

8k画像が16:9の場合(UHD)、7,680ピクセル×4,320ピクセルですから、横幅が同じ7,680ピクセルとしたら、比率3:2の場合縦5,120ピクセルになります。この場合3,932万画素となります。
横幅が8,192ピクセルの場合、縦5460ピクセルになります。この場合は、4,472万画素となります。
4,000万画素以上という噂が根強いので、これを信じる限り8,192×5,460の4,472万画素と言うのが有力でしょう。
クロップが無くなるという事は、より広角な撮影が可能となります。映像表現の幅が広がるでしょう。

内部記録可能と言うことで、1基は間違いなくCFexpressのType Bだと思います。

ちょっと前に、台湾のNCCに「DS126832」が登録された時、これがR5か!と歓喜したのです(バッテリーがLP-E6系の為)。

今回「DS126838」はリモートスイッチがRS-60E3ではなく、TC-80N3となっています。RS-60E3は、EOS Rにも使われているのですが、Kissなど入門機などで多く採用されているタイプです。今回のTC-80N3は、EOS 5D以上で採用されているコネクタが大きいタイプなので、DS126832がR6。DS126838がR5ではないかと思われます。

海外の噂では、R6が6月。R5が7月を予定していると伝えています。
(もっとも新型コロナウィルスの件で、生産量はかなり少なく、発売日をずらすのか、量を制限するのかはまだ検討中らしいです。