TVを購入して、それにつなげるHDDの整理をしています。
当初、NASに入っていた4TBのHDDを使おうと思ったところ、家電製品でよく使われるAVコマンドに非対応という事が判明しました。結局、この4TBはPCに内蔵させ、PCに入っていたHDDをTVにつなぐつもりでUSBのHDDケースなどを用意しました。
PCに入ってたHDDのバックアップは、最新ではありませんでした。
なぜならば、NASのHDD 4TBがパンパンで、もうこれ以上バックアップが取れなかったからです。
PCに入っていたデータを、新しいHDDに移す際に、元のHDDにバッドセクタが見つかり右往左往している最中です。
「バックアップしていない時ほど、HDDが壊れる」という、某法則を地で行っている感じがします。「新しい家電を買おうかなんて噂し始めた途端に、当該の家電が壊れる」とかいうのと同レベルの現象です。なんでこうなるの!
それまで普通に使えていたHDD。
特に書き込みも読み込みにも不便を感じたことはありませんでした。
新しいHDDを接続し、エクスプローラーでファイルをごそっとコピーしようとしました。
当初は問題なく進んでいたものの、途中で転送速度がゼロになり、コピーが停滞してしまいました。
タスクマネージャーでHDDの様子を見ると、HDDのアクティブな時間は100%に張り付いているのに、読み込み速度がほぼゼロです。
気持ち悪いですね!
(普通、どんなにアクセスが集中しても、100%張り付きっぱなしにはならないのです。99%とか、多少揺らぐのです)
一度ファイルコピーを中断し、DOS窓でchkdskを実行します。
しかし、この時点では「何の問題もない」と表示されました。
chkdskがエラーを出さないという事は、Windowsが管理するNTFS上では、何ら問題ないという事です。しかし、実際のコピーでは、なにやら引っ掛かりを感じます。嫌な予感しかしません。
CrystalDiskInfoを実行しても「正常」と表示されます。smartもエラーを検知している感じがしません。やばいですね!
(CrystalDiskInfoは定期的に実行していましたが、今回はこの通りHDDのエラーを見抜けませんでした)
前述のとおり、ある程度バックアップはあるので、仮にファイルコピーを諦めても全滅という事はありません。しかし、できる限りファイルを救いたいというのも事実。
Windows標準のrobocopyで、ログを残しながら実行し、引っかかるファイルを見つけたら、それを削除して改めてrobocopyを実行するという作戦に出ました。
これ、引っかかるファイルが数ファイル程度なら有効な作戦なんですけどね……。ぽろぽろと引っかかるファイルが出てきます。
(robocopyはコピー済みのファイルを(標準だと)スキップしてくれる)
あれ、思ってるよりもHDDの状態が悪いのではないかと思いました。
調子に乗って、chkdsk /Rを実行してしまいますが、これも一晩程度では終わりません。そりゃそうですよね。chkdskは論理矛盾に対するユーティリティですから。今回のようなハード障害に向いたツールではありません。
この段階でCrystalDiskInfoを実行すると「注意」と表示されます(おせーよ!)。「代替処理保留中のセクタ数」が少量増えていますが、まだ代替セクタへ切り替わってはいないようです。
(Windows10は、この辺の処理を後でまとめて行うようになりました)
これを見る限り、最初に書き込む段階では問題なかったものの、その後何かの衝撃などでプラッタに傷がついた、と考えるのがよさそうです。
(最初からダメなら、書き込みの時点で代替セクタが利用されるはず)
HDAT2(DOSから起動するローレベルなチェッカー)をダウンロードして、CDに焼きます。
これから起動して、HDDの物理セクタを調べることにしました。実行直後は問題なく動いているので、外周(古いデータ)は無事そうです。しばらくすると、案の定「B」マークがつくようになりました。2/3ほど内側からバッドセクタ認定です。
読み込み速度も数セクタ~数十セクタ/毎秒と、かなりの低速です。かなりリトライしているか、低速読み込みモードになっています。
これ、厳しめに判定したら、もっとバッドセクタ増えるんじゃないかな?というぐらいの挙動に見えます。
このツールが完了すれば、読めないセクタは「バッドセクタ」とマークされます。
Windowsが起動し、コピーの段階では「ファイルのCRCエラー」でコピーできないという挙動を示すはずです。
バックアップ済みのファイル一覧と、現HDDのファイル一覧を取って、差分だけコピーするようにしますが、おそらくこの差分は最近のものが多数であると考えられるため、拾えるファイルが少ないのではないかなと思います。
残念ですが、致し方ありません。
100%ロストではなく、一部ロストで済んだと喜ぶべきでしょう。
(ま、ロストしてもあまり痛くないファイルなのが救いですが)
大事なファイルは、別HDDにコピー。できればクラウドにもコピー。
許容できる範囲でコストをかけて、複数媒体に、複数のコピーを残すのがバックアップの鉄則ですね!
chkdskは、よく考えて使用しましょう。
オプションなしでchkdskを実行した場合、読み取り専用モードで処理されるので安全です。この時点で、エラーがなければ安心してよいでしょう。
問題は、エラーを検知し「読み取り専用モードでは、chkdskを続行できません」の表示が出た時です。
次に試すのは「/f」オプションです。
これは、管理領域の情報を修正しようと試みます。
ただし、「/f」を実行した場合、肝心なファイルにアクセスできなくなる可能性があります。肝心の中身が壊れていたり、消えてなくなることもあります。
サードパーティのユーティリティを使用することも検討したほうがいいでしょう。
昔はよく利用していた「/r」オプションは、現在、利用する価値がありません。
全セクタを読み込むため負荷が高く、余計にHDDの破壊が進む可能性があります。現状、「/r」オプションを使用するぐらいなら、HDAT2などの専用ツールを使うべきだと考えます。
謎の「/b」オプションは、不良セクタの一覧を消去するとマイクロソフトは記載しています。何のことかと思って調べたところ、以下のような場合にだけ使用することがわかりました。
ボリューム丸ごとイメージ化、コピーするようなツールで新しいHDDにデータをコピーした場合、コピー先にも、元のHDDの不良セクタ情報が残ってしまうので、これをクリアしたうえで再チェックする、という事のようです。これはかなりレアなオプションですね。
(ちなみに「/r」オプションを含むので、安易に実行してはいけません)
Windows10のchkdskは、「/scan」(チェックを行い、オンライン(マウントされた状態)で可能な範囲の修復を行う。オフラインでの修復が必要なエラーを検知した場合は、修復キューに登録する)と、「/spotfix」(修復キューにある情報で修復を試みる)の2つで十分な気がします。
(「/scan」したときに、エラーの内容によっては、/spotfixではなく、/fを指定される場合がある)
なかなかやっかいな状態ですね…。
ウチも…PCよりもNASのHDD状態に不安が…。何も出てないんだもの。
TOSHIBA HDDそんなに丈夫なのか?以前Seagateを何世代か使っていたので、壊れないと不安で…。
▼ちゃがまさん
最近、HDDで事故ってなかったので、smartにでてなければ安心、と思い込んでました。
もっと裏の方で自体は進行していたようです。
とはいえ、拾いたいファイルもあるので、もう少しだけ悪あがきを続けてみます~
雪崩破壊という表現が思い浮かびました>「/r」オプションでの2次被害
早めのコピー(引っ越し)とバックアップが大事ですねぇ…
▼omoteさん
トラブったときは慌ててしまって、かえって被害が大きくなってしまいますね。
早め早め、大事ですね!