先日Canon EOS R3が正式に発表になりました。
画素数は2410万と言うことで、スポーツや報道などの速写性が優先される現場においては、とても使いやすいサイズではないかと思います。
個人的には3000万画素ぐらい有ると、グッと汎用性が増すのですが、高感度特性や読み出し速度との兼ね合いですから仕方有りません。
昨年発売されたR5/R6も新世代Rシステムのベンチマークとなる機種でしたが、今回のR3もかなり新世代のベースとなる部分の底上げが見られます。
細かい部分は他のサイトを見てもらうとして、R5に引き続き私の方で気になった点をまとめていきたいと思います。
まずは、シャッター周り。
R5では1/60(0.017秒)ほどだったセンサーの読み出し速度ですがR3では、1/180(0.0055秒)まで引き上げてきました。
現状のメカシャッターは1/250程度ですので、ここまでくればメカシャッター不要と言えます。
R5では電子シャッターでのストロボ同調が取れませんでしたが、R3では上記の通り1/180で同調可能です。大きな進化ですね。
R3のメカシャッターはR5とほぼ同等と考えて良さそうです。
1Dx3では、メカシャッター16コマ/秒、X同調1/250です。R5のメカシャッターは12コマ/秒、X同調1/200です。
R3のメカシャッターは12コマ/秒、X同調1/200ですので、1Dx3のシャッターではなく、R5のシャッターユニットを流用したと考えるのが妥当です。
なんでR3のシャッターは1Dx3並みに16コマ/秒じゃないんだと憤慨されている人も見かけました。シャッターシーケンスが一眼レフとミラーレスでは異なるので、一眼レフ並みの速度をミラーレスに求めるのは難しいです。ミラーレスは、今後シャッターユニットなくす方向で進化していくと思うので、これ以上投資していくのは無駄というものです。
一眼レフ
1)シャッター閉じたまま、専用センサーで測距
2)先幕走る
3)露光
4)後幕走る
5)シャッターをチャージする
ミラーレス
1)シャッター開いたまま、撮像センサーで測距
2)先幕走る(閉じる)
3)先幕走る(開く)
4)露光
5)後幕走る
6)シャッターをチャージする
7)先幕走る(開く)
※電子先幕シャッターの場合、先幕をいちいち戻す必要が無いので、一眼レフと同等の速度を維持出来ると思う。
最近はローリングシャッター歪みをとても嫌う傾向がありますが、R5ぐらいの速度があればあまり気になりません。横方向に動くものを横位置で撮る、縦方向に動くものを縦方向に撮るから歪みが目立つのであって、横方向のものを縦に取ればほとんど歪みません。もちろん画角などもありますが、工夫でなんとかなる部分も多いかと思います。
もちろん、幕速が上がって、歪みが無いことに越したことはありません。
もう一段速くなって、1/250に達すると、完全にメカシャッターを置き換えることができます。
メカシャッターはなくなってしまうのか。可変NDフィルタなどに置き換わってしまうのか。はたまた、撮像素子を守るためだけの幕として生き残るのか。この辺も気になっています。CanonのRFマウントは、ミラーレスとしてはフランジバックが長めなので、いろいろ入れる隙間はあるんですよね……。
ちなみに、R3は1DX比でローリングシャッター歪みが軽減と謳われていますが、1DXの速度は(フルサイズなら)R5と同等です。
現時点最速はSONYのα1です。1/200の電子シャッターのX同調速度が行えます。
あ、SONYのα使いが「SONYは絞っても30コマ/秒出せるのに、CANONは絞り込むとコマ速が落ちる。ダサい」なんて声もありました。SONYは絞り込み測距(ただし、実絞りではない)なので、確かに連写に向いています。とは言え、レリーズ優先の設定が必要ですから、30コマ/秒が撮影出来たとして、ピントがどの程度ついてくるのか疑問ではあります。
自分の撮影に向いた機械を使えば良いのに、なぜかカタログ上の数値で戦う人が多いのには閉口します。
メモリーカードスロットについて。
CFxが2つだと嬉しかったのですが、そうはなりませんでした。
これは恐らく、バックアップとして同じものを保存するよりも、RAWや高ビットレートの動画はCFxに保存し、JPEGやMP4等の軽いフォーマットをSDに保存。その場でデータのやりとりや確認を行うのに使いやすいSDを採用したものと思います。
(回路設計をR5と共通にしたコストダウンかも知れない)
AFについて。
車やバイク追従が追加されましたが、それらはそもそもAFを合わせる被写体として難しくないと思います。ほんの一瞬の歩留まりを上げる必要がある人には有用ですが、一般人にはどこまで便利か疑問です。
それよりも、人物の検出が非常に良くなったのが嬉しいです。
マスクをしていたり、前髪が目に掛かっていたりすると一瞬認識が外れることがあります。癖なんでしょうか、奥の目に積極的にピントを合わせようとしていると感じるときもあります。
R3では、より広範囲に頭部や瞳を認識し、正確にピントを合わせるようになります。
この辺の学習結果をR5/R6にバックポートしてくれると嬉しいです。
また、視線入力も重要なポイントです。
風景ではまず使いませんし、撮影する対象が1人や2人なら全然不要(指でなんとかなる)なんですが、結構な人数が混在する環境下(大人数撮影や、複数人スポーツ、報道など)ではかなり便利だと思います。
これ、このクラスのカメラじゃないと載せられないような高価なユニットだと思うんですよ。早く試してみたいです。
アクセサリーシューについて
従来の防塵防滴ではないアクセサリはそのまま使えるようですが、防塵防滴(上位クラスのスピードライトなど)は、アダプタを介する必要があるようです。ラバー辺りが干渉するからでしょうか。
Canonによると「防塵防滴の機材は、新アクセサリシューには付かない」そうです。防塵防滴が保たれない、ではなく付かないそうです。
あと、アクセサリシューの強度も気になります。もともとCanonのシューは割と堅牢だったのですが、奥に端子が増えたことで、どのようになるか気になります。この辺、SONYは盛大にやらかしてますからね……。
価格について
世間一般の人がひょいっと買える値段ではありません。ですが、同クラスのボディと比べると、割安感すら感じます。
速写性が必要な人。2410万画素で足りる人。ミラーレスで抜群の信頼性が欲しい人は、買うと幸せになれると思います。
さて、対抗馬となるNikonのZ9の同行が気になります。
開発発表から、情報が漏れてこないんですよねぇ。
(追記)
1Dx3の特徴である16点分離式のローパスフィルターは、R3には採用されていないようです。
これを採用すると、とてもこの価格では収まらないから…… と言うのが理由だそうです。恐らくR1には搭載してくると思うので、この辺も「1」とそれ以外の差別化なんですね!
R3を使うか、そうではないか。ここに撮影者の工夫や研鑽では埋められないほどの差があります。というのが本日実機を手にして感じた本音。うーんこれはカメラの考え方が変わるですよ……
Nikon Z9ももちろん相応の完成度で出てくるとは思いますが、R3と比較した場合には既に時代遅れになっているのではとさえ思えるほどの先進性でした。
ニコン使いとしては超不安。本当に不安。システムの将来性含めてマジ不安(苦笑……してる余裕がありません)
▼ねこ8さん
SONY、Canonは、着実にデバイスの進化を見せてくけていますね。
道具としての真価は変わらないとは言え、Nikonの姿勢や開発規模は、ちょっと心配になってしまいます。
そんなことは杞憂だった!と言える冬が来ると良いなぁ!
>自分の撮影に向いた機械を使えば良いのに、なぜかカタログ上の数値で戦う人が多いのには閉口します。
大の大人が厨ニ病になると思うとわらえますねw
それにしてもR3良いスネw
▼carib7067さん
S○NY(に肩入れしている方)は、なんだかケンカを売りに来ている人が多いように感じました。あれ、任天堂とも戦ってましたよね? ちがうかー!