懐かしのメロディー 童謡・唱歌 八洲秀章&抒情歌 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ 
*2006/SEP/01 開設 

昭和8年(1933年)

「サーカスの唄」が発表されたのは昭和8年ですから、この頃にはすでに呼称も<曲馬団→サーカス>となっていたものと思われます。<サーカス Circus>はローマ時代の<キルクス=円形競技場>から発した言葉ですが、現在では<曲馬団>のほかに<円形広場を中心とした地域>も、例えばニュートン・サーカス(シンガポール)などといいます。円形の演舞場を観客がぐるりと取り囲んで、曲馬・曲芸を見物するのは、まさに古代ローマのキルクスを彷彿とさせます。
戦後サーカスが盛んな頃、見物するのはハラハラドキドキして面白かったのですが、人間業とも思えない芸に驚嘆して、さぞかしキツく厳しい訓練を強いられるのだろうなと思いました。学校にも長期興行のサーカス団の子供が編入されて来て、サーカス団の移動とともに去っていった、<風の又三郎>のような気持ちにもなったものでした。厳しい訓練、旅から旅へを背景に、子供が言うことを聞かないと、「サーカスにさらわれちゃうぞ」と親から脅され、何やら怖いイメージも残っている「サーカスの唄」です。
サーカスといって思い出すのは、映画ではチャールトン・ヘストンの「地上最大のショー」やチャプリンの「サーカス」、小説ではレイ・ブラッドベリの「10月はたそがれの国」でしょうか。
*1:
最近は<つばく>と歌っている。 Illustration by Hosomichi
【追記】
この「サーカスの唄」は昭和8年来日したドイツのハーゲンベック・サーカスのCMソングだったのですが、サーカスも大変な人気を博し、その時から<曲馬団>が<サーカス>と呼ばれるようになった、とのことです。(日本サーカス史より)

  JASRAC No.036−0003−3


  サーカスの唄

   
  作詞:西条八十
  作曲:古賀政男
  歌唱:松平晃
(曲リスト)
  MIDI制作:滝野細道


  (一)
  旅のつばく
*1 淋しかないか
  おれもさみしい サーカスぐらし
  とんぼがえりで 今年もくれて
  知らぬ他国の 花を見た

 
  (二)
  昨日市場で ちょいと見た娘
  色は色白 すんなり腰よ
  鞭の振りよで 獅子さえなびくに
  可愛いあの娘は うす情

  (三)
  あの娘住む町 恋しい町を
  遠くはなれて テントで暮らしゃ
  月も冴えます 心も冴える
  馬の寝息で ねむられぬ

 
  (四)
  朝は朝霧 夕
(ゆうべ)は夜霧
  泣いちゃいけない クラリオネット
  ながれながれる 浮藻
(うきも)の花は
  明日も咲きましょ あの町で


             サーカスキャラバンは街から街へ




松平晃の当倶楽部内のアップ曲リスト

松平晃当倶楽部の曲
曲  名 作  詞 作  曲 歌 い 出 し
急げ幌馬車 島田芳文 江口夜詩 日暮れ悲しや荒野は遥か急げ幌馬車鈴の音
サーカスの唄 西条八十 古賀政男 旅のつばくら淋しかないか俺も淋しいサーカス
初恋日記 高橋掬太郎 江口夜詩 青い木蔭の夢は花の木蔭の夢は心ときめく
花言葉の唄 西条八十 池田不二男 可愛い蕾よきれいな夢よ乙女心によく似た花
人妻椿 高橋掬太郎 竹岡信幸 愛しの妻よ泣くじゃないたとえ別れて住めば
望郷の唄 島田磐也 古賀政男 暮れてゆく空よ雲の流れ侘しや思いで遠き夢
港の雨 佐藤惣之助 江口夜詩 懐かしの港の雨よ出船もせまれば別れの酒だ
夕日は落ちて 久保田宵二 江口夜詩 荒野の涯てに日は落ちて遥かまたたく一つ星
忘られぬ花 西岡水朗 江口夜詩 忘られぬ花のかおりよそのかみの君が面影