昭和8年(1933年) JASRAC Code No.046-3564-7
(一)
今日は山越え 明日は海を
渡る浮世の 旅まくら
鴎鳴け鳴け 俺らは泣かぬ
ひとり旅でも 男じゃないか

(三)
昨日覚えた 酒場の唄が
今日は別れの 唄となる
くれるデッキで 口笛吹けば
遠い港は 夕焼け小焼け
旅の朝霧

旅の朝霧
この「旅の朝霧」の作曲者田村しげるは、戦後、「白い花の咲く頃」、「リラの花咲く頃」、「高原の旅情」などのNHKラジオ歌謡中心の抒情歌を妻の寺尾智沙とともに作りましたが、戦前のこの歌は股旅物を思わせ、後の抒情歌とは少々趣をことにしています。「チンライ節」などという歌も作曲していますが、終戦を境に曲調がガラリと変わりました。戦後でガラリと変わったといえば、戦前ゴテゴテの流行歌「高原の旅愁」などを作曲していた八洲秀章も同様で、「あざみの歌」の方に方向転換しました。 Photo by Hosomichi
八洲秀章&抒情歌 童謡・唱歌 懐メロ
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(二)
空を流れる あの雲でさえ
さびしけりゃこそ 雨降らす
渡り鳥とぶ 夕空みれば
くにが恋しい 生れのくにが
朝霧の落葉松林を抜けて
歌詞:西条八十  曲:田村しげる  歌:東海林太郎  MIDI:滝野細道