昨日(2/14)は、怒濤の製品発表ラッシュとなりました。

富士フイルムからは「X-T30」。
パナソニックは「LUMIX S1R」「LUMIX S1」。小型軽量は4/3に任せて、S1系は重厚長大ですね。レンズもでかい。描写に全力投球です。
NikonからはZマウントレンズが2本。「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」共に、広角~標準域です。ロードマップを見ていても、大口径ショートフランジバックをいかせる広角よりなレンズが多いですね。望遠域は従来通りレフ機を使って欲しいという意図が見えます。

Canonのレンズは、RFレンズの開発発表でした。Nikonのように発売日と価格を明示せず、今年中に発売する予定のレンズという位置づけです。
「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」「RF15-35mm F2.8 L IS USM」「RF24-70mm F2.8 L IS USM」「RF70-200mm F2.8 L IS USM」「RF85mm F1.2 L USM」「RF85mm F1.2 L USM DS」
とまぁ、全方位を早々に揃える機満々です。今回発表にはありませんでしたが、「RF100-400mm F4-5.6 L IS」なんかも噂が流れているので、広角のみならず、望遠側もそこそこ揃えて行くように見えます。
高級なで描写力の高いLレンズ中心で、これはRF(EOS R系)は描写力が高い、というイメージを植え付ける戦略だと思いますが、そんな中にも、こそっと便利ズームを入れてくるなど「一応普及レンズもやってる」というアリバイ作りが秀逸です。あれ、純正でF6.3まで暗いレンズって有りましたっけ?
(レフ機に比べて)小型軽量なミラーレスを生かすためにも、小三元レンズ「16-35F4」「70-200F4」を出してほしいものです(24-105F4は発売済み)。

面白い試みとしては、RF85mm F1.2 L USM DSに搭載されたDS(Defocus Smoothing)。途中の光学系にアポダイゼーションフィルター(中心部の透過率は高く、周辺部に向かって透過率が低くなるフィルター)を乗せ、ボケ部分の輪郭が柔らかくなる効果を追加するものです。85mmの焦点距離とF1.2という大口径から、このレンズの描写が楽しみでなりません。
従来のEFレンズでも使えるようにアポダイゼーションフィルターだけ抜き出して、ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS Rに搭載できるものが出ると楽しいのですが、位相差AFセンサーと相性が悪いので、純正では出さないでしょうねぇ。

さて、肝心の「Canon EOS RP」。

外観から見ると、EOS Rからみて、幅は変わらず、高さが低くなり、軽くなりました。
男性の手の大きさだと、グリップしたときに小指が余ると思うので、エクステンショングリップも同時に発表されています。

カメラ上部にあったステータスLEDが無くなりモードダイヤルになりました。
マルチファンクションバーが無くなりましたが、現状必須のインターフェースではないので、特に問題ないでしょう。

残念なのが電源オフでシャッター幕が降りない事。案外、安心感があるので、これぐらいは搭載して欲しかったです。

さて、ここからは私の妄想。
EOS RPのセンサーは6D Mark2と同等品で、画像エンジンをDIGIC7→8へ載せ替えてきた感じがあります。これに、KISS Mで使い慣れたEVFと液晶モニタを搭載しているので、価格をガクンと下げられたのでしょう。
(地味にシャッターの幕速も最大1/4000となっています。スピードライトとの同調も1/180秒です(とは言え、この辺は6D Mark2と同じ))
と言うことは、EOS RPのセンサーはRに比べて1世代古いものとなります。これは、未だ少し(低感度の)ダイナミックレンジが狭い頃のセンサーです。実用上問題ないですが、気にはなるところです。
当然、読み出し速度も遅いため、連写速度が低かったり(これは意図的な可能性も)、動画の記録もRの4k30pに対してRPの4k25pだったり、外部出力もRの4K 4:2:2 10bitに対してRPの4K 4:2:2 8bitと差があります。
バッテリの小型化による撮影枚数の減少が一番痛いです。互換バッテリも安いので、数個買ってローテーションするのが正義でしょう。

さて、この性能差に対して5万円の価格差が納得できるかという所です。
(発売されたら、もう少し差が開くかと思いますが)
最新ミラーレスの皮を被った一世代前のカメラです。ま、カメラの基本性能なんて、もう1世代程度違ったところで誤差ですが。

逆に、絶対価格帯としては、かなり買いやすいところに下りてきました。
旧来のレフ機、EFレンズ保持者が「まずはミラーレスを試す」には良いところだと思います。
また、いずれフルサイズと思っている層にも刺さると思います。
SONY α7への流れを断ち切り、Canonの意地のシェア取りという構図も見えます。こういうときのCanonの機種はとてもコストパフォーマンスがいいので買って損は無いと思っています。

個人的に、マウントアダプタを使った運用は大変面倒なので(特にRFレンズが混ざると)、コントロールリング無しの安価なアダプタを、普段持ち歩くレンズの本数分買ってしまうことをおすすめします。EFレンズには、どうせコントロールリングなんてないんですし、RFレンズにあるコントロールリングは前玉寄りです。マウントアダプタはマウント寄りですし、操作感が違うので使いにくいです(あれば便利というのは事実だけど)。
そして、ぜひRF35mm F1.8 MACRO IS STMを購入して、RFレンズの描写に触れて欲しいです。

追記。
瞳AFなどの性能(AI Servoでの瞳追従)で、EOS Rを下剋上している部分もありますが、これは間違いなくEOS Rのファームウェアアップデートで同等になります(断言)。

1件のコメント

  1. 一眼レフの「6DMarkⅡ」をターゲットにしているのなら、十分なスペック+価格だと思います。
    今後のレンズ群の組み合わせで、面白い構図が取れそうです。
    レンズとの大きさのバランスで考えると、グリップを付けた方がいいのかもしれないですね。

    瞳AFは、すぐにファームアップで同等になるでしょうね。ソニーはこの辺の機能をさらに強化してくると思いますが…。
    後、瞳AFもそうですが、ボディ内手ブレ補正もそろそろ真剣に考えないと、シェアをどんどんソニーに奪われていく一方ではないかと思われます。この機能がどういった形で実装されるのか、注目していきたいです。

    million_cotton
    1. ▼million_cottonさん
       やはり、価格は正義! ですね。

       ボディ内手ぶれ補正は、SONYと違う「レンズとボディの協調方式」だと、Canonが正式に認めてますね。これもまた楽しみです。
       SONYは、レンズ内3軸+ボディ内2軸とかの、それぞれ得意なぶれ補正(協業方式?)ですから。

      千歳

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