EaseUS Data Recovery Wizardレビュー!
SDカードをフォーマットしちゃった!
ハードディスクにあるはずのファイルがごっそり消えてる!
って言うか、ハードディスクが繋がってるはずなのに、見えなくなってる!
そんなときに頼りになるのがデータ復旧ソフト。
インターネットで検索すると、いくつか出て来ますが、私が普段お世話になっているのが「EaseUS Data Recovery Wizard」。何がいいって、小さなファイルなら無料版で十分にデータ復元できること(2019年3月現在、2GBまで)。
ちなみに、EaseUS社。なんと読むのかな~?と思ってたんですが「イーザス」って読むらしいですよ!
まずはEaseUS Data Recovery Wizardをインストール
ちなみに、Cドライブのファイルを消してしまって、それを復旧するために後からEaseUS Data Recovery Wizardをインストールすると、ハードディスクの残り容量などによっては、このEaseUS Data Recovery Wizardによって復旧したいファイルを書き潰してしまうかもしれません。
(最近のファイルシステムは、なるべく直近のデータに上書きしないようになってると思いますが)
普段、何もない時にインストールしておく方が、いざという時に助かると思いますよ。
まずはEaseUS Data Recovery Wizardのサイトを検索して、「無料ダウンロード」をクリック。
ダウンロードされたdrw_free.exeを起動したら、あとはウィザードに従って「次へ」をクリックすれば問題ありません。
デスクトップにアイコンが作成され、「インストールが完了しました!」のページがブラウザに表示されたらインストール完了です。
起動すると「Proへアップグレードして復元を行いましょう!」と表示されますが、右上の「×」ボタンでスキップ可能です。無料版の場合、データ復旧できるファイルのプレビューを行うことができますし、2GBまで(2019年3月現在)という制限はありますが、ファイルを復旧することも可能です。
まずは無料版で「復旧できるか確認」して、その後、有料版を購入すればいいというのがありがたいですね。
あるんですよ、せっかくお金を払ったのに、肝心のファイルが復旧できなかったって事。そういうのを防げるだけでも、価値があると思います。
ちなみに、無料版に、購入したシリアルキーを入れるだけでPro版になるので、改めてダウンロードし直したりする手間は必要ありません。
今回はEaseUS社から、Pro版(有料版)を提供していただいたので、いろいろ実験してみました。
EaseUS Data Recovery Wizardとは
EaseUS Data Recovery Wizard Pro 12.8は97.3%の復旧率を誇る業界随一のデータ復旧ソフトと言うことで、紛失直後ならほぼ安心してデータ復旧を任せることができます。
多くのファイル形式にも対応と書いてあるので、FATやMFT(後述)が破損していても、ファイル形式の特異性をキーにデータ総ざらいして復旧してくれるかもしれません(希望的観測)。
EaseUS Data Recovery Wizardでデータを復旧不能な場合、テクニカルサポートセンターにヘルプを求めることができ、それでも復旧できなかった場合は、返金に対応してくれる場合もある(返金ポリシー)ようです。更に安心して使えるって事です。
データを保管するという事は、どこにどういうデータがあるのかを管理しなければなりません。
言うなれば、データ復旧というのは、この管理情報を紐解いて本来あったデータを復元すると言うことになります。
この管理情報は、容量や速度、セキュリティなどの要因と、OSなどの進化から多くの種類があります。EaseUS Data Recovery Wizard Windows版ではFAT(FAT12, FAT16, FAT32), exFAT, NTFS, NTFS5, ext2, ext3, HFS+に対応しています。
SSD復元(NVMe接続編)
WindowsPCでハードディスクやSSDを使う場合、NTFSというフォーマットを使用します。
NTFSはFATに比べて遥かに複雑ですが、より堅牢に、より安全に利用できるよう様々な工夫がされています。また、細かなファイルが多い場合でもアクセスが遅くならないように工夫されています。
管理領域が大きくなるため、小容量のメディアには向きません。
NTFSでは、ファイルの書き込みなどを行った場合に、データベースなどでよく利用される「トランザクション」という概念を使用して安全性を高めています。
処理を細かな単位に分割し、何をどう行ったか全て記録しています。これが全て正常に処理されたときに「確定(コミット)」します。途中、何らかの原因で処理が途中で止まってしまった場合は「トランザクション開始前に戻す(ロールバック)」処理が行われ、ファイルシステムとしては正常を維持します。
また、定期的にチェックポイント・オペレーションを実施し、必要な情報を書きこみ、不意のデータ損失に常に備えています。
とは言え、なぜか不思議と壊れる場合があります。
EaseUS Data Recovery Wizardでは、こういった情報を駆使して、ファイルの復旧に努めます。
デスクトップにファイルを配置し、削除。
EaseUS Data Recovery Wizardを起動して、データ復旧したいファイルがあったドライブを選択して「スキャン」を実行。
すると、復元可能なファイルが一覧に表示されるので、復元したいフォルダを指定して保存するだけ。びっくりするぐらい簡単です。
日常的に使用するハードディスクだと、想像を絶するほどファイルを検出します。
復元されたファイルを表示してみると、正しく画像が表示されました。
SSD復元(SATA接続編)
同様に、SATA接続のSSDにファイルを配置して、それを削除。
EaseUS Data Recovery Wizardを起動して、今回はSSD(Dドライブ)を選択します。
先ほどと同じようにスキャンをして、データ復旧したいファイルを選んでリカバリーします。
さすが。
簡単にファイルが復旧できました。
画像を表示してみると、あれれ? 無効な画像となってしまいました。
エディタでファイルのダンプを撮ってみると、ゼロ埋めされてしまっています。念のため、元の画像ファイルのダンプを撮ってみると、先頭に「PNG」の文字が見え、正しいPNGファイルであることが分かります。
……どういう事でしょう?
パーティション復旧
まさか、あまりにも簡単なデータ復旧にEaseUS Data Recovery Wizardが「ちゃんちゃら、やってられねーよ!」とへそを曲げてしまったのかもしれません。
せっかくなので、このSSDのパーティションを切り離します。
OSがドライブとしてマウントできていなくても、ディスクを認識していれば、まだファイルを復旧できそうな気がします。
ある日突然、繋いでいたはずのハードディスクが綺麗さっぱり見えなくなっていることがあります。USB接続の外付けハードディスクを繋いだのに、ドライブとして認識しない場合があります。そんなときは、紛失パーティション復旧の出番です。
EaseUS Data Recovery Wizardを起動すると、すんなり「紛失パーティション」を見つけてくれました。
今までと同じように、データ復旧したいパーティションを選んで、スキャンするだけ。復旧できるファイルを見つけると一覧に表示されるので、これを選んでリカバリーするだけです。
さて、これらならどうかと画像を表示すると、やはり無効な画像となってしまいます。
原因判明
NVMe接続のSSD(Cドライブ)ではデータ復旧できたのに、SATA接続のSSD(Dドライブ)ではファイルとしては復旧できても、データとしては正しいものではありませんでした。しかも、きれいにゼロで埋められています。
この原因は、SSDの速度を維持するための「Trim」にありました。
ハードディスクは基本的(※SMR(瓦記録)を除く)に旧データの上に新データを直接上書きすることができます。SSDは、細かい単位でデータを書き換える事ができないため、一度必要なサイズのブロックを読み出し、ワークメモリ上で書き換えてからブロックを書き戻します(同じ場所に何度も書きこむと劣化が極端になるので、通常は別のブロックに書きこむ)。
SSDでは、次の書き込みに備えるため「ファイルの削除などで使わなくなったブロックは開放するよ」という動作を行います。これがTrimです。どのようなタイミングでTrimが実施されるかは、そのSSDが搭載しているコントローラーに依存しますが、私が使っているSSDは「削除したらなるべく早くTrimする」ようです。
マスターファイルテーブル(MFT)上には、削除したファイルの記録が残っているので、ファイルの復旧は可能ですが、肝心のデータはTrimの実施により「ゼロ」で埋められてしまっているというわけです。
では、なぜNVMe上のSSDではファイルが復旧できたのかというと。
Trimは「一定の条件下では動作しないから」なんです。
- SSDがTrimをサポートしていない
- OSがTrimをサポートしていない
- USBなど、外付け接続の場合
- PCI-Express接続の場合
- RAIDを構成している場合
- Trimが無効な暗号化が施されている場合
※ユーティリティによっては、上記内容でも有効にできる場合がある。反対に無効にできる事もある。
※OSやデバイスの進化で上記条件は変わってくると思うので、参考程度に。
NVMeはPCI-Express接続なので、Trimが行われていなかったという事ですね。
なるほど納得です。
TrimはSSDの性能を維持する為に必要な機構ですが、EaseUS Data Recovery Wizardなどのデータ復旧ソフトの敵だと言うことが分かりました。
使用するドライブや接続方法の適性を理解した上で、十分に注意してファイルを扱いましょう!
EaseUS製品は基本オンライン販売なのでいざって時に買えるのがいいですw
パーティション操作ソフトをよく使ってるかなw
▼omoteさん
いざという時に使おうとして、インストールしたら、そのソフトが肝心なソフトの残骸を駆逐してくれたことありませんか? 私はあります。FDの頃のお話し。
社内なので財力にものを言わせてやっておりますw
サルベージしたいメディアは摘出してハードウェアミラーリングしておいてから、泥縄でソフトをインストールした完動PCに繋いでサルベージ、が黄金パターンかとw
特にノートPCのメインドライブはそうするパターンが多いですw
つかSSDはTrim挙動に要注意ですねw
▼omoteさん
SSDのTrimは怖いですね。コマンドでOFFにできるので、通常はOFFにしておいて、何かのメンテの時にまとめてやるのが良いかもしれません。
ファイル生成されたときの0x00の衝撃ってないですよね。何のために復旧させたんだ。ううう。って。