IPv6を使いたい!(その3)の続きです。

実際に使ってみないとよく分からないものですね!
DS-Lite(transix)を採用するプロバイダに申し込み、無事に開通したまでは良かったのですが、この形式はIPv4において一切合切ポートが開けられないということでした。

普通にブラウザやメールを使う分にはほとんど問題にならないのですが、一部のゲームがポートxxxxを開放する必要があるとか、NASを置いていて外部から接続する必要がある場合はなすすべがありません。
DS-Liteは、VNE接続事業者側で全て完結してしまうので、ユーザー側の自由が全くないんですね。
(普通一般の使い方で困ることは、ほぼ無いと思いますが)

この辺の扱いを確認できるよう、IPv6接続サービスの多くは、2~3ヶ月の無料期間を設けている事が多いです。
解約も自由であることが多いので、自分の目的に合ったプロバイダを選べるのはありがたいです。

DS-Lite → MAP-Eへ

「そろそろ無料期間が終了するよ。そのままだったら正式サービスに移行して、料金が発生するよ。使い方が合わなかったら、解約してね」というメールがプロバイダから届きました。
せっかくなので、もう一つの形式であるMAP-Eを扱っているプロバイダに乗り換えてみたいと思います。

プロバイダの管理画面から「解約」の申請を出しました。
扱いは即日ですが、実際の解約処理は翌日になると思います(夜間に行ったので)。
続いて、NTTのサービス情報サイトから、V6オプションの廃止を行います。

すると、5分ほどでIPv6の通信が途絶し、ステータスが解約中に変わります。この辺の処理は、約1時間ですので、しばらく放置します。
(一時的にサービス情報サイトへのアクセスが切れるかもしれません)

このステータスが「廃止済み」になっていれば、別プロバイダへの申し込みが出来るようになります。

前の日記にも書きましたが、IPoE、DS-Lite、MAP-Eいずれかで接続する場合、プロバイダはほとんど何もすることはありません。VNE接続事業者がそのほとんどを代行しているので、速度や提供サービスに差は無いと考えていいでしょう。
従って、IPoE(ネイティブ接続)でいいのか、DS-Liteがいいのか、MAP-Eがいいのかを考えるか、DS-Lite/MAP-Eの2択であれば現在使用しているプロバイダが提供しているか、より安いところを探すか、という所を考えれば良いと思います。

新しいプロバイダに登録すれば、自動的にV6オプションが「申請中」→「利用中」ステータスになります。
私が新しく契約したプロバイダの場合は、3時間ほどで「開通」のメールが届きました。
(通信の断絶は、都合4時間です。これが我慢できない場合は、別途PPPoE接続のプロバイダ契約を保持しておくことをおすすめします)

(寝てしまったので)翌朝確認すると、無事通信が行われておりました。
ルーターの設定画面も、ポート変換画面が有効になっていました。8080を公開したかったのですが、このポートは自分に割り当てられていなかったため、8800→8080という形で登録しました。
(ルーターの機能で、自分が利用できるポートが予め表示されていました。これが分からない場合でも、ちょっと検索したらすぐに分かります。これは、他の利用者と被らない特定のポートを転送できるような仕様になっているため)

別の環境から、IPv4のアドレス+8800ポートでアクセスしてみると、無事にNASのログイン画面が表示されました。やったー! これで、従来通り様々な環境から自宅にアクセスできることとなりました。

総括

こんな苦労は、IPv4で通信を行う必要があるからです。
あらゆる環境でIPv6通信を行っているのであれば、なんの問題も無く外からも繋がります。携帯電話なんかは、ちゃんとIPv6アドレスを付与されているので、IPv6ネイティブに繋がります。
自分が管理する範囲であれば、徐々に機材や回線を新しくしていけば良いのですが、職場などはそうはいきません。IPv6の必要性を考えてくれるところであればいいのですが、そうで無い場合もあるでしょう。
今回、苦肉の策でMAP-Eを使用し、ポートを開放しました。
これは、ポートを変更しても問題ないアプリケーションだったからです。MAP-Eとはいえ、任意のポートを開ける事は出来ないので、一般向けのWebサーバー(80)や、ポートを変更できないpptp(1723)などは利用できないという事になります(ポートを変更できるOpenVPNやOpenVPN互換のSoftEther VPN Serverを使う方法はあります)。

どうしても、特定のポートで公開する必要がある場合、いくつか方法が考えられます。

1)DS-Lite/MAP-E接続時でもPPPoEパススルーできるルーターを用意(バッファローの上位機種やヤマハなど? 未確認)し、公開するサーバーが直接PPPoE接続して公開する。
2)PPPoE用のルーターを別に用意し、並列で接続する。

フレッツの場合通常2セッションまで接続出来ますので、上記接続は問題ありません。

さてはて。IPv6ネタは、これにて一度小休止。
少し様子を見ながら使っていこうと思います。

※OCNバーチャルコネクトはMAP-E形式ですが、ポート開放できない旨の記事を見かけますが、仕様上は問題なくポート開放できます(ルーター依存?)。