昭和4年(1929年)
JASRAC No.024-0151-7
   
   A Cat in Sunset ©Hosomichi
君恋し
作詞:時雨音羽(C)
作曲:佐々紅華(C)
編曲:寺岡慎三(C)
歌唱:フランク・永井(倶楽部内曲
MIDI制作・構成:滝野細道
(昭和36年にリリースされた曲)
(一)
宵闇せまれば 悩みは果てなし
みだるる心に うつるは誰が影
君恋し 唇あせねど
涙はあふれて 今宵も更け行く


君恋し 唇あせねど
涙はあふれて 今宵も更け行く
今宵も更け行く 今宵も更け行く
(二)
唄声すぎゆき 足音ひびけど
いずこにたずねん こころの面影
君恋し おもいはみだれて
苦しき幾夜を 誰がため忍ばん

 【原曲の三番歌詞】
 去りゆくあの影 消えゆくあの影
 誰がためささえん つかれし心よ
 君恋し ともしびうすれて
 えんじの紅帯 ゆるむもさびしや
 
 童謡・唱歌・懐メロ 八洲秀章&抒情歌 昭和戦前の流行歌・新民謡 昭和戦後の歌謡曲・演歌    2006/SEP/01

この「君恋し」は、「浪花小唄」「神田小唄」と同じ時雨音羽・佐々紅華のコンビの曲で、二村定一の歌唱
で昭和4年にリリースされ、
昭和36年フランク・永井によって再リリースされ、第3回レコード大賞を獲得
しています。このフランク・永井のものに原曲三番が無いのは、<君>を女性に対する呼び掛け、つまり
フランク・永井の男性の歌としたかったからだと思われます。原曲三番の<君>は、♪えんじの紅帯ゆる
むも寂しや♪から、明らかに男性を指しているからです。戦前の<君>は流行歌のなかでは殆ど女性が
男性を尊称する言葉だったからです。ただ、これは流行歌や俗謡などの話で、戦前も友人同士は<君>
と呼び合って居たようですし、童謡「あめふり」などは男の子が女の子に♪君、君この傘さしたまえ♪など
と使っています。細道は、恋人を表わす<君>の呼称が歌謡曲の中で男女逆転したのは、昭和30年頃
と思っています。先鞭をつけたのが昭和27年、菊田一夫の「君の名は」だったと思われます。以後昭和
30年代前半までは入り乱れておりますが、この昭和36年頃には既に<君>は男性歌手が恋人を呼称
するものとして定着していたものと推察されます。
表わしていました。 
「君恋し原曲」参照 

フランク・永井の当倶楽部内の曲目リスト

フランク・永井当倶楽部の作曲曲
曲  名 作  詞 作    曲 歌 い 出 し
君恋し  時雨音羽  佐々紅華  宵闇せまれば悩みは果て無し 
東京午前三時  佐伯孝夫  吉田  正   真っ紅なドレスがよく似合う 
東京ナイト・クラブ  佐伯孝夫  吉田  正  なぜ泣くの睫毛が濡れてる 
有楽町で逢いましょう  佐伯孝夫  吉田  正  あなたを待てば雨が降る濡れて 
夜霧の第二国道  宮川哲夫  吉田  正   辛い恋ならネオンの海へ捨てて