作詞の三木露風、作曲の山田耕筰、いずれもこの曲が童謡としては代表作でしょう。夕焼け空に赤とんぼの光景が目に浮かびますが、この歌で常に問題となるのは、<おわれてみたのは・・・>というところです。子供がとんぼを追っかけるのか、とんぼに子供が追っかけられるのか、はありますが、ちょっと怖い歌のような気がします。しかし、幼な心に、本当の意味が<負われて見たのは>であるなどとは夢想だにしません。長じて、ある時、ふと「<追われて見たのは>っていうのは何か変じゃあないか、それに二番は、何で<ねえや>なんてのが出てくるんだ?<ねえや>って何?<姉さん>のこと?」と疑問を持つ機会を得た人は、「あっ、そうか!」。十二、三の少女が口減らしのため、<ねえや>として裕福な家に子守り奉公に出され、負われた幼児は<ねえや>に母親に似た淡い心を抱く、といった光景が彷彿として浮かびます。そういう機会を持ち得なかった人は、長じて、人前で赤っ恥を掻きます。最近、あるブログで<追い負い論争>がありました。 「赤とんぼ」諸説紛々はこちら
赤とんぼ
作詞:三木露風(C)
作曲:山田耕筰(C)(倶楽部内曲目)
制作:滝野細道
(一)
夕やけ小やけの 赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か
(二)
山の畑の くわの実を
小かごにつんだは まぼろしか
(三)
十五でねえやは 嫁にゆき
お里のたよりも たえはてた
(四)
夕やけ小やけの 赤とんぼ
とまっているよ さおの先
【山田耕筰】当倶楽部の作曲 | |||
曲 名 | 作 詞 | 歌 手 | 歌 い 出 し |
赤とんぼ | 三木露風 | - | 夕焼け小焼けの赤とんぼ負われて |
あわて床屋 | 北原白秋 | - | 春ははよから川辺の葦に蟹が店出 |
かやの木山 | 北原白秋 | - | かやの木山のかやの実はいつか |
からたちの花 | 北原白秋 | - | からたちの花が咲いたよ白い白い |
この道 | 北原白秋 | - | この道はいつか来た道ああそうだよ |
すかんぽの咲くころ | 北原白秋 | - | 土手のすかんぽジャワさらさ昼は |
砂山 | 北原白秋 | - | 海は荒海向こうは佐渡よすずめ鳴け |
ペチカ | 北原白秋 | - | 雪の降る夜は楽しいペチカペチカ燃 |
待ちぼうけ | 北原白秋 | - | 待ちぼうけ待ちぼうけあるひせっせと |