作詞の三木露風、作曲の山田耕筰、いずれもこの曲が童謡としては代表作でしょう。夕焼け空に赤とんぼの光景が目に浮かびますが、この歌で常に問題となるのは、<おわれてみたのは・・・>というところです。子供がとんぼを追っかけるのか、とんぼに子供が追っかけられるのか、はありますが、ちょっと怖い歌のような気がします。しかし、幼な心に、本当の意味が<負われて見たのは>であるなどとは夢想だにしません。長じて、ある時、ふと「<追われて見たのは>っていうのは何か変じゃあないか、それに二番は、何で<ねえや>なんてのが出てくるんだ?<ねえや>って何?<姉さん>のこと?」と疑問を持つ機会を得た人は、「あっ、そうか!」。十二、三の少女が口減らしのため、<ねえや>として裕福な家に子守り奉公に出され、負われた幼児は<ねえや>に母親に似た淡い心を抱く、といった光景が彷彿として浮かびます。そういう機会を持ち得なかった人は、長じて、人前で赤っ恥を掻きます。最近、あるブログで<追い負い論争>がありました。  「赤とんぼ」諸説紛々はこちら

 大正10年(1921年)  JASRAC Code No.000−0391−3

 赤とんぼ


  作詞:三木露風(C)
  作曲:山田耕筰(C)(倶楽部内曲目)
  制作:滝野細道



  (一)
  夕やけ小やけの 赤とんぼ
  負われて見たのは いつの日か


 (二)
 山の畑の くわの実を
 小かごにつんだは まぼろしか


 (三)
 十五でねえやは 嫁にゆき
 お里のたよりも たえはてた


 (四)
 夕やけ小やけの 赤とんぼ
 とまっているよ さおの先

  Illustrated by Hosomichi

  童謡・唱歌 懐メロ 八洲秀章&抒情歌
 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ 2006/SEP/01 開設曲










山田耕筰当倶楽部の作曲
曲  名 作  詞 歌  手 歌 い 出 し
赤とんぼ 三木露風 - 夕焼け小焼けの赤とんぼ負われて
あわて床屋 北原白秋 - 春ははよから川辺の葦に蟹が店出
かやの木山 北原白秋 - かやの木山のかやの実はいつか
からたちの花 北原白秋 - からたちの花が咲いたよ白い白い
この道 北原白秋 - この道はいつか来た道ああそうだよ
すかんぽの咲くころ 北原白秋 - 土手のすかんぽジャワさらさ昼は
砂山 北原白秋 - 海は荒海向こうは佐渡よすずめ鳴け
ペチカ 北原白秋 - 雪の降る夜は楽しいペチカペチカ燃
待ちぼうけ 北原白秋 - 待ちぼうけ待ちぼうけあるひせっせと