昭和26年(1951年)

【ジャガタラ文】
この「長崎の雨」の中にある<ジャガタラ文>とは、ジャガタラお春の手紙のことです。「長崎物語」参照。『長崎の 鶯は鳴く いまもなお ジャガタラ文の お春あわれと(吉井勇)』
(二)は蝶々夫人のことで、(三)は「長崎の鐘」です以下

この「長崎の雨」は、「雨のオランダ坂」(作詞菊田一夫)、「長崎の鐘」(作詞サトウハチロー)と続く、古関裕而長崎物三部作の二番目のものとされています。いずれもメランコリックで抒情的なメロディーですが、古関祐而は戦時中、「月の国境」「愛国の花」などたくさんのリリカルな軍歌を作曲したことでも知られています。また、甲子園の「栄冠は君に輝く」や阪神タイガースの「六甲颪」も彼の作曲で、歌謡曲は数知れず、といったところ。
丘灯至夫(おっかあどうしよ)は西条八十に師事し、あまり西条師から誉められたことはありませんでしたが、「高校三年生」が絶賛され、<自分も舟木の為に書きたいから斡旋してくれ>と師から頼まれ、師は「絶唱」と「花咲く乙女たち」を舟木一夫のために書いたとのことです。丘の代表作は「高校三年生」のほか「東京のバスガール」「襟裳岬」など多数、古関裕而との共作は、「あこがれの郵便馬車」「高原列車は行く」「白いランプの灯るころ」などです。
丘灯至夫2009年11月24日逝去。享年92歳。

   JASRAC No.059−0029−8

  長崎の

  作詞:丘灯至夫(C)(曲リスト)
  作曲:古関裕而(C)
  歌唱:藤山一郎
  MIDI制作:滝野細道

  (一)
  今宵港に きく雨は
  沖のかもめの しのびなき
  
ジャガタラ文なら 片便り
  恋の長崎 夜もすがら
  ああ 夜もすがら 雨が降る

  (二)
  ドラが鳴るなる 旅の子に
  ぬれた桜の 花も散る
  オランダ船なら まぼろしの
  波止場長崎 夜もすがら
  ああ 夜もすがら 雨が降る

  (三)
  人の儚さ 世のつらさ
  遠くマリアの 鐘も鳴る
  浦上さまなら ロザリオの
  涙長崎 夜もすがら
  ああ 夜もすがら 雨が降る










   懐メロ 八洲秀章&抒情歌 童謡・唱歌 「細道のMIDI倶楽部」TOPへ  *2007/SEP/0i


丘灯至夫の当倶楽部内の曲目リスト

丘灯至夫当倶楽部の作詞曲
曲  名 作  曲 歌  手 歌 い 出 し
あこがれの郵便馬車 古関裕而 岡本敦郎 南の丘をはるばると郵便馬車がやって来る
高原列車は行く 古関裕而 岡本敦郎 汽車の窓からハンケチ振れば牧場の乙女が
高校三年生 遠藤  実 舟木一夫 赤い夕陽が校舎を染めて楡の木陰にはずむ声
修学旅行 遠藤  実  舟木一夫  二度とかえらぬ思い出のせてクラス友達肩寄せ 
東京のバスガール 上原げんと C.ローズ 夢も希望も恋もあるビルの街から山の手へ紺の
長崎の雨 古関裕而 藤山一郎 今宵港に聞く雨は沖のかもめのしのびなき
なつかしの時計台  八洲秀章  藤山一郎  はるばると雲がゆく牧場の果てに山羊が鳴く思い 
山のロザリア ロシア民謡 T.グレイセス 山の娘ロザリアいつも歌を歌うよ遠い牧場日暮れ