別れ船
<バタやん>こと歌手田端義夫と清水みのる、倉若晴生のコンビは、この昭和15年の「別れ船」のヒットにより、戦後になって<○○船>という船シリーズを10曲以上リリースしています。中でも「かへり船」は、<オッス>といってギターを横抱えしてでてくる<バタやん>の定番となっています。
この「別れ船」は単なる別離の歌と思っていましたが、実は出征兵士を送る歌だったのでしょう。それは三番ではっきりしますが、反戦歌と言ってもよいような趣です。これが清水みのるの戦後の「星の流れに」に繋がって行くのです。
昭和15年(1940年) JASRAC No.095−0098−7
別れ船
作詞:清水みのる(C)
作曲:倉若晴生(曲リスト)(C)
歌唱:田端義夫
MIDI制作:滝野細道
(一)
名残りつきない はてしない
別れ出船の かねがなる
思いなおして あきらめて
夢は潮路に 捨ててゆく
(二)
さよならよの 一言は
男なりゃこそ 強く言う
肩を叩いてニッコリと
泣くのじゃないよは 胸のうち
(三)
望み遥かな 波の背に
誓う心も 君ゆえさ
せめて時節の 来るまでは
故郷(くに)で便りを 待つがよい
倉若晴生の当倶楽部内のアップ曲
【倉若晴生】当倶楽部の作曲 | |||
曲 名 | 作 詞 | 歌 手 | 歌 い 出 し |
あの夢この夢 | 藤田まさと | 伏見信子 | あの街でこの街でひと目見た人あった人 |
潮来夜船 | 藤田まさと | 北廉太郎 | 雨はやんだに晴れたのに娘船頭さんなぜ |
かえり船 | 清水みのる | 田端義夫 | 波の背の背に揺られて揺れて月の潮路の |
かよい船 | 清水みのる | 田端義夫 | 銅鑼(かね)が鳴るさえ切ないものを雨の |
軍隊小唄 | 作者不詳 | 軍内流行歌 | 嫌じゃありませんか軍隊はかねのお椀に |
島の船唄 | 清水みのる | 田端義夫 | 小島離れりゃ船唄で今日も暮れるか海の上 |
旅のつばくろ | 清水みのる | 小林千代子 | 茜い夕陽の他国の空でしのぶ思いはみな |
ほんとに・御苦労ね | 野村俊夫 | 山中みゆき | 柳青めるクリークで泥にまみれた軍服を |
別れ船 | 清水みのる | 田端義夫 | 名残りつきない果てしない別れで船のかね |