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千歳忍の独り言

なんでも解説!

もくじ

1998年 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 > 1999年

5月1日・・・・・(コラム)フリーソフトとその精神
5月5日・・・・・(解説)MP3と携帯プレイヤーなど
5月6日・・・・・(解説)K6 3D-2とMMX
5月7日・・・・・(コラム)S3、Matroxの新チップ、MSネタなど
5月8日・・・・・(解説)CD-Rメディア研究
5月9日・・・・・(コラム)デジカメ、風営法改正、WDMなど(難しいこといっぱい)
5月11日・・・・・(コラム)x86CPUがいっぱい
5月12日・・・・・(解説)ディスプレイ、ブラウン管とその種類
5月13日・・・・・(コラム)アップルの方向
5月14日・・・・・(解説)パラレルパイプラインアーキテクチャ。MS関連もちょっと
5月15日・・・・・(解説)ベンチーマークとは
5月19日・・・・・(解説)ベンチマークとは(続き)
5月20日・・・・・(解説)ベンチマークの特効薬L2キャッシュ
5月21日・・・・・(コラム)PCI2.2、IDT WinChip2 3Dなど
5月22日・・・・・(コラム)セガ・ドリームキャスト、PHSの生き残り方、IDTがんばれ
5月27日・・・・・(コラム)スーパーOCN、AptivaとSDRAMの行く末
5月28日・・・・・(コラム)T2R4速報、CD-R関連、千歳の雄叫び
5月29日・・・・・(コラム)1GBのMO、MSスピーカーなど


5月29日
梅雨はまだかいな

 1G超の3.5インチMO

 ユーザーの意識がDVDなどに向けられて、なんとも意気消沈状態のMO勢ですが、来年夏を目処に新しいMOドライブを投入するそうです。
 従来の3.5インチMO(128/230/512/640MB)と物理形状で互換性がありながらも、メディア容量は1GBを超える見込み。第一世代DVD-RAMは意外と書き込み速度が遅くランダムアクセスが不得手なことから、まだまだMOの現役でいられる時間は長そうです。
 今のところ、富士通やオリンパスといった主要なMOメーカーが商品化を検討。MSR(マグネティック・スーパー・レゾリューション)という技術を用いて、メディアの記録膜を2層化することにより大容量を達成する。容量だけならば、5インチMOなどは、既に6GBを越えるものも製品化されており、光磁気技術は、相変化技術よりも歴史が古い分、まだまだアドバンテージが有りますね。

 ノースブリッジを統合するCPU

 各メーカーのCPUロードマップを見ていると、徐々にではあるがPCIチップセットのノースブリッジの機能を取り込もうとしているものが見受けられます。ノースブリッジとは俗称で、チップセットのメモリコントローラを指しています。
 先日もIDTがWinChip系列にそれを加えたモデルを出すと言ってました。そして今回は、なんとIntelのMerced2にも付くかもしれないという発言があったそうです。しかも、Direct-RDRAMのインターフェース付き。まだMercedすら出ていないのに、いやはや気の長い話です。
 どうしてこういった現象がおきるかというと、答えは簡単。メインメモリが遅いからです。そして、L2キャッシュが効きにくくなってきているからです。数年前までは数MBのメモリに、数百KBのL2キャッシュで十分にメインメモリの遅さをカバー出来ていたのですが、メインメモリは肥大化し、ディスクの容量は増え、L2キャッシュがおおよそ性能向上に寄与しないような状況になりつつあるのです。そしてこの傾向はますます加速していくでしょう。L2キャッシュに頼れないのであれば、メインメモリの速度を向上させるしかありません。
 FPからEDOへと、非同期メモリの速度向上、EDOからシンクロナスへと、非同期型から同期型(それでもCPUから見れば非同期みたいなものか)へとアクセスタイミングの向上、そして、DirectRamBusへと、プロトコル型への遷移。すべては遅いメモリを少しでも速くするため。
 そして、1ナノ秒でも速くするためにと、外部で行っていたメモリアクセスのコントロールをCPU内部で行おうというのが、このノースブリッジの統合というわけです。これにより、レイテンシ(メモリの最初のデータが選られるまでの時間の遅延)が改善され、PCのパフォーマンスが若干でも上がるのではないでしょうか。
 今のPCでは、数ナノ秒という世界で勝負されている部分が多分に存在します。回路上の電気信号は、わずか数十センチしか進めない世界です。こんな極限の中で、各メーカーはしのぎを削っているわけですから、いかに大変か分かりますね(といいながら、マザーボードなんぞは、チップセットのリファレンス通り作れば、大概造作するようになっているそうです。しかし、動くのと、安定するのは別物。そこら辺がメーカーのノウハウなんでしょう)

 マイクロソフトスピーカー発売

 しかし、まあ、何でも出すと言うか、マウスやジョイスティックだけでは飽き足らないのか、今度発売されるのが「スピーカー」。USB接続も可能という製品で、当然の事ながら、従来のアナログ接続もOK。出力は80Wと、PC用としては、かなり大き目(というか、すんげーでかい) 左右1セットにサブウーファーが付く。音質に付いては「?」だが、オランダのフィリップスはが関わっているので、まんざら悪いものでもないのだろう。お値段も日本円で3万6千円と高め(まあ、円安だからしかたがないか(5月29日朝で139円))
 USB接続にすると音がクリアになるという。PC回りはノイズが多いのにもかかわらず、大したシールドがなされていないから、アナログ接続のスピーカーはモロにその影響を受けるというのだ。その点、USBならば、スピーカーの内部までデジタル信号で到達する。D/A変換はスピーカー内部で行われるのだ。よって、ノイズが乗らないということらしい。
 もっとも、この程度のアクティブスピーカーに使われているアンプなんて大した物ではないから、そこで発生するノイズの方が大きいような気がします(^^;) 私は、BoseのMediaMate(初代)というスピーカー(5W)を使っていますが、これも、「所詮そんなもの」程度の音です(結構いいほうだとは思いますが)。ミニコンポのAUXか何かにほうり込んで、知人に借りているLINNのスピーカー(OKA氏Thanks!)で聞いた方が圧倒的にいい音になります。
 しかし、いろいろ酷評されるマイクロソフトですが、「マクロソフトマウス」だけは、大きいという人はいますが、「悪い」という人はいないみたいですね。サプライ部門だけビルゴッチの支配下に無いとか(^^;) という理由があるのかも知れませんね。

 本日のキーワード「BeOSリリース4には日本語入力システムが標準添付されるらしい」


5月28日
またも下り坂

 #9も新ビデオチップ発表

 新世代ビデオチップが相次いで発表されている中、#9(NumberNine)もそれに負けじとハイエンドチップを発表しました。Image128シリーズの最新鋭に当たる製品で「Ticket To Ride4」です。よくT2Rと略されていたチップの後継です。
 1920×1200ドットで16ビットカラー。最大83Hzという性能。搭載できるVRAMの容量は最大32MB、WRAMをインターリーブした場合では、通常の倍の256ビット幅でメモリアクセスできるという(この時のの帯域は2GB/Sに達するそうな)
 AGP×2に対応し、MPEGアクセラレーションまで備えるエンジン部分は、従来のT2Rのおよそ3倍だそうで、Matrox、S3、3Dfx、NVIDIAなどに波紋を投げかけそうです。
 しかし、このシリーズは「ベンチマークは速いが、体感速度が出ない」という毛色が強いのも事実。Matroxのミレニアム同様、ビジネス向けから生まれた経緯があるため、あまりゲーム向きではなかったなど、様々ないわれがあります。今回のT2R4でそれを打破できるかが見物ですね。

 CD-Rメディアの値段が上がる?

 以前発表され、日本でも発売された「家庭向け」CDレコーダ(フィリップス社製)を巡って熱い戦いが繰り広げられています。このCDレコーダは、音楽CDをそのままCD-Rへ記録できるため、音質の劣化が無いままのダビング(デュプリケートですね)が可能です(MDやDVDには孫コピー防止機能が備わっています)
 これに待ったをかけているのが著作権協会。コピーの抑制機能の無いCDレコーダは、レンタルCDなどから借りてきたものを100%複製できるとして「損害は莫大になる」と主張。メーカー側は補償金を支払うことで問題をクリアしたいが、協会側はそれを辞さない様子。膠着状態です。
 以前、PC向けのCD-Rライティングソフトに「音楽CDベースのものは丸コピさせない」機能などを追加させるなどの措置を取らせてきた協会だけに、このままフリップスとの折り合いがつかない場合、「メディアに予め補償金を含ませる」可能性があります。特にこのCDレコーダは音楽CD専用ですから、その可能性も高いでしょう。そしてその余波を受けて、一般のCD-Rメディアも補償金を払わされるとしたら... 最安値で1枚120円台にまで達した価格が、急に反発することになります。
 単純に音楽CDの1割負担だとしても300円ですから、今の販売価格を足すと430円ぐらいになります。これでは、おいそれとバッファアンダーランも出せません(笑)恐いですねぇ。
 最近は、MP3といい、このCDレコーダといい、著作権協会の逆撫でしてばかりですね。どうにかならんもんでしょうか。

 メルコのHDDプレゼント

 今メルコの製品を買うと、スケルトンHDDが当たるらしい。ヘッドの動きとか見れるしかっこいい。こんな素晴らしいプレゼント...当てたいなぁ
 しかも、BIOSに好きな文字を埋めてくれるらしい。SCSIの起動時に出てくるデバイス名とか、95のデバイスマネージャのディスクドライブに表示される名称といえば分かってもらえますか?
 例えば名前。自分専用のHDDて感じがサイコー。例えば、超ハイエンドなHDDの型番。なんだか幸せな気分になれるだろうなぁ。極めつけは、彼女/彼氏の名前。それをプレゼントしてあげる。「あなたのためだけに作ってもらったの」なんていわれた日にゃ、もう、「富士山を踏み潰し、月面に拳を突き立て、「うまいぞ~っ」と叫べる」ほど嬉しいに違いない。そんな奴等は、きっと「愛の結婚記念PC」とか、引き出物はデジカメで撮った奴を焼いてもらった「フォトCD」も作ってもらうことだろう(笑) 何人が見れるかは疑問だが、実に微笑ましい。が、恐い2人の出来上がりだなコリャ。
 そういえば、最近秋葉原もデートスポットなんですかね。以前から考えると信じられない光景をよく目にします。それにしても、メッセサンオーの某フロアとか、コミック虎の穴とか「女連れてくるなーっ 買い物がしづらいだろーっ」なーんて良く思うわけです。同人系カップルの場合、ふつーのデートコースなんでしょうが、ちょっと回りの目を気にしてください。
 「てめーだって買い物してるくせに、人の顔見て「やおい系サークルに混ざり込んでしまった男」を見るような目は止めろーっ」(よーわからん)
 は、いかんいかん、柄にもなく絶叫してしまった。いや、絶叫したいのです。秋葉原の聖地「ラジオ会館」の変貌ぶりは何でしょう。3F石丸電気の跡地には、ラジ館最大の売場面積を誇るアニメ/コミック系ショップがオープンし、4Fには、ガレージキットの海○堂が進出してるし。その店の前を「センチメンタルグラフティ」のコスプレをした女性2名を目撃したとの通報も入っています。このままでは、ラジ館は、いや、秋葉原は同人系の人々のドツボ、いやルツボになってしまう。
 イカン、イカンのじゃー。細かな電子部品屋が減り、怪しげなバッタ屋も姿を消し、夜な夜な肌黒のイラン人が徘徊する町ではイカンのじゃーっ ああ、あの古き良き秋葉原を...(ばた)
 当然のことながら、冗談が多分に含まれています。本気にしないでね。

 本日の独り言 「T-ZONE主催のPC早組み立てコンテストに参加するかな」


5月27日
更新をサボり気味

 NTT 高品質OCNサービス開始

 NTTは、現行のインターネット接続サービス「OCN」に新しいサービスを追加すると発表がありました。高品質版ということで「スーパーOCN]と言うそうです。
 今までの「エコノミー」「スタンダード」「エンタープライズ」は、最寄りのNTTアクセスポイントからバックボーンまでの道のりを、フレームリレーや専用線などを混在させている為、回線の共有度が高いという特徴がありました。そのため低価格でサービスが提供できるのですが、他の回線の影響を強く受けるため、スループットや品質に対しては疑問のわくシステムでした。ただ、Internet自体が回線速度などを保証しない通信網のため、NTT内部で速度保証しても仕方が無いと「NTT自身」がそう結論を出していたのです。
 ところが今回のスーパーOCNは、従来OCN用の中継ネットワークを利用せずにバックボーンへ専用線で接続するサービス。OCNのバックボーンは45Mbpsの幹線が2本、西日本/東日本でそれぞれ外界とつながっているため、比較的余力があるのも事実。ユーザーが増えるにつれ、不満の声を解消する措置として仕方が無かったのかも知れません。
 しかし、OCNエコノミーが4万円程度なのに対し、スーパーOCNの128kbps接続は13万円。それに、NTTの用意するアクセスポイントまでの専用線料金が別にかかりますから、金額は更に大きくなります。個人で手が出るものではなさそうですね。

 NTT PHS事業の清算計画

 5月22日の独り言で「NTTパーソナルが再編するかも」と書いたのですが、その矢先に正式に発表がありました。いや、ビックリです。
 不振が続くNTTパーソナルグループ(9社)の営業権を、今年度中にNTT移動通信網(DoCoMo)へ98年度中に移管するというものでした。NTTパーソナルの加入者数は、97年末辺りでピークに達したものの、その後、携帯電話の攻勢に合い減少を続けており、単独での生き残りを断念した格好になります。
 95年7月にサービス開始し、わずか3年という短い期間で清算されてしまったNTTパーソナル。これほどの規模の事業では異例の速さ。これがいったい何を意味しているのかは、またそのうち発表があることでしょう。

 IBMのパソコンが消える日

 パソコン界の雄「ビッグブルー」ことIBMが、パソコン事業で一般消費者向け市場から撤退するかもしれないとの噂が流れています。これは、Aptivaが家庭向けモデルではなく、企業向けパソコンIBM PCの廉価版という位置づけになったこと。ソニーのVAIO505のような薄型サブノート市場への不参戦を表明していること、が火種になっているものと思われます。
 実際、Aptivaは不振続きで、倉庫に山積みと聞きます。いわゆる1000ドルPCも意欲的に発表しつづけたのが仇となったようで、家庭向け市場から撤退し、ビジネス向けの特化するとの内部の声が大きいようです。
 IBMは世界規模で見ると第2位の販売量を誇ります(1位はコンパック) こんな彼らも、これから到来するであろうデジタルTVへの期待も捨て切れず、右往左往する状態。デジタルTVでは今までPCで扱ってきたノウハウが非常に有効。かなりの市場が見込めるのに、ここで撤退しては... という思惑があるのでしょう。
 業界の再編が続いています。今のPC業界は、1つの小さなミスが社の運命を変えるような大きなミスになりかねません。IBMは現在のAT互換機全盛の礎を作ったメーカーです。何とかがんばって欲しいですね。

 SDRAMはどこまで生き残れるか

 高速ぺージ、EDO、シンクロナスと進化してきたDRAMですが、今後RamBusへと進化していくことがほぼ決定となっています。これは、Intelが定めたロードマップの中に書かれているもので、高速化したCPU、バスに追従できるメモリで現実的なものはRamBusしかないというのも事実だと思います。(実際には、RumBusを拡張したDirect-RamBusですが)
 このRumBusメモリ。任天堂のNintendo64で採用されたので一躍有名になりましたね。Nintendo64では、このRamBusの帯域の広さを利用して、VRAM/メインメモリを同じバス上に配置し基盤を簡単にすることで、コストを下げています。RamBusは少ない信号線で動作するため、こういうマシンにはうってつけだったのです。
 現在主力のSDRAMは先がないかというと、そうでもなさそうです。現行のSDRAMをRamBusメモリ変換ソケットに差し込むことによって、将来マザーボードが変わっても使用することが出来る規格が浮上してきました。これは、丁度、EDOからSDRAMへ移行したときと同じように、ソケットがそれぞれ用意されているものと推測されます。
 しかし、所詮は延命策です。変換機を用いることによって、どうしてもオーバーヘッドが無視できない。せっかくRIMM(RamBusのSIMMの形状)にすることで今までの倍近い帯域を確保できるのに、これでは全然意味が無い。余っているDIMMがもったいないから、という理由以外の使い道が無い。RIMMは構造が単純化できるため、値段も一気に普及帯に入ってくるものと考えています。
 進化の速いパソコン業界では、比較的値段が落ち着いたものを適度に購入していくというのが正解みたいです。今のうちに、無理してPC100メモリを余るほど買わないように。SDRAMも、あと2~3年で過去の遺物です。

 本日の独り言 「気がつくと、K6-2フライング発売されてた」


5月22日
カラッと晴れると気持ちいいですね

 IDTはどこまでがんばれるか

 先日WinChip2発表とあったIDTですが、今年後半から、WinChip2+という製品を投入する様子。これは、L1キャッシュを2倍にし、速度向上を狙った製品。その後は、WinChip2+NBとWinChip3という2系統立てで攻めるようで、+NBは、CPUのダイの中にノースブリッジと呼ばれるチップセットの中のメモリコントローラを内蔵するもの。これにより、メインメモリアクセスのレイテンシを減らし速度向上を狙う。
 WinChip3はクロック周波数を現在の2倍ほどまで高める製品。500MHzから600MHzをターゲットとしている。同一クロック数ではMMXペンティアムに劣るとされてきたIDTのWinChipだが、このメーカーは、やはり速度勝負よりもコストパフォーマンス重視。新CPUの製造プロセスは発表されていないが、現行のプロセスで製造しても85平方ミリと小さい。大企業に採用され、出荷数が伸びれば、今後面白い展開が待っているでしょう。

 PHSは生き残りをかける

 PHS各業者の累計赤字は1000億円にまで達しているといいます。NTTパーソナルはNTT DoCoMoと再編に乗り出すとか言いますし、あまり先がきれいに見えてきません。今のPHSに利点が見えてきますか?
 ビル内、地下鉄内でも使える。これはアンテナがあれば、ですね。地下鉄のカバー率は高いと思いますが、電車に乗ってしまえば、途中で切れてしまいますから、大したアドバンテージではないですね。逆に繁華街ではつながりにくいことが多いというデメリットが目立ちます。これは、1アンテナ辺りの収容局数が少ないためで、同じ場所で多人数がかけると話中になってしまいます(これは携帯電話にも言えます)
 通話料の安さはメリットですが、携帯電話も大分落ちてきています。エリアカバー率や高速移動時の安定性を覆すほどのものではありません。
 PHSに残るのは、高速通信と「1アンテナカバー地域のの小ささを生かしたシステム」になります。
 携帯電話でデータ通信をする場合、9600bpsぐらいまでが限界です。パケット通信サービスもありますが、あまりメジャーではありません。PHSはみなし音声でも1.44kbpsまではOKです。そして、PIAFSと呼ばれるデータ確立プロトコルがあり、32kbps(実効2.88/2.92kbps)で通信が出来ます。事実PHSの通話のおよそ5%がデータ通信だそうです。携帯電話が1%以下なのを考えると驚異的です。また、この数字は伸びるでしょう。出力も小さいですから、組込み型PHSというものが増えるのは時間の問題です。
 PHSのアンテナは、業者により異なりますが、1アンテナで100m~500m程度しかカバーできません。PHSそのものは、通話するために常に微弱な電波を出しつづけ、アンテナと通信します。PHSが移動し、今まで通信していたアンテナの電波が微弱になると、また近いアンテナへ切り替えを行います。簡単に言うと、100m程度の範囲でPHSがどこの局と通信しているか(それは、PHSの電源が入っているだけで)分かるのです。
 このシステムを利用したものにドラえフォンがあります。「いまどこサービス」を用いれば、誰がどこにいるのかがおおよそ分かってしまうというわけです。これは、FAXで受け取るのですが、このたびInternet上でも検索できるようになりました(今日はこれが言いたかったらしい)

 マピオンは便利だ...

 マピオンとは、インターネット上の地図検索サービス。この地図に、上記の「いまどこサービス」を組み合わせると、面白い。各階にアンテナがあるような場合、PHSがビルの何階にあるかまで分かる。
 こういった位置検索&情報サービスが、PHSの生き残る唯一の道だと思う。PHSは、諸外国では「実用にならない」と跳ねられた経緯がある(人口密度に違いがあるので、一概には言えない) 
 例えばどうだろうか。車のカーナビにPHSが内蔵される。渋滞情報などはFMを通じて送られてくるので、それほど重要ではない。が、目的の遊園地の混み具合が分かったらどうだろうか。PHSは殆どワンチップ化出来るので、免許証などに組み込まれる。人の流れの調査などたやすくなるに違いない(これがいいかどうかは別にして、だけどね)
 PHSは今生き残りをかけている。今後の動きにも注目したい。

 Dreamcast発表

 セガが発表した、サターンの次世代モデルですね。
 これはいろんなサイトが解説してくれているでしょうから、速報程度に収めておきます。
 OSはMicrosoft製WindowsCEカスタマバージョン。DirectXが動くように拡張されているとか。
 CPUは日立製SH-4というRISCタイプのもので、組み込み用などで幅広いシェアがあります。32ビットですが、内部に128ビットのグラフィックスエンジンがあります。これは実はFPU(浮動小数点演算コプロセッサ)で、AMD 3DNow!のように同時に複数の演算が出来るものです。
 グラフィックアクセラレータはNEC製PowerVR2で、新世代PowerVRといわれていたものです。現行のPC3DEngine2ではありません。秒間300万ポリゴンを叩くそうで、VooDoo2と並ぶことになりますねぇ。PowerVRはZバッファを必要としない為、こういったコンシューマ向けのメモリの少ない機体には丁度いいのだと思います。
 音源は、YAMAHAのXG音源サウンドプロセッサ(32ビット)を搭載。33.6kbpsのモデム、最大12倍速のCD-ROM、メインメモリはSDRAMで16MBと、なかなかのスペック。形もNintendo64を白くしたような感じで、セガらしさが薄いです。中央にドリームキャストのロゴ「ナルト」のような渦巻きが書かれているのが特徴。実はこれ、開発者が魔法使いTai!のファンだったのではと邪推。(細かいところはバンダイビジュアルのページでも見てください)
 セガはバーチャファイターをPCに移植したのを皮切りに、人気のあるゲームのPC化を進めてきました。これは、この新ハードへの布石だったのでしょう。

 本日のひと吠え 「沙絵ちゃん、萌え~っ(ばか)」

 


5月21日
今日も素晴らしい天気

 PCI2.2

 久々にPCI規格がバージョンアップするようです。
 430FX(トライトン)辺りまでは、PCIのバージョンは2.0でした。これが基本となり、現在は、430HX/VXの時代に策定されたPCI2.1を使用しています。これは、2.0の規格にコンカレント機能などを追加したもので、より効率よくバスを使用するためのものです。
 現在市販されている多くのPCI機器は2.1に準拠していますが、実際、ほとんどのものが2.0でも動作します。わたしも430FXの機体にいろいろ刺してますが、これと言った不都合に出会っていません。規格そのものが大きく動いたわけではないからです。
 今回のPCIは2.2となり、ACPI(パワーマネジメント)に対応するための信号の追加、ホットプラグ機能の追加が中心です。前者は、スタンバイモードやスリープモードからの復帰するためのもので、後者は、主にサーバー向けで、PCIのカードを電源が入ったままの状態での抜き差しを可能にするものだそうです。
 ただ、基本的にはマイナチェンジであり、現在動いているPCIのカードは、2.2へ移行しても問題ないとのこと。
 資源を大切にねっ

 IDTの本気が見える?

 最後発のx86互換CPUメーカーIDTが新しいCPUを出荷するようです。開発コードはC6+と呼ばれていたもので、正式名称はWinChip2 及びWinChip2 3Dとなるそうです。これは、4月ごろからサンプル出荷がされているので、もしかしたら見かけたことのある方もいるかもしれませんね。
 従来の製品に比べると、MMX命令の性能向上、100MHz対応が施され、AMDの3DNow!互換の3Dアクセラレーション命令を装備している。広報によると、従来製品の倍は速いと言うことなので、「パフォーマンスが、ちょっと」と敬遠していたユーザーには朗報かも。225MHzから266MHzが出荷され、少し遅れて300MHz版が登場。もともと簡素な作りのWinChipは値段で勝負。互換性も上々なので、そろそろ選択肢の一つにしてみては?

 新検索システムE.S.P.

 アメリカのInfoSeekが、新しい検索システムをスタートさせたとありました。
 これがどんなものかと言うと、利用者履歴に基づき、検索結果をより絞り込むと言うものらしいです。
 なんだか良く分からないですね。
 gooもそうなんですが、こういう巨大なサーチエンジンは、「ありげ」な言葉で検索させると数万ヒットなんて軽い軽い。数十万ヒットも見れたりします。こんな大量にURLを出しても一生かかったって見れやしません。そこで登場したのがESPです。
 詳しいことは発表されていないので、ここからは推測です。
 同じようなURLをまとめてしまう。良く分かると思うのですが、同じサイトが連続してヒットすることが多いです。これをまとめるだけで、ぜい分見やすくなると思いませんか。
 更新のないサイト(幽霊サイト)は省く。全世界に3億数千万ものWebサイトがあるそうです。このページもその3億数千万の1つですね。この中で正しく更新され管理されているサイトがどれだけあると思いますか。ある情報筋によると、1/3ぐらいは管理されることも無いサイトであるとされています。これが検索の対象から外れれば大きい効果がありますよね。ただ、実際問題、これを実現するのは難しいですね。未更新サイトはともかく幽霊サイトだけは出さないようにして欲しいですね。
 利用者履歴を活用する。サーチエンジンからジャンプした最に「いい、ふつう、だめ」とか聞いてくるだけだ。「いい」を選べば評価が上がり、「だめ」を選ぶと評価が落ちる。これに基づいて検索順を表示すれば、顧客満足度の高いものが上位にくる。InfoSeek以前からもこういうサービスを行っているサーチエンジンはあるので、これは間違いなさそうだ。少々うざったい気もするが、自分も検索サービスは良く利用するので、これぐらいは是としよう。ユーザーも投票しているみたいで楽しいではないですか。
 このページはどれぐらい「いい」なのか楽しみです(あはは「だめ」だったりして)
 あ、これ、アメリカのInfoSeekの話で、日本ではまだ行うか決まっていないそうです。

 gooもリニューアル

 検索量とスピードで、僅か1年で最高の検索エンジンに成長したgoo。ここも若干お色直し。今までよりも、利用頻度の高いものだけをピックアップし、そこから検索できるシステムを導入。
 ディレクトリサービスと異なり、検索エンジン系はヒットさせるURLを増やすことを主眼に置かれてきました。しかし、ここに来て「ヒットしすぎる」という状況に陥っているというのは前述の通り。InfoSeekもそうですが「有益」そうなページを抽出するのに試行錯誤みたいですね。

 本日の叫び 「Windows98にネスケ入れるぐらいならBeOSをバンドルしてくれ」

 


 5月20日
 素晴らしい五月晴れ

 最近思うこと

 このサイトを公開して1月ちょっとたちました。平日はほぼ毎日独り言を書きつづけ、その量は150kbを超えました。ま、実際はタグなどが入るでしょうからもうちょっと減るにしても、75、000文字ですよ。薄めの文庫本1冊です。皆さんのいい暇つぶしになれば幸いです。
 あと、よく耳にするのが「同種のWebサイト」の話。結構こういうコラムを書いておられる方も多いらしく、「千歳さん、こういうのもあるよ」と教えてもらいます。「あっちのサイトは詳しく解説してるよ」とか「グラフとかイラストもあるよ」と言われるのですが、私の場合、職場の暇な時間を書くことが多い(無論帰宅後に書くことも多いが)ので、詳細な資料など見ていられないのです。記憶と推測が勝負です(笑) 嘘も多分にあるでしょう。グラフもイラストも作ってる暇ありません(涙)
 資料と実験に裏付けされた読み物もためになると思います。でも、私は、もっと軽くて、暇つぶしになる程度簡単な読み物で十分です。初心者の域をちょっと出たぐらいの人でも楽しめるページにして行きたいです。

 L2キャッシュは本当に効いてる?

 大分長くなってきましたね。ベンチマーク絡むネタも3回目です。
 先日までは、ベンチマークテストというもの全般に関していろいろ言ってきたわけですが、今日はCPU回りを中心にキャッシュによる虚実のベンチマークについて考察したいと思います。
 CPU回りには、当然CPU、そしてCPU内部にあるL1キャッシュ、L2キャッシュ、メインメモリとそれらを取り巻くチップセットが大きな要因となります。
 CPUには、CPUと同期して動くL1キャッシュが、32kB~64kBほど搭載されています。CPUの近辺には、L2キャッシュが256kB~512kB、多い人でも1MB程度だと思います。メインメモリは32MB~128MBぐらいが一般的ですか。 ホンの数年前までは、メインメモリ16MBで、L2キャッシュは128kB~256kBでした。10年もさかのぼると、メインメモリが640kB、L2キャッシュなんてつけてませんでした。これは、基盤の速度とCPUの速度が同じで、ほぼウェイトを入れること無くCPUがメモリに対して読み書きを行えたからです。
 i486からは、L1キャッシュが搭載されました。4kBです。また、486SLCなどは僅かに1kBのキャッシュでした。それでも絶大な効果を発揮し、ぐんぐん速度が伸びていったのです。CPU内部がパイプライン化され、データの読み込みが連続していたほうが効率が良かったからです。CPUの速度は伸び年々倍加していくのに対して、メモリの速度はせいぜい倍にしかなっていないのです。
 大きな速度差が生じてきました。

 L2キャッシュ登場

 そこで、その間の速度差を埋めるべく登場したのがL2キャッシュです。
 L1キャッシュとメインメモリとの間に立ち、速度を差を埋めるべく装備されました。当時高価だったバーストSRAMや、非同期SRAMが使われていましたが、Intelのトライトンがリリースされる頃にはパイプラインバーストSRAMという安価で速いものが使われるようになりました。
 当時のOSはWindows3.1が中心で、95もちらほらと言う頃でした。メインメモリは8~16MBで十分だった頃です。L2キャッシュの威力は全体のパフォーマンスを20%以上押し上げるほどでした。
 このときに、ある種のL2キャッシュ信仰が始まっていたのかもしれません。メモリが16MB、L2が256kBとすると、容量比は64:1でした。また、実行するOSもそれほど大きくなく、アプリケーションもせいぜい1MB程度だったと思います。

 今を考える

 現在、メモリを128MBほど積む人はそれほど珍しくありません。でもL2キャッシュは512kB程度でしょうか。これを先ほどの比率であらわすと256:1です。お分かりでしょうか、昔に比べるとL2キャッシュのカバーする範囲は、全メモリの1/4程度しかないのです。そうなると、L2キャッシュを増やせばいいと思うのですが、そうは問屋が卸しません。L2キャッシュが大きくなるとL2の中にデータがキャッシュされているのか調べるのに時間がかかり、結果として遅くなってしまうのです。
 アプリケーションも肥大化しています。OSもまた然りです。ブラウザだけでも5MBぐらいあります。プラグインを入れると、すさまじい大きさになるでしょう。ディスクキャッシュはHDDの広範囲に渡りメモリをかき乱します。日本語IMEはプログラムだけで数MBあり、辞書は更に巨大です。
 これだけ大きなモノを動かしながら、たかだか512kB程度のL2キャッシュが有効に働いているでしょうか。これを考えるためにベンチマークテストを行ってみたいと思います。

 結果

 L1、L2キャッシュを順に切り、テストしてみました。

 L1○・L2○ これを100とします
 L1○・L2× 大きなベンチマークテストでは95(モノによっては101)、小さなテストでは70ぐらいになります。
 L1×・L2○ テストの大きいものは30程度、小さいものでも40程度まで落ち込みます。
 L1×・L2× テストの大小にかかわらず30程度まで落ち込みます。

 これだけを見ると何のことか分からない方も多いと思います。
 L1キャッシュを切ると性能は1/3以下にまで落ち込みます。これは、メインメモリが遅く、CPUに遊びが出来てしまうためです。L2が有効になったところで、遅いことに変わりがありません。
 L1キャッシュが有効で、L2の有無では、キャッシュに入りきるような小さなプログラムでは通常「異常に」数値が高くなります。ですから、それを切ると、逆に異常に数値が落ち込んでしまうわけです。大きなテストでは、もともとL2キャッシュにデータが入りきらないのでそれほど差が出ません。モノによっては101と言うのは何かと言うと、L2キャッシュを調べないほうが速いと言うことです。L2にデータがあるかないかを調べるのには時間がかかります。だったら最初からL2が無いほうが速いと言うこともあると言うことなんです。

 まとめ

 ベンチマークについて最初に宣言したとおり、これらのプログラムは非常に局所性の強いものが多いのです。そして、ロジック部分は得てして小さいものです。結果として、実際の運用の快適さとはかけ離れた数値を出しているに過ぎません。L2キャッシュは様々な要因により常時クリアされながら動いています。そういった事もあって、L2キャッシュにだまされていると言う面も多いと思います。

 ベンチマークは、局所的なピーク性能を計る道具としては有用です。しかし、実際の運用とそぐわないと言うことをあらかじめ念頭に置くことを心がけて下さい。

 本日の参考書 「今回はhttp://www.tomoya.com/を参考にさせていただきました」

 


 5月19日
 雨のちくもり

 Windows98その後のその後

 もう、TVニュースでも報道されていたぐらいですから、ご存知の方も多いでしょうね。
 先日、マイクロソフト側がOEM向けの出荷を15日から18日に延期するなどの「譲歩」を見せたところまではお伝えしました。どうやら、大きな動きがあったようです。
 司法省とマイクロソフトは、16日に和解交渉が決裂したと報道されました。司法省は本格的に提訴に踏み切る考えを示し、マイクロソフトは強引にWindows98を出荷する見通しです。
 内容はというと...司法省側の主張「MSとメーカーとの間のライセンスを緩和し、

  1. ブラウザを他社製に変更できるよう設定
  2. アイコン及びWindows起動時のが面を変更できるように設定

 この2点を了承しない場合は、6月25日のWIndows98の販売差し止めを要請。というところ。これだけ聞くと「なんだかまともな意見」なんですけど、具体的な内容と言うと

  1. パソコン立ち上げ時の画面決定権の放棄(Windows98+Internet Explorerを出すな?)
  2. ブラウザの表示権の放棄(画面上にアイコンを出すな?)
  3. Windows製品にはネットスケープナビゲーターをバンドル

 と言うことらしいです。1~2はまだなんとなく納得がいくのですが、3のネスケをバンドルしなさいと言うのは、なんだか越権行為... いいじゃないWebBoyが入ってたって。ブラウザなんて、結構な種類があると思うのですがね。裏で糸を引く面々の思惑がビンビン伝わってきます。
 さすがにマイクロソフトも「これに放っとくいかん」ということで、全面的に争っていく考え。さて、無事7月25日には日本語版Windows98は発売されるのでしょうか。万が一に備えてPlus98(4月23日)も用意していますから、おそらく大丈夫でしょうね。

 ベンチマーク考察 続き

 ベンチマークプログラムは「役に立ちそうだよね」と言うところまで書きました。これは、ある意味真実ですし、ある意味うそつきです。
 たとえば、MMXの無いクラシックペンティアムと、MMXペンティアム。同一周波数でのメディアベンチマークをとった結果では、あるプログラムは後者の方が1.2倍高速と表示。あるプログラムは、0.9倍。あるプログラムに至っては4倍も高速と表示したのです。一番最初のテストは、単純にCPUの性能のベンチマーク。1次キャッシュ大きいMMXペンティアムが若干速いのを正しく表示しています。2番目は、浮動小数点の演算。MMXがあるときはそれを使用。結果として、MMXと浮動小数点の切り替えオーバーヘッドが大きくMMXペンティアムの方が遅いと言う結果に。最後は、MMXに特化したベンチマーク。
 これらのテストは、端的な側面を見ることができます。だからと言って、それを全体と解釈してはいけません。ですから、これらの表記は真実でもあり、虚実でもあるのです。

 体感に近い速度を

 前項で触れたベンチマークは、非常に局所的なものです。世に氾濫するベンチマーカーには楽しい数値ですが、実際には参考の参考にしかなりません。そこで生まれたのが、実際のアプリケーション(または、類似するアプリ一式)を用いるベンチマークで、例えばWordを用いてスクロールの速度、Excelを用いて計算の速度を算出する、非常に体感に近いものが得られるのが特徴です。
 ただ、実際問題、アプリケーションに依存するため、それを使わないユーザーにはまったく参考でしかないのも事実。また、アプリケーションが違えば、スクロールも計算も速度が違うのが必然で、単一のアプリに束縛されるベンチマークは、諸刃の剣的な一面を持ちます。また、これを厳密にベンチマークと問うと「No」と答える方もいらっしゃるようですね。

 書き換えられるベンチマーク

 ビデオカードなどを買うと、大概パッケージの裏にベンチマークの結果が表記してあったり、雑誌の特集では、様々なカードが一度に掲載され、どれが一番速いのかをよく競います。ここにも多くの嘘が潜んでいます。
 ベンチマークとは比較的単純な命令を繰り返し行うものがほとんどです。矩形(四角)を描いたり、円を描いたり。ある種のビデオチップは、そういった連続した命令を受けると「描写が終わっていないにもかかわらず、描写終了を返す」ものがあったのです(今もあるのでしょうか) これはどういう事かと言うと、描いても無い物を描いたと言うことは、命令ばかりが先行して実際には描写を行わない。ベンチマークプログラムからはすごい描写をしているように見える。という寸法です。
 体感速度はそうでもないのに、ベンチだけはものすごい数値を叩くカード。怪しいですよ。レ○リュー○ョン3Dなんかが怪しいですね(笑)
 それに、パッケージ裏のテスト結果は、大概メーカーの都合のいい結果しか載せてません。鵜呑みにするのも止めましょうね。

 結論

 ベンチマークはどれを取ってみても端的です。市販アプリを使うものだって、例外ではありません。例えば、シングルプロセッサと、マルチプロセッサの場合、ベンチマークでは(一般的なアプリを使用した場合)殆ど同じ数値が出ると思います。ところが、CPUの占有度は桁が違いますし、実際のオペレーションもやはりマルチプロセッサの方が軽いです。
 SCSIとIDEが時々対決します。IDEもバスマスタだし、条件は対等などと言いますが、IDEの方が圧倒的に割り込みの発生する回数が多く、CPUの負荷ではSCSIに一日の長があります。
 ピーク時の性能も大切ですが、オペレーションの快適さとか、ボトルネックの解消だとかを考えてシステムを組んだほうが、実は速いと言うことも多々あります。ベンチマークはそれをそのまま信じるのではなく、システムの側面として認識し、それを加味した上で「参考」にすると、非常に有用な情報だと思います。
 そして何よりも、PCを扱う上で一番遅いのは「人間」です。てけてけキーを打ち、迷いながらマウスを動かし、結果が出るのが遅いと不満を漏らす。ナノ秒・ミリ秒で動作するPCにとって、秒単位、時には数分も考え込むような人間こそが一番のボトルネックなのです。
 自身の速度向上が、一番の速度アップなのですよ、実は。

 本日のニュース 「EMCジャパン、DISK系ベンチマーク施設を新設」


 5月15日
 洗濯日和

 マイクロソフトのインターネット関連にまたもバグ発覚

 なんだか、ざるの目を一つづつ潰すような状態ですね。いくら潰してもきりがないと言うかなんというか。面白いですねぇ、どうやったらこんなにバグを埋め込んでおけるのでしょうか。
 今回見つかったものは、IE4.0とプロキシサーバー2.0、そしてIIS4.0を組み合わせたときにのみ起こるもので、IEがハングアップに似た状態になるそうです。あまりなさそうだけど、マイクロソフト系で固めている会社とかだと意外とありえる話かも。
 JavaかASP(アクティブサーバーページスクリプト)を含むページを更新しようとすると、画像が失われてしまう。IISがIEに情報を送るときにヘッダーが欠落してしまうのが原因で、IEは、来もしない情報を延々と待ちつづけてしまうわけ。
 他社のアプリならまだしも、自社内のアプリでこれじゃねぇ マイクロソフトさん、何とかしてよ。対策が、IE3.0xにするとか、IISを3.0にするとか、ダウングレードでしか対応できないなんで... 悲しすぎ。速くパッチを出してくださいね。

 Windows98その後

 何かと話題の多いマイクロソフト。
 Windows98も連邦控訴裁判所は「適用すべきではない」との結論を出したと、昨日の独り言で書いたのですが、司法省は黙っていなかったようで、再提訴するようです。15日と言われていたOEMパッケージのリリースを18日まで一時停止すると、マイクロソフトは発表しました。司法省いかんでは、Windows98のリリース日がずれる可能性も出てきます。
 両者をめぐって空気がピリピリしているのが伝わってきます。
 数日は、両者の動きを見守るしかできませんね。
 どーでもいいですけど、ガキの喧嘩だよね。

 ベンチマーク考察

 雑誌でもなんでも、新しいものが出るとベンチマークなるプログラムでその性能を評価し、ここがいいのだめなのと評しますね。それそのものは決して間違っていないし、指標の一つとして表示されるのは、読者にとって非常に有益だと思います。ただ、たった1つか2つのプログラムですべてを決定してしまったり、その結果に固執してしまう傾向が、最近強いような気がします。
 ベンチマークは、星の数ほどあり、得手不得手や精度が異なります。趣も目的も違うものがあり、単一のものですべてを判断できるものではありません。私はベンチマーク懐疑派で、それほど重要視していません。もちろん参考にはしますが、一番の指標は体感速度です。
 数値的に高ければストレスが無いと言う人もいるでしょうが、「新しく」「高価なもの」に取り替えて、ほとんど体感が変わらなければ「ちぇっ」と思いますよね。私はこっちの方が大切だと思います。

 2つの種類

 ベンチマークプログラムには大きく分けて2つ種類があります。
 1つは、ある特定の動作を規定回数行うのに何秒かかったかと言う方法。
 1つは、規定の時間に特定の処理が何回できたか、という方法です。
 前者には、足し算を6万5千回行うのに何秒かかったか、とか、HDDに10MB書き込むのに何秒かかったか、などを行わせるもので、SuperPaiや、CPUBENCHなどが有名です。回数をキーにしています。後者は、10秒間に画面の書き換えが何回できたか、10秒で画面スクロールできるかなどで、HDBENCHの画面系などが有名です。時間がキーになります。

 精度と誤差

 それぞれには得手不得手があり、それが精度に影響されてきます。
 回数をキーにすると、遅いマシンでは膨大な時間がかかります。速いマシンでは誤差が大きくなります。例えばAと言うマシンは、ある処理を0.19秒で終了しました。タイマは0.1秒台で計測するので、0.1秒とします。マシンBは、ぎりぎり力及ばず0.20秒で終了しました。当然、タイマは0.2秒とします。この結果だけを見ると、マシンAはマシンBの2倍高速な動作をしているように見えるのです。実際には些細な差です。
 回数を多くして時間がかかるようにすれば精度は上がりますが、遅いマシンでは耐えられないような事態に陥ります。タイマの間隔をより細かくするにも限界があり、こればかりはどうしようもありません。

 時間をキーにすると、遅いマシンでは精度が悪くなります。10秒で1000回の処理するマシンと1025回処理するマシンの速度差は2.5%ですが、10回のマシンと11回のマシンでは10%になります。
 最近は、速いものでベンチマークをとりますから、時間をキーにしたものの方が精度が高くよく利用されているようです。特に、画面の書き換えなどは顕著で、ほぼすべてのものが時間をキーとしていると思います。ただし、HDDの読み込み書き込みテストは、回数(というか、容量)をキーとしています。「1秒間に××MB読み書き」の方がわかりやすいと言う面と、10秒間に×××MB書き込みOKでは、空き容量の心配をしなくてはなりませんから(もちろん、そういった方式のHDベンチマークテストもある)

 ベンチマークの嘘

 ここまで読むと、「ベンチマークってすごく役に立つじゃん」と思いますよね。事実そうだと思います。「ある特定の条件下」では表示正しい指標です。PCは汎用機です。ゲーム機のような専用機ではありません。さまざまな条件があり、さまざまなパーツがあります。条件も様々です。
 長くなってきたので、次回の独り言に続けたいと思います。

 本日の噂 「MacOS XはSMP対応らしい」

 


5月14日
はれーっ

 最後に笑うのはマイクロソフト?

 連邦控訴裁判所は、Wndows95とインターネットエクスプローラとの抱き合わせの件に関して、「Windows98」には適用するべきではないと結論を出したみたいです。
 本当は、裁判したかったんでしょうね。マイクロソフトに一泡吹かせたかったんでしょうね。でも、若干かげりの見え隠れするアメリカのPC産業に、マイナス要因の決定打を打ち込めなかったのでしょう。
 しかしまた腹の立つことに、この報道がされるや否やマイクロソフトは「勝利宣言」をしてくれました。もう、アンチマイクロソフトのページは大騒ぎでしょう。これでもかと言うぐらい叩いてくれてますので、私はそれ以上何も言いませんが(このページの趣旨にも外れるしね)この横暴ぶりは何とかならないのでしょうか。
 それにあわせてかと言うぐらいのタイミングで、Windows98 最終ベータ版もデベロッパー向けに配布したようです。これで何事も無ければ、アメリカでは6月25日、日本語版は7月25日には店頭に並んでいるはずです。今回のこの判決で、マイクロソフトは大手を振ってWindows98の宣伝ができますね。今まではあまり事を荒げにしたくないらしく、目立たないようにやりくりしてきましたから。
 今年も、午前0時にオープンする店とかが現れるのでしょうか。きっと私は並んで買っていることともいます。Windows95のときは、テレビ東京の番組で私の姿が映っているのを確認しました。

 王者に返り咲くのかMatrox

 稚拙の独り言「5月7日」にMatroxに新チップの話をしました。このチップ、アメリカではもう評価用のカードができているらしく、盛んにベンチマークが紹介されています(もちろんMatroxのページでもベンチマークを掲載しています)
 このG200、2Dのトップスピードは当然としても、3Dも速い。3Dfx社のVooDoo2には及ばないものの、NVIDIA社のRIVA128を抜き去り、2D/3D兼用としては最速の位置に躍り出た模様です。まだ市販されていないRIVA128ZXも、G200には追いつけなかったようです。
 VooDoo2が速いのは、3Dのみに特化した2チップ構成であること(他社のは2D/3D兼用で、かつ1チップが多い)、ターゲットが一般向けではない(いわゆるゲーマー)為、価格を高めに設定でき、無理をしてでも速い回路を製造できる、2点だと思います。
 そして、このVooDoo2とG200の2つのチップに共通して言えるのがパラレルパイプラインアーキテクチャというものです。

 64+64=128?

 実はS3の新鋭Savage3Dも、NVIDIAのRIVA TNTもこのパラレルパイプラインアーキテクチャを採用しているのです。簡単に言ってしまえば、同種のチップを2個載せれば、速度は2倍というもの。力技的だと言うことで最初にVooDoo2が採用したときは「スマートじゃない」と評されたものでした。
 しかし、その圧倒的なパフォーマンスを見せられたとき、他のベンダはどう思ったでしょうか。それほど大きなアーキテクチャの変更がなくて、パフォーマンスを大きくアップできるこの技術に飛びつかないわけがありません。というわけで、各社こぞって同じようなアーキテクチャを採用するに至ったわけです。
 簡単に言ってしまうと、従来の3D用の回路が2つ、それと、それらに命令を振り分ける部分がワンチップ化しているようなイメージです。CPUから送られてきた命令を「振り分け機」が回路1/回路2へと順繰りに命令を送り続ける。命令をパイプライン化したりすることにより、更に回路の実行効率は上がり、結果として描写速度が向上します。
 それら64ビット回路の動きを阻害しないように、バス幅は128ビットにまで広げられているそうで、私は似非128ビットカードと呼んでいます。

 ほとんどCPU?

 Intelのi740というチップは、ほとんどCPUのような構造をしています。多段化されたパイプラインなどが、それを顕著にあらわしています。このチップ、3Dは結構速く、エフェクトのサポートも多く良いこと尽くめなんですが、肝心の2D描写はたいしたこと無いんですよね。当初よりもチップ単品の価格が安いこともあって、ミッド~ローエンドのPCに組み込まれていくと思います。AGPに対して相性がでるので、あまり外販はされないかもしれませんね(Intel製以外のチップセットでは動かないと言われています)

 統合されるDirectX

 Windowsでは、通常のデスクトップの描写はGDIというエンジンが担当します(三菱のエンジンじゃないです) これは、矩形を書いたり、塗りつぶしを行うのに適しているのですが、複雑な図形(ビットマップとか)を書くのは不得手です。そういったものの描写は後から追加されたDirectDraw、Direct3Dなどが担当します。
 こういった図式は、アプリケーションを作りにくくします。マイクロソフトは、これらのAPI群を統合する動きを見せており、GDI2kと称しています。これは、2000年以降を目標にプロジェクトが進行しているからなんでしょうね。
 これが実現すると、Windowsのデスクトップは激変します。
 アイコンの裏側が見えたり、立方体を作り、6面すべてにEXCELのシートを張り込んだりできるのです。何が便利か分かりませんが。

 見極めるのは目

 現在の3Dは、まだ標準となるものが無いため、各メーカーが模索している段階です。ベンチマークの速度が一緒でも、テクスチャの境界線の見え方がザツなのと、きれいなのでは自ずと評価が変わってきます。同じエフェクトを掛けても、チップの種類が違えば見え方が異なってきます。
 3Dfx社のVooDoo系がリファレンスになりつつありますが、まだまだ分かりません。今一番良いものを買い揃えても。半年もすれば普及帯の商品です。何度か買い換えるつもりで、気に入ったカードを買うのが一番だと思います。

 本日のキーワード 「SUNはどうしてもWindows98の出荷を遅らせたいらしい」

 


5月13日
久々の太陽

 ComBase発進

 NTTの「ISDNステーションComBase」の実用化実験が始まるそうです。
 これは、何をするものかと言うと、町中に設置された端末から、パソコンを使用することなく電子メールを閲覧できるというものです。今まで、オフィスや自宅以外でメールを受け取ることは非常に困難でした。ノートPC+PHSや一部のPDAなどを購入するなど、出費も痛かったものです。このComBaseは、そういったニーズに合わせてのものだと思いますが、果たして、そんなにたくさんニーズがあるのでしょうか。
 ちなみに、従来から使っているプロパイダアカウントをそのまま使う事も可能ですし、ComBase用に新規のアカウントも発行できるそうです。なんだか、NTTが新しいプロパイダサービスと、町中にPC付きの電話機置いてるだけみたいですな。事実、一般的な公衆電話としても使えるそうなので、NTTは現在のISDNグレー電話の後継として導入するつもりなのでしょうね。

 S3の反撃

 グラフィックアクセラレータの老舗S3ですが、先日Savage3Dを発表しシェアの巻き返しを狙います。目下、一番の悩みどころはNVIDIA社のRIVA128です。これを何とかすれば...ということで、RIVA128がS3の持つ特許を侵害していると告訴。販売差し止めを請求しています。
 先日も、同じようにシリコングラフィックス社がNVIDIA社を特許侵害で訴えており、先行くものは常に狙われるという法則(なんだそりゃ)通りです。
 もっとも、NVIDIA社は余裕で構えている様子。合法的に開発されている。争うなら法廷で、という構え。なかなか面白いですね。
 3DfxのVooDoo2、NVIDIAのRIVA TNT、MatroxのMGA-G200、S3のSavage3Dと、最速を争う戦いからまだまだ目が離せません。

 Mac OSが変わる日

 Mac OS X発表。
 プリエンティブなマルチタスク、メモリ保護。今までMacOSに足りなかったものが追加されようとしている。それらの多くは新OSラプソディで披露されるはずだった。ラプソディは、NextStepを土台としたOSで、今までのMacOSとはまったく異なるものだ。イエローボックスと呼ばれたものは、その新アーキテクチャに基づく部分。ブルーボックスは、その上で走る旧来のMacOS用のアプリケーションを走らせるための互換ボックスであった。
 ラプソディは順調に開発されていると報道され、99年には発売されるはずだった。それが、急転。暫定CEOジョブズ氏は、MacOSを継続、ラプソディを事実上凍結させる方針を打ち出した...。
 ラプソディではなく、MacOSの新版が出る。これが何を意味するのか考えて見たいと思います。

 マーケティングとタイミングの是

 アップルは当初、現在のMacOSの機能をラプソディに移行する計画でした。これは、MacOSが古いアーキテクチャに縛られ、堅牢なOSとしてのニーズにこたえられない為でした。アップルは、モトローラの68k系CPUからPowerPCというまったく異なるアーキテクチャへ移行する際、見事な手際でそれをやってのけました。ラプソディへも同様に、エミュレータを利用することで同じように移行しようと考えていたのです。
 ところが、(当然ですが)新しいMacには新しいプログラムを書き直さなければならなかったのです。ベンダはあまり乗り気ではありませんでした。
 アップルはラプソディへの繋ぎとして、ラプソディの機能を大幅に取り込んだMacOSをリリースすることにより、そういった移行にかかる負荷を減らそうと考えた。という説ですが、あまり説得力がありませんね。

 ブルーボックスの失敗

 新OSラプソディの肝心要の部分であるブルーボックス(旧MacOS互換部分)の難航は、以前から言われ続けていたことでした。
 68kからPowerPCへの移行の際は、ハードウェア的にエミュレータを搭載することで行いました。今回はCPUのパワーを利用して、ソフトウェアだけで行おうとしたわけです。旧MacOSには、マルチタスクなどの動きを阻害しかねないような命令が数多く残っており、それをいかに巧く処理するかが勝負でした。
 実際にブルーボックスはある程度のところまで完成していたのでしょう。しかし、速度や安定性の問題で「実用に耐えない」と判断しなければならなかったのかもしれません。
 このまま行けば、ブルーボックスはちょっとやばそうだ。しかし、なんとかラプソディはリリースできる。でも、それではユーザーはついてこない。そうアップルは判断したのでしょうか。
 真実は分かりませんが、現在のアップルの好調を支えているのは、こういった機転の速さ、実行力だと思います。
 MacOS Xのコードの多くはブルーボックスから持ってくるでしょうから、すべてが無駄になったわけではないでしょうし、移行の段階を一つ増やしただけかもしれません(ただし、MacOSには今後スケジュールがあるのに対し、ラプソディは、99年に出荷された後のスケジュールは何も公開されていない)

 今のアップルは、得意分野へと再び邁進を始めています。
 ソフトのバージョンアップ頻度の低い、教育機関などへの配慮の結果、とも受け取れます。
 何を以って何を目指すのか。それを知るものは、ジョブス氏だけなのかもしれません。

 本日の噂 「Linuxにワードパーフェクトが移植されるらしい」

 


5月12日
じとじと

 HMDが欲しい

 ソニーさんから新しいHMD(ヘッドマウントディスプレイ=眼鏡のように掛けて見るディスプレイ)が発売されました。つい先日も、オリンパスの方から同じように軽量コンパクトなものの発表があったばっかりです。
 何がすごいって、その大画面ですよ。0.7型程度の17万画素TFT液晶ディスプレイが鎮座して、なんて(笑) 対角線で2センチ弱の液晶がなぜ大迫力かと言うと、それが目の前にあるからです。レンズなどにより補正された映像は、目の前2メートルほどの位置に50~60インチものディスプレイに見えるのだそうです。
 現在、これらは民生用中心で、PCに直結できるものではありませんが(できるものもあるようですが、まだまだ大きくて重たいものばかりだそうです)、これでフライトシミュレータとか、3Dレースゲームとかやったらどれだけ気持ちいいことでしょう。もっとも、VGA-NTSCコンバータなどを買ってきて、それに繋げれば問題なしですね。
 これと、フォースフィードバックジョイスティックで、完璧陶酔の世界へ...

 ディスプレイの種類

 このHMDにはグラストロンと言う名称がついています。ソニーさんらしいですね。そう、ソニーと言えばトリニトロン。ディスプレイにアパーチャグリル管を持ち込んだ最初のメーカーです。最近はフルフラットディスプレイを発売したみたいですね。これがまたすばらしい出来。画面を見ていて、吸い込まれるような不思議な感覚に陥ります。平面過ぎて、真ん中が凹んで見えるからだけだと思うけど(笑)
 現在一般に流通しているカラーディスプレイには「シャドウマスク」管、「アパーチャグリル」管、「クロマリア」管の3種類があります。それぞれに特徴があるので、順を追って説明していきましょう。

 シャドウマスク管

 最も歴史の古いタイプです。
 丸型の穴が規則正しく

 
 
 

 と並ぶタイプで、一つの

 を一塊として、その幅をドットピッチといいます。よくパンフレットなどに「ドットピッチ0.18ミリ」などと書いてありますが、これのことを指しています。
 このタイプの特徴は、ドットピッチを細かくしやすいため、高解像度のディスプレイに向くこと、画面の強度が保てるため、大画面にしやすいことです。

 アパーチャグリル管

 ソニーのトリニトロン、三菱のダイヤモンドトロンなどがこの方式です。スリットが格子状になっているために、縦方向に対してフラットになります。



 と言うように構成されており、シャドウマスク管のドットピッチに対して、アパーチャグリル管はグリルピッチと呼びます。一つのグリルピッチはで、だいたい、0.28ミリぐらいが標準でしょうか。カタログでは、ドットピッチと言われてしまうことの方が多いようです。(アパーチャグリル管とシャドウマスク管では、ドットの並び方が違うので単純に比較できません。気をつけましょう)
 各ドットが真四角なため、文字などの表示に向きます。また、開口率が高いため、明るい絵が得られるのが特徴です。ただし、ワイヤーなので衝撃に弱いという弱点があり、15インチクラスでは1本、それ以上は2本、ダンパー線と呼ばれる線が画面を横切っています。「変な線が画面に見える」という苦情もあるそうですが、それが正しいアパーチャグリルの証拠でもあるのです。

 クロマリア管

 NECが開発したもので、アパーチャグリルとシャドウマスクの「いいとこ取り」のようなものです。

 
 
 

 となっており、アパーチャグリルの開口率、シャープさ。シャドウマスクの強度などをうまく取り込んでいると思います。ディスプレイメーカーとしてのNECは、海外での評価が非常に高いです。
 欠点も特徴も、2つのブラウン管の中間と言う感じです。

 どれが買いか

 一時期、トリニトロン管が非常にもてはやされた時期がありました。それに伴い、アパーチャグリル管の方がきれいと言う認識が強まり、新しいものはみんなアパーチャグリルということもありました。
 非常にコントラストが高く、文字がシャープに映る為です。ワープロや表計算など、オフィスで使うには相性が良いと言えるでしょう。

 一方のシャドウマスク管は、最近評価を上げつつあります。ドットピッチを細かくすることで、非常に高解像度に対応できることと、欠点と言われたソフトフォーカスが見直されてるからです。
 ドットか四角くシャープなアパーチャグリル管で写真など、自然画を見ると、エッジが目立ちすぎてしまうのです。シャドウマスクは、スリットが丸いため角が立ちません。細かい文字が読みにくいと言う欠点も、ドットピッチを上げていくことで、ほぼ解消されています。シャープさではまだアパーチャグリル管にはかなわないですが、自然画を自然に見せると言う点では、上手に機能しているようです。

 ディスプレイを買うときは、自分が何を主体とするのかを良く考えてから買いましょう。ディスプレイは、PCのパーツの中で最も接する時間が長く、かつ高耐久品です。ちょっと無理してでも良いものをお勧めします。
 また、ショールームで見る際は、必ずパネル類をさわりましょう。他のものに対して、良く見えているようにコントラストを高めに設定してあるものがほとんどです。営業マンが来て、勝手にいじることも多いようです(自分のメーカーを上げて、他のメーカーを下げるとかね)
 きれいに見せるためには、ケーブルもD-Sub15ピンではなくBNCケーブルにする、ビデオカードも信号の鈍りの少ないものを選ぶなどすると、見違えると思います。(一般には、カノープス社製、Matrox社製の製品はそこら辺まできちっと作ってあるようです)
 音もそうなんですけど、映像とかって、非常に好みが強く出るものだと思います。何度も確かめて、気に入ったものを買うようにしましょう。あと、ディスプレイの調整は、最後は全部職人さんによって行われています。気に入ったディスプレイと買ったディスプレイの画が、微妙に違うかもしれません。そういった意味では、ナナオにようなメーカーは、非常に厳しいチェックを行っているので安心して買えると言うメリットがありますね。(無論それは価格に反映してますが)
 いつまでもメーカー付属のディスプレイなんて使ってちゃ駄目ですよ。

 本日の噂 「OCNのIPアドレスが足りないらしい」

 


5月11日
肌寒さを感じる朝

 第6世代CPU戦争

 秋葉原が熱い季節です。
 4月16日にIntelからPentium2 350/400MHz版がリリースされ、マザーボードの動作クロックが100MHzへ突入しました。そのせいか、PC100に準拠したSDRAMが飛ぶように売れ、同時にに値段も96年を彷彿とさせる落ち方をしているそうです。私が、初めてメモリというものを買ったときは、8MBで4万円ぐらいしました。NECの98機です。追加のモジュールは2MBで1万円ぐらいでした。(61SIMMという「現在一般に流通しているものとは互換性の無い」72ピンのものでした)
 Windows95発売にやや遅れる形でAT互換機へ乗り換えしたのですが、その当時のメモリは、16MBのSIMMが1本5万円を少し超えていました。我ながら「安くなったな」と思い、2本ワンセットで11万円ほど支出したことがあります。(共感してくださる方も多いでしょう、きっと)
 最近の価格だと32MBのEDOで4500円ぐらいからですから、ざっと1/25...悲しいですね。
 とまあ、メモリの推移は機会を譲るとして、今日は、新作ラッシュのCPUについてです。

 AMD K6-2

 先日発表がありましたね。この間までは、AMD K6 3Dと称されていたものです。現行のK6と本筋のアーキテクチャ変更はなく、3D Now!と呼ばれる新MMX命令の追加と、正式に100MHzの基盤クロックに対応したことでしょう。Soket7系列はセカンドキャッシュが基盤速度に大きく依存しますから、性能向上は体感できると思います。266MHz(66×4)版と300MHz(100×3)版が店頭に並ぶと思われます。Intelのセレロンも値下げを行ったこともあり、いきなりリーズナブルな値付けでくる可能性大ですね。

 Cyrix M2

 サイリックスもM2も、エンジニアリングサンプルが出来上がるほどの完成度に達しているそうです。予想外なことに、出だしは66MHz×3.5の233MHz動作だそうで、ペンティアム2換算で300MHz相当ということです。工場が安定してくれば、ベースクロック75/83/100対応品と徐々に性能を上げてくることでしょう。
 サイリックスはx86互換メーカーとして唯一「x86ネイティブ」で動作するCPUを設計しています。特に整数演算では移植を発揮するらしく、ビジネス系のアプリケーションへの効果は絶大でしょう。値段も安いですし、簡単なPCを作るにはいいかもしれませんね。ただし、M2の出始めは、ちょっぴりお高めかもしれないでそうです。

 IDT C6

 まだいまいちメジャーになりきれない感のIDTですが、今年は面白そうです。周波数を大きく向上させ、AMD 3DNow!を搭載してくるからです。(その後で、AMD K6 3D+のようにセカンドキャッシュを内蔵してくるらしい)
 CPUコアは486の流れを汲むC6ですが、意外とその性能は高く、同周波数のMMXペンティアムに若干届かないほどだそうです。C6はそのダイの小ささが武器ですから、今後どんどん値段で勝負してくると思います(歩留まりもよさそうですしね)
 もっとも、新鋭のCPUに比べると、どうしても価格重視ですから、自作機中心の方の注意を引くのは難しいかも知れませんね。(CD-R焼き焼き専用セカンドマシンとかには丁度いいかもしれないです)

 Intel Katmai

 第2世代ペンティアム2もそろそろ現実のものとなってきました。MMX2と呼ばれる新世代MMX命令を70余ほど追加して、500MHzクラスからのスタートと言われています。
 この新命令は、AMD K6-2に搭載されている3D Now!同様に、浮動小数点もMMX演算可能な仕様になっており、3D演算や、Video支援などに効果を発揮するといわれています。特にIntelはMPEG2のソフトウェアエンコードに注力していると言われ、今回のこの追加命令も、これを有効に使うためのものが多分に含まれていると推測できます。
 このCPUは、99年前半にリリースされるそうです。

 性能比較

 絶対的な性能を追うのであればペンティアム2ですね。命令の実行効率にそれほど大きな差の無い今、最高の動作周波数を誇るペンティアム2は最速です。カートリッジに内包されたセカンドキャッシュが、マザーボードに依存せず速度を維持できるなど、ぐらっちぇぐらっちぇ(いみふめ)です。また、浮動小数点演算の速度は互換CPUに比べると圧倒的と言うほどに速いです。3DNow!の速度がまだ未知数だけに、十分なアドバンテージと言えます。
 他社はどうなのか。ダメ? いえいえそんな事はありませんよね。ペンティアム2の唯一の弱点「価格」を叩くように攻勢をかけています。ペンティアム2は、深いパイプライン、高度な予測分岐などなど、速度を追求するあまり大柄になりすぎたのです。チップの価格は、1枚のシリコンウエハーからとれるダイの数に大きく依存しますから、CPUを構成するトランジスタ数のバランスを取り、互換メーカーは「速度」と「価格」を天秤に掛けているのです。IDT C6は価格に、AMDK6は速度重視と言えましょうか。(M2は効率重視?)

 とどのつまり

 システムの速度は、CPUだけに依存するものではありません(ファクターとして大きいのは認めますが) 私はバランスが大切だと思っています。ですから、昔Intelが提唱していたNSP(ネイティブ・シグナル・プロセッシング=CPUでなんでもやってしまおう)というのには懐疑的です。個人的には、CPUへの負荷をできるだけ小さくし、反応性の高い機体を組んでいるつもりです。WindowsというOSも、実はそんなに好きじゃありません。Beみたいな小気味良いもののほうが好きです。
 (時々いませんか? ペン2-333で、HDD4.3G なのにVideoはVergeVXで主要アプリがゲームとかパソ通と言う人... ゲームのBGMにヴァーチャルMIDI音源でやっちゃう人)
 人には人それぞれに合った組み合わせがあります。ゲーム中心、ビジネスアプリ中心、MIDI、グラフィックなどなど。それに合ったシステムを組むことで、意外と低予算でストレスの少ないマシンを組むことができると思ってます。ベンチマークに出てこない快適さ、マルチタスク時の負荷、そういった事まで考えている人って、結構少ないんですよね。皆さんもこの機会に、ちょっとチェックを入れてみてはいかが?

 本日のキーワード 「iMac 日本でも8月発売」

 


5月9日
やっとお休み。でも仕事...(とほ)

 普及帯デジカメが銀塩写真に追いつく日

 どうしても、まだまだ一般の写真には追いつけないデジカメですが、最近の100万画素を超えるモデルの画像を見ていると、下手な使い捨てカメラよりきれいなんじゃないかなと思えるときがあります。
 ハイエンドな機種では、300万画素を平気で超えるものもありますが、とても個人で買えるものじゃないですね。せめて、定価で15万、実売で、できれば10万円を切って欲しいところです。この価格帯ですと、130万~150万画素が中心になると思うのですが、これらが一気にステップアップしそうな気配です。
 CCDメーカーとしても有名なソニーですが、1/2サイズで200万画素を超えるモデルを年内開発するという目処をつけたそうです。気になる価格は、現行の150万画素クラスと同等ということで、来年の頭には、一気にオーバー200万画素の時代が到来です。
 これぐらいになると、一つの画素は、なんと4.65ミクロンだそうで、1平方ミリの中に46個もCCDがあることになります。すごすぎですね。
 ところが、ビデオカメラ向けのCCDはもっと微細なものに移行しており、その技術をそのまま使うと、300万画素を超えるものも作れるのだそうです。ただ、ビデオに比べてカメラは感度や、ノイズ特性を向上しないと使えないため、このクラスのものは2000年を超えないと登場しないのではないかとの事でした。

 今年は液晶ディスプレイが本命?

 年度末辺りから、企業向けを中心に液晶ディスプレイが売れています。
 目に優しいし、消費電力も小さいし、なんしろ狭い日本、設置面積の小ささはディスプレイに対する大きなアドバンテージです。もう少し値段が落ちてきたら、そろそろ個人宅でも...と、お考えの方も多いと思います。
 それを悟ったのが台湾メーカー。LCD(液晶パネル)のシェアは日本が桁外れに大きく、次いでアメリカとなっています。LCDは半導体と同様高度な技術力が必要で、安易に製造する事ができません。台湾のメーカーは(自社生産を始めるのでしょうか? それとも、LCDは輸入なんでしょうか。そこまではちょっと不明ですが)液晶ディスプレイの生産に本腰を入れ始めます。
 デスクトップのみの17インチ(ディスプレイの20インチ相当)のような高価なものではなく、ノートパソコンのものを流用できる14インチ~15インチクラス(同15~17インチ相当)のものを主体に大量生産に踏み切るようです。
 ディスプレイに比べて、応答速度、視野率、バックライトの寿命など、まだまだ考慮すべき点も多いですが、将来に期待のかかるデバイスの一つだと思います。

 インターネットに散らばるアダルトコンテンツ

 4月30日に衆議院本会議で風営法の改正案が可決されました。いままで規制らしい規制もなかったインターネット上を流れるコンテンツを規制するもので、主にアダルトな内容を含むサイトの運営者の届出制と、そういった画像などの管理責任を明確にするものです。
 とは言え、この法律が本当に機能するか、はなはだ疑問です。大手のアダルトビデオ業者などは、もとより非可逆な映像など提供してはいません。主目的となる個人運営サイトやQ2を用いた簡単なシステムを持つところを把握したいという警察の動きが感じられますが、この法律では、海外にサーバーがあり、日本語で提供されていても罰することができません。また、アダルトな内容は課金せず、その広告収入のみで運営されている場合の判断も不明で、司法に都合のいい解釈が取られることを危惧しています。
 また、プロパイダがそういった内容のものを発見した場合、その送信を止めるような措置を講じなければならないとあります。不思議な判断です。伝言ダイヤルなどに卑猥な言葉を入れても、NTTは捕まりません。しかし、通信の世界に限っては閲覧権をも行使していいというのでしょうか。
 これから専門家たちがいろいろうんちくをたれてくれるでしょうから、細かいことを言っても仕方がないのですが、保存された画像が猥褻なのか、それが保存されたHDDなどの媒体が卑猥なものなのかの判断も正しくされていない現在、今回の法律は、まだまだ時期尚早な気がします。可逆なモザイクが卑猥なら、非可逆なJPEGフォーマットは卑猥じゃないのか、FL/Q0が捕まってCPはOKなのか、問題は多そうです。

 「しいたけ」というドメインが登録できなかったり、Internetって変なところですね(ShitakeにはShitという文字列が含まれるため、自動登録じゃダメなんだそうです。電話で理由を説明すればOKらしいのですが... 世の中にはもっとすごい名前のドメインがあるというのにねぇ)

 バックボーンからをもっと速く

 小難しい話をしたので、読み飛ばしてしまった方も多いですよね。これは、もっと身近な話。
 テレホーダイの始まる23時ごろになると、急にブラウザの反応が遅くなりますよね。別段混んでいるサイトを見ているわけでもないのに... そう、インターネットは混んでいるのです。道路で渋滞すれば、自動車が動かなくなるのと同じで、データの通り道の1個所でも混んでいると極端に堪能が鈍ります。ユーザーはどこが混んでいるかなんて分かりませんから(調べれば分かるけどね)インターネットは遅い、という風になってしまうわけですね。先日も紹介したxDSL技術も、基本的にはプロパイダから端末までを速くするものであって、インターネット全体が速くなるわけではありません。
 ところが、朗報があります。光ファイバの伝送能力を飛躍的に高める技術「WDM」というものが実用段階に入ってきたのです。
 これは何をやっているものかというと、波長の異なる複数の光信号を同時に送り込んでしまおうというもので、以前から長距離電話系の企業が注目していたものです。今回は、企業内基幹にも使えるようなクラスの試作品ができたということもあり、これから、基幹からプロパイダまでや、基幹そのもののスピードアップが期待できます。
 渋滞のある高速よりも、スムーズな一般道の方が速いこともあります。少しずつ着実にインターネットは高速化の道を歩んでいるんですね。
 CPUが18ヶ月で2倍の性能になるという有名なムーアの法則というものがありますが、インターネットは3.5ヶ月で2倍、1年で10倍にも達する成長を遂げているそうです。このままだと、西暦2000年には、全世界の通信の半分はインターネットを利用することになってしまい、2003年には90%にも達するそうです。この予想がどれだけ正しいかは分かりませんが、この急速な成長は誰にも止められないようです。

 本日の噂 「FreeHouseNETWORK ホスプロの試用期限が切れて大混乱らしい」


5月8日
小雨舞う早朝、夜大雨?

 iMACデビュー

 細かいところは各方面で報道されていますし、半月もすれば雑誌に載るでしょうから、デザインだのなんだのをここでどうこういうつもりはないんですが、ありゃ、Wintel完敗ですよ。
 いままで、数多くのメーカーが同じようなモニタ一体型を提供してきたわけですが、ある程度普及したのってMacだけなんですよね(あ、Canbeがあるか) そして、今回のiMac。初期の頃の(そう、クラシックのような)Macらしい匂いのするMacなんですよね。小気味よくコンパクト。ファンにはたまらないでしょう。そして、値段と性能がそれに追い討ちをかけます。これは、きっとブレイクするんじゃないかな。
 あ、そうそう、私も数ヶ月だけMacユーザーでした。Powerbook160を使ってました。

 CD-Rメディアあれこれ

 最近は猫も杓子もCD-Rという様相。あなたの周りでも活用している人が1人ぐらいはいるはず。今日は、そんなRのメディアについて書いてみたいと思います。
 Rは、通常のCDと同様に音楽なら64分、データなら640MB記録することができ一度書いたら物理的に削除できないことから「WORM」と呼ばれます。Write Once Read Manyですね。ただ、これは物理的にという話なので、論理的にはいくらでも書き込んだり消したりしているように見せることが可能です。
 Writeに関してはOSの標準サポートがある訳もなく、各メーカーの提供するライティングソフトによって書き込みを行います。ドライブもさまざまなメーカーがあり、メディアもまた然りです。Rは記録層にある色素を焼くことによって記録を行うので、この焼き加減一つで「読めるメディア」「読めないメディア」を作り出すことが可能です。ここら辺が各メーカのノウハウであり、相性という問題を引き起こす一番の問題です。

 色、色々

 CD-Rをラベル面から見ると、大概のものは金色をしています。また、最近は銀色のものを見かけるようになりました。裏側を見ると、金色、青、緑とさまざまです。
 ラベル面の色は、即ち蒸着させてある反射層の金属の色です。金色は文字どおり金を使用しています。最近は、この部分のコストを落とそうと、銀を使うメーカーが増えてきました。これが銀色の正体です。ちなみにRWはアモルファス合金を使用しているので、鈍い銀色に見えます。
 裏側は、色素の色と耐候剤の色で決まります。これは、蒸着させた金属面に耐候剤を混ぜた色素を均一に塗り付けるからです(というか、中心付近に垂らして、遠心力で伸ばすらしい)
 現在主要なものは、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系と大きく3つに分けることができます。シアニン系が一番古く、フタロシアニン、アゾ系は比較的最近です。Rを作るメーカーはどのメーカーがどの色素を使うかが決まっており、色を見るだけでおおよそのメーカを見分けることが可能です。
 一般的に、シアニン系は緑色、フタロシアニンは金色、アゾ系は青色といわれています。

 どの色がいいの?

 シアニンとフタロシアニンはもともと無色透明で、アゾには青い色が着いています。シアニンが緑色なのは、耐候剤が緑色をしているからです。
 色素はもともと化学反応をしやすく作ってあるので、直射日光などの光り当たったり、高温にさらされる(夏の車内など)とかってに反応して、せっかくのCD-Rが読めなくなってしまいます。耐候剤はそういった日光や温度から色素を守る働きがあります。
 フタロシアニン、アゾ系はもともとこの耐候性が高いため、そういった薬品を混ぜる必要はありません。
 ただし気をつけなければならないのは、金色なのにシアニンというような粗悪なものです。これは、耐候剤をまったく添加していないものと思われます。他にも緑の薄いものなども注意しましょう。これらを使用した場合、せっかく焼いたデータが、半年、1年も経つと読めなくなっている可能性があります。
 ただ最近は、フタロシアニンにも少量の耐候剤を添加しているメディアもあり、色だけの判断はつきにくいのが現状です。

 メディア考察

 メーカーとその特色を書いていきます。これは一般的な意見であったり、私個人の使用感などを混ぜていますので、そのまま鵜呑みにするようなことなく、参考程度にとどめていただきたいと思います。

 太陽誘電
 世界で最初にCD-Rを作ったメーカー。メディアのシェアも高い。SONYなどへもOEM供給している。普通のCD-ROMなどは、このメディアを基準にRのチューニングを行うらしい。しかし、プレ○ステーションのピックアップレンズと相性が悪いらしい。

 TDK
 非常に安定していることで有名。プレ○テ、サタ○ンなどの相性もばっちり。ラベル面のコートもすばらしい。ヤマハなどへOEM供給されている。

 リコー
 フタロシアニンを使った耐候性のよさがポイント。可もなく不可もなくというところか。以前はメモレックスなどへOEMしていた。

 三井化学(旧・三井東圧)
 抜群の耐候性。AUDIO系を焼くには最高といわれる。最近メディアが新型に切り替わった。フタロシアニンに耐候剤を添加しているので、メディアの色が不思議な色。最近メモレックスへOEM供給するようになった。

 マクセル
 旧型は、もう最悪でした。新型は、だいぶ良くなっているものの、まだまだと言った感が否めない。がんばれマクセル。

 オンキョー
 他と違って台湾製です。これ、最悪です。特に音楽系はダメボロっす。

 三菱化学
 珍しくアゾ系です。プレ○テとの相性がいいようです。ここら辺が好きな方はお勧め。パイオニアせいのドライブで読みにくいといった報告がありました。

 コダック
 一時期最安値を更新していたメディア。ものそのものは非常にいいと思うが、若干耐候性が劣るらしい。また、車載オーディオで聞いてたら、蒸着面が剥離したという報告も。

 FUJI
 使ったことないんですけど、結構いいらしいです。

 Mr.DATA
 書き込みは問題ないらしいのですが、なんだか、耐候性がめちゃめちゃ弱そうです。

 プリンコ
 台湾メディア最強じゃないですか? 値段の割に非常に信頼性が高いです。あとは、パッケージのセンスぐらい?

 最後に

 千歳のお勧めは三井化学です。ついでTDK、太陽誘電です。保存系のものは、こういったちょっと高目のメディアを選びましょう。逆に一般向けでお勧めはプリンコです。値段の割に安定しています。ただし、御自身の書き込むドライブ、読み込むドライブを考えて、最初少数買いし、安定していると判断したものを常用しましょう。、
 読みにくいメディアでも、CD-R用ラベルを貼ると改善するという報告もありました。これは、反射層が薄いメディアをシールが助けているとか、シールの重さが安定した回転を生み出したとかいろいろあるようです。
 CD-Rは、バックアップ、及び、自身の著作物のみを目的として使いましょう(プ○ステと相性が云々と書いている辺り、全然説得力がないですね)

 本日のキーワード「VIA 100MHz対応Pentium2用チップセットApolloPro出荷開始」


5月7日
寝不足でだるい上、蒸し暑い

 S3社巻き返しを図るか

 最近不調であえいでいた米S3社が、128ビット 2D/3D兼用のグラフィックスチップSavage3Dを発表しました。独自のテクスチャ圧縮技術を用いているので、AGP4x相当にもなる凶悪な性能を発揮するとのことです。
 S3社は、ウィンドウアクセラレータの黎明期からあるベンダで、801、928、964など、高速な2D表示を売りにしていたものです。当時最速をPower9000/9100などと競っていたものです。
 3Dの着手も早く、Trio64の後継としてVirgeをリリースしました。当時は採用例も多く期待のかかったチップでしたが、VX DX GX GX2とリリースするも、他社の圧倒的な3D描写に水をあけられた感がありました。Virgeは、どちらかというと安くてそこそこの性能という系列です。現在の3D描写はまだまだホビー色が強く、少々値段が高くても高速なものが望まれます。そういった背景もあって、S3社は苦境に立たされていました。今回のSavage3Dでも採用されているテクスチャ圧縮技術は、Intelにもライセンスしているものです。高い技術力のあるS3の今後に期待しましょう。

 MATROXも切り札を投入

 先月、「MATROX G100」というSGRAM8MB搭載で99ドルという驚異的な値段で低価格路線に殴り込みをかけたMATROXですが、今回上位機種として「G200」というチップを発表しました。64ビットデュアルバス(=128ビット)を採用し、DACは230/250、VRAMは最大16MBまでとコンシューマ向けとしては確かにハイエンド向けのチップです。このデュアルバスというのは最近よく使われる手法で、同じチップを2つ詰め込んで性能を稼ぐというものです。
 このG200は、MicrosoftのDirectX6で追加される命令に対応するなど、若干他社のものに比べて優位なポイントがあります。2D描写は、ミレニアム譲りで高速ですし、3Dも現行のRiva128といい勝負をするのではないでしょうか(そして、エフェクトの精度はG200が優位に立つでしょう)MATROX系のVIDEOカードは、CPU速度に依存する癖みたいなものがあるようなので、どうせ使うのなら、ハイエンドなシステムで使ってあげましょう。
 ミレニアムを発表した当時、最強の名をほしいままにしたMATROXですが、3Dという面ではかなり立ち後れていました。今回のこの切り札で巻き返しが図れるでしょうか。

 マイクロソフトの悪あがきは大した物

 各方面から失笑を買うことの多いマイクロソフトですが、今回もなかなか笑わせてくれました。ゲイツ会長は、5月5日に会見を開き「Windows98が予定通りに集荷されなければ、アメリカの産業に大きな影響を与える」とおっしゃったのです。私は、この記事を目にして、思わず笑ってしまいました。当初Windows97といっていたものが98になっているという真実も見えないようです。自社の責任で遅らせる分には影響がないが、司法省の手によって止められるのは影響が出るのでしょうか? はなはだ疑問です。
 また、その会見には、30名ほどの独立系ソフト/ハードウエア・ベンダー、コンピュータ販売業などのリーダーを引き連れ、差し止められ場合の業界への「消極的な意見」を並べさせ、更にゲイツ会長自ら「PC産業はアメリカ経済の原動力である」と明言。司法省に対して牽制をかけます。
 その後、ゲイツ会長はWindows98のデモンストレーションを行い、わざわざネットスケープナビゲーターを走らせるなどのパフォーマンスを見せてくださいました。良かったですね、前回のように「途中でWindows98がフリーズして「まだまだ治さなければならないバグがあるようです」と洒落になってない洒落をかまして立ち去る」ような事がなくって。
 パイをなげられたり、彼もいろいろ大変ですね。

 DirectX6リリース

 もう一つマイクロソフトネタを。
 一段落した感のあるDirectXシリーズでしたが、待望のX6がリリースされるようです。今回は開発者向けのベータ版配布だそうで、最終的にエンドユーザーに配布されるのは7月になる予定だそうです。現時点での最新版は5.2です。以前はSDK込みでの配布でしたが、つい先日エンドユーザー向けのバージョンも公開されたようです。
 6の改良点は、全体的にAPIの整理/改良だそうです。あんまり関係ないですね。
 次、3D系のエフェクトを追加。複数のテクスチャをレンダリングする機能や、ラスタライザなどが追加されたようです。前述してあるMATROX G200などがすでにサポートしてますね。
 そして最後、新しいWin32ドライバーモデルが採用され、95/98/NT5.0で同じドライバが使用できるようになったこと。NTをメインに使っている方には朗報ですね。

 Intelのセレロン

 低価格向けペンティアム2「セレロン」ですが、あまりの不評さにIntelも頭を抱えている様子。同じ性能出すのであれば、まだまだMMXペンティアムの方が安いという本末転倒な状態に、苦肉の策を連発。とりあえずは300MHzの高速版をリリースし、その後、ダイの中に128kbのセカンドキャッシュを内包した333MHzのものをリリースする予定...って、あんた、それ、ペンティアムプロ? もしかして、在庫余ってた奴とかってことないよね。ガワ外しただけでそんなに安くなるなんて、もしかして、めちゃめちゃ高価な素材使ってます? あれ。
 ま、CPUなんて原価レベルで見れば数千円ですから、少々安く売っても大丈夫なんでしょうけど。そんなことで体力削ってどうするんでしょうね。世界のトップメーカーの意地が、すべてのレベルのCPUを支配しないと気が済まないのでしょうか?
 ミッドレンジ-ローエンドのペンティアム2は安くなるけど、ハイエンドのペンティアム2は高いまんまとかやりそうですよね。いくら速くなったとは言えK6が300MHzですから、無理にIntelは新製品を出す必要はないんですよね。なんだか、私たちって結局メーカの手のひらで弄ばれているだけなのでしょうか。

 本日の噂 「偽ペンティアムが横行しているらしい」


5月6日
晴れ。暑い。

 WhiteAlbumやってます?

 なかなか売れているようですね。実際にやってみて、非常に丁寧な作りをされていると思います。こんなところで書いてネタバレしたも全然楽しくないでしょうから、内容は一切書きません。
 私は、罪悪感に悩まされながらも解いてます。心苦しいんですが、なんだか、文体がきれいで、ある意味映画を見ているような雰囲気がありますね。いまいち感情移入がしきれない気がします。ライターさんが変わったせいもあるのでしょうが、痕/雫のようなはまり方はしませんでした。十分面白いんですけどね(いやいや、2日で5人解いていれば十分はまっているか...)

 AMD K6-2発売決定

 さて、本題に入りましょう。
 AMD社が先日まで「AMD K6 3D」と称していたCPUを正式に「AMD K6-2」と発表し、5月28日から順次出荷すると発表しました。また、同CPUの持つ新MMX命令群に対して、「3D Now!」と名づけたそうです。
 長い道程でした。NexGen社を買収し、K5からK6への移行をスムーズに成功させ、K6からK6-2へと道を進んでいきます。AMDベースだったK5は、命令実行効率は非常に高かったものの、高クロック化に耐えにくい複雑な構造だったため、NexGenベースのK6へと切り替えました(今でも、同クロックならK5の方が速いと思うのですが、どうでしょう) K6は0.35プロセスから始まり、歩留まりの悪さゆえAMDの赤字を大きくしていきます。今回0.25プロセスに切り替え、IBMという高度な技術を持った仲間を得て、再度巨人Intelへと逆襲です。IBMはIntelと提携していますから、IBMと提携するAMDはある程度Intelの技術を使えるようになります。そういった意味でもBigBlue(IBMのことね)との契約は大きいと思います。

 3D Now!

 以前、Intelは互換チップメーカーに対して「MMX」という名称を使うなという裁判を起こしたことがあります。結果的には和解し、MMX(TM)というように「登録商標だよん」という表示を設けることで事実上自由にMMX命令を使う権利を得たわけですが、今回はそれを嫌って、早々に手を打った形となります。もっとも、この呼び方が定着するかはわかりません。
 サイリックス、IDTなどのAMD 3D Now!互換追加MMX命令を使うメーカーは、おそらくこの名称を使ってくると思います。
 一時期は、各社バラバラに模索していたこのMMX命令ですが、Intelが時期ペンティアム2でMMX命令を追加しているという報道に焦りを感じたのか、その時点で最も形になっていたAMDを採用したという気配が濃厚です(サイリックスは50数命令を追加しようとしていた)

 何が3Dを速くするのか

 今回追加される20数命令は、すべてMMXの延長線上に成り立っているものです。そもそもMMXは何をしているものなのでしょうか。意外と基本動作を知らない方が多いと思います。
 MMXはCPUにDSPのような仕事をさせるためのもの、です。CPUは32ビットになり、大きなデータが扱えるようになりました。しかし、画像や音声などの分野では、意外と小さい数字を繰り返し処理することが多いのです。例えば、256色のデータは1ドット当たり1バイト(=8ビット)のデータ量ですみます。32ビットCPUでは、4バイトごと処理するので、非常に無駄が出ます。MMX命令は、一度に4ドット(=32ビット)のデータを処理します。すると、32ビットCPUでちょうどよく処理され、結果として4倍高速で動くわけです(かなりデフォルメしてますので、実はもっとビット数も大きいですハイ) これが、MMX命令群の基本です。小さいデータをより効率的に扱うというものです。
 3D Now!はこれらMMX命令が整数演算のみに特化していたのに対し、浮動小数点も同様に追加したものです。MMXは、浮動小数点レジスタを利用しているので整数演算しかできません。かつ、3Dを扱うときは、浮動小数点演算とレジスタを排他利用しなければならないため、かえって遅くなってしまう(50クロックほどかかるそうです)という弱点も持っていました。これを改良したのが、この3D Now!です。
 流行の3D演算は、浮動小数点を多用します。これらが高速化されれば、ジオメトリなどの演算能力が増し、結果として3Dの描写が高速化されるわけです。
 今までのMMX命令は、必要な部分をアセンブラでコーディングする必要がありました。ところが、3D Now!に関しては、マイクロソフト社のDirect3D側で対応するなど、ベンダーはあまり意識することなく利用が可能になっており、意外と簡単に普及するかもしれません。
 もちろん、高速性を生かしたい場合は、アセンブラでがりがりコーディングできるようです。

 「MMXがCPUにDSPのような仕事をさせる」とはDSPはもともとそういった仕事に特化した構造をしているからです。カーオーディオにDSPといえば、音場を変化させたり、エフェクトをかけたりさえたりする機能ですが、MMX付きのCPUより数段速く処理します。Mpact2というプログラミング可能なDSPを用いた複合型カード(モデムやVGA、3D、MPEG2のデコード!など)もあります。演算のみの勝負ではCPUはDSPにまったく太刀打ちできません。

 また、こういったMMX命令は、MMXペンティアムが最初かと思われがちですが、各種RISC系のCPUはそれ以前より同種の命令を装備していましたし、MMXペンティアムよりも高速にそれを処理できます。考え方としては、それほど新しいものではないので、Intelがすごいというわけではありません。しかし、Intelは次期ペンティアム2でこのMMX命令群を大幅に強化しMMX2としてリリースする予定です。どれほどのものとなるか興味津々です。
 先行リリースしたAMDが主導権を握るのか、本命のIntelが力でねじ伏せるのか。これからの覇権をかけた争いに注目しましょう。

 本日の独り言 「MPMAN買おうかな...」

 


5月5日
なんだかこころがほわいとあるばむ(謎)

 ドラマ While Love

 間違いEメールから始まるこのドラマ、皆さん見てます? いや、私は全然ドラマとか見ないんですけどこういう話題には首を突っ込みたがるんですよ、許して。
 しっかし、このドラマ、製作者側のInternetの認識が甘いのが浮き彫りになっているらしく、方々から苦情殺到(笑) いいじゃないの、普通のトレンディドラマとしてみれれば... なーんて甘くないんですよね。このドラマのオフィシャルサイトがあるんですが、ここの掲示板がぼろぼろ。荒らされまくってるらしいんですね。どこにでもそういうヤツはいますが、やってて楽しいんですかねぇ 内容が内容だけに襲撃に備えないスタッフ方もなんですが、せめてメッセージの中にタグは入れられないようにしておいたほうがいいんじゃないんですか? システム死にますよ > 掲示板の管理者さん
 うち? うちには掲示板がない? そーなのよ。うちのプロパイダはCGI禁止なのよーーっ

 DECはAlphaで行く

 ハイエンドUNIXサーバーで知られるDECですが、このほど最速最強のUNIXマシンを年内に発売するとリリースがありました。
 IntelにAlpha部門が買収されたかと思えば、企業ごとCOMPAQに買収されてしまう(まだしてないけどさ)など、なんだか、ごたごたの続くDECですが、起死回生の一発ですよ、これ。600MHz/700MHzクラスのAlphaを最大72コ搭載って、あんた、すごすぎよ。チップ1つで現状のペンティアム2 400MHzの倍以上叩くって言う化け物なのに、それが72コって、それ、今のハイエンドPCの144~288倍速いってこと? そんなね、モデムじゃないんだからさ。

 MPMAN発売

 MP3って知ってますか?
 AUDIO圧縮の規格の一つなんですが、最近これがちょっとしたブレーク状態。検索かければそこいら中で引っかかると思います。
 このMP3というもの、これは、MPEG1で普通に使われているもので、今までは特に意識するものではありませんでした。MP3はこの音声のみを圧縮したMPEGそのもので、高い圧縮率の割に高音質を維持できるということで、フリーのMP3プレイヤーが出回り始めたのは、去年かおととしぐらいだったと記憶しています。
 音声データといえばWAVEファイルが有名ですね。Windowsも標準でサポートしています。たとえばこれ、CDの音質を維持しながらファイルを作成した場合、1分のもので10MB弱にもなってしまいます。こんな大きなデータをおいそれと持ち運ぶのは困難です。5分の曲は50MB、Zipだと2曲しか保存できません。

 可逆と非可逆

 当然、人々は圧縮を考えるわけですね。WAVEなどの音は、LHAなどに代表されるハフマン/辞書系の圧縮は向きません。同じような音が続いているようでも異なる波形が重なり合い音を形成していますので、同じようなパターンを認識するのが困難だからです。仮に圧縮しても、まったく同じデータを展開(これを可逆(元に戻せる)圧縮といいます)としてから演奏しなくてはなりません。
 人には「気がついているようで気がついていない部分」が多分にあります。JPEGという画像フォーマットが有名ですが「隣接しているものは同じようなものが多い」という法則で、微妙に色情報などを書き換えて圧縮します。結果としてもともとあった絵とまったく同じには復元できないわけですが、圧縮しやすいように絵を書き換えているのでそのサイズは異常なほど小さくなります(JPEGも結果としてハスマン系圧縮を利用してます)
 MP3もJPEG同様に、人間から気がつきにくい部分を削ったりすることにより音を圧縮しています。基本的にはMDと同じようなものと思ってください。

 じゃあなんでブレークしているの?

 その圧縮率はおよそ1/10程です。大したことないですね。世の中にはこれを大きく上回る圧縮方法がいくつもあります(インターネットでラジオ中継したりしてますよね。これも高度な圧縮技術が使われています)

補足・一番高音質でも元の1/10になるという意味です。音質を犠牲にすれば、まだまだ圧縮することが可能です。

 MP3のアドバンテージは、ます音質にあります。他の圧縮方法が「音を犠牲にして」音飛びをなくしたり、サイズを小さくしているのに対して、MP3は(きれいに作ると)ほとんど音質の劣化は感じません(でも、ちゃんと聞くとわかる)
 続いて、作成に関してライセンスフリーであることが上げられます。通常ですと、そういったものを作成するに当たって「使用料」などを支払うものですが、MPEG/JPEGは基本的に無料で使用することができます。プレイヤーを作る人も曲を作る人も意識せず作れるわけですから、それだけ普及しやすいというわけですね。
 5分の曲が5MBであれば、Zipだと20曲も入ることになります。これなら、十分実用的ですよね。

 著作権に注意しよう

 先に「検索すれば引っかかる」と書いたのですが、あなたがCDやレコードなどを持っていないデータをダウンロードする場合は注意が必要です。著作権に守られた曲などは、家庭内の視聴に限って複製を認めていると思います(それでも、MDからMDへの孫コピは認めてない)
 正しく販売を認められた業者がnet上でダウンロードを認めている場合はともかく(そうやって、曲を販売しているサイトもあります)個人サイトなどから落とした場合は、必ずそのCDを48時間以内に購入するか、気に入らなければ、即刻破棄しましょう。
 あなたが摘発されても私は何もしてあげられませんので。
 (でも、モデムやINS64ぐらいの速度で4~5MBものデータ落とすのって苦痛だよね)

 MPMANというもの

 MPMANは、携帯型MP3プレイヤーです。
 今までMP3を聞くには、PCがないとどうしようもありませんでした。しかし、考えてみれば、メモリとMP3のデコーダーがあれば再生は可能です。こうしたところに目をつけたのが韓国のメーカーです。フラッシュメモリを搭載し、携帯型のAMラジオかMDのような品物を作り上げました。
 このMPMAN、MP3+WalkMANというネーミングがミエミエです。ソニーをぱくってますね。さすがは韓国とだけ言っておきましょう。
 PCについているパラレルポート(プリンタポート)に繋いで使用するそうで、まだあまり見かけることはありませんが、見かけたら要チェックです。ディスクを使っていないので、「絶対」に音飛びしませんし、シャッフルなどの演奏のシークも凶悪なほど高速です(当たり前だってば)

 波乱を呼びそうな逸品です。このMPMANが本当にブレイクすれば、国内のメーカーも黙ってはいません。著作権の問題がクリアされれば、一気に普及しそうな気配もあります。町の音楽屋の片隅に、PCを持っていない人用のダウンロードコーナーがあり、1曲数百円ぐらいで利用できる日もくるのでしょう。
 曲を聞いてみたいけどCD買うほどじゃ、という人。在庫を置くスペースが、という店。パッケージを作って流通させるコストが、というレコード会社。面白いと思いませんか?

 本日のキーワード 「AMD 3Dテクノロジは3DNow!に名称決定」

 


5月1日
今日は電車が空いてた。悔しい

 FreeHouseNETWORK公開

 いろいろ試行錯誤の上、比較的安定して着信できるようになってきたので、FreeHouseを公開することにしました。詳しくはこちらのページを見てください。まだ、作るだけ作ったという感じで、未整備な部分も多いです。でも、新しい人たちの風を感じながら、どんどん拡張していきたいと思います。
 アニメ/声優系、コンシューマ/PCゲーム系、PC全般、オーディオ系などに詳しい方もおられるので、そういったことに興味のある方は、ぜひどうぞ。
 (誰か書き込みしてくれー)

 みんな使ってるフリーソフト

 Apacheというフリーソフトをご存知ですか? 多分ほとんどの方がお世話になっていると思います。え、そんなソフトは使ったことないって。いえいえ、そう言われている方でも利用されているんですよ。このApacheは、WWWのサーバーソフトで、NCSAが開発したhttpdというものをベースにしたものです。IIS(MS InternetInfomationServer)などと同じような感じのものです。
 日本企業を対象にした調査では、実に4割近い数字をたたき出したそうで、文句なくトップシェアだそうです。フリーソフトには保証というものがないため、企業ベースで使うには少し抵抗があると思うのに、なぜ、こんなにシェアがあるのでしょう。
 インターネット(そもそもUNIXの世界)では、フリー精神が根底にあると思います。作ったプログラムを無償で配布し、ほかの技術者がそれを改良し、より良いものになっていくという考え方です。GNUという言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、これは、そういったプログラムの配布やマナーに関したルールみたいなものだと思っていただければいいと思います。

 フリーソフトの成り立ち

 国内のフリーソフトは、欧米で始まった「PDS」という概念から始まります。PDSはPublicDomainSoftwareの略で、著作権を放棄(というか、みんなで勝手にしてもいいよ)した、オンラインソフトのことを指します。日本では、著作権を放棄することができないので、「PDS」という呼称はおかしいという風潮が強まり、フリーソフト、フリーウェアなどという呼び名が流通します。これは「みんなに公開するけど作った権利は私にあります。許可なく勝手なことはしないでね」というようなニュアンスを含むソフトウェアです。
 NiftyServeやPC-VAN(現Biglobe)などでは、そういったソフトウェアの流通が盛んになり、パソコン通信の付加価値として、こういった「無料ソフトウェア#が着目され始めます。それと同時に、いろいろな問題も浮上し始めました。

 フリーソフトはいろいろな名目で作成されています。
 プログラム初心者の習作であったり、プロの片手間であるかもしれません。市販ソフトウェアのプロトタイプかもしれません。それがなんであれ、作者の好意で成り立っている非常に杞憂な分野だと思います。ボランティアですね。それなのに、時々こういう話を耳にします。
 「これこれ、このフリーソフト。なんか使いにくいし、ヘルプもない。なんかいまいちだよね。作者にメールで文句言ってやろ」
 こんな言葉を聞いて、あなたがその作者だったらどう思いますか?

補足・有志でヘルプやドキュメントを作っていらっしゃる方も多いみたいですね。なければ自ら作る。フリーソフトの精神に則ったすばらしい考えだと思います。

 フリーソフトの義務と権利

 フリーソフトは「著作権などの権利は作者が有するが、バグの修正などの義務は負いません」という暗黙のルールがあります。これを「ずるいの卑怯の」言う人が居るんですね。まったく持って不思議なことです。対価を支払うなり、契約を結べば別ですが、ダウンロードして「使いにくい、何とかしろ」は、他人の家を建てている大工さんに「俺の部屋も作れ」と言っているようなものです。
 そこまで言わないが...せめてヘルプはやさしく書かれるべきという人も多く見受けます。有名な「FD」や「HSB」は確かに良くできたヘルプが付属しています。でもこれは、「せっかく作ったのだし、いろんな人に使ってもらいたい」というこれらの作者の精神の現われであり、フリーソフトの作者全員が持っている考え方ではありません。
 面白いですね。フリーソフトですから、「気に入らなかったり、使えないソフトは使うな」が原則です。自身のスキルを棚に上げて、どうこう言うなんて間違っていると私は思うのですが、どうでしょう。

 シェアウェア

 Windowsが台頭してくると、徐々にシェアウェアというものが増えてきました。これは、「このソフトを使ってみて気に入ったら、幾ばくかのお金をください」というものです。「継続して利用しなければ、支払わなくていい」という暗黙のルールがここにもあります。
 なぜ、このころ急にシェアウェアが増えてきたのかというと、理由があります。作る側のお金が急にかかるようになってきたからです。WindowsはGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)であり、DOSのように文字ベースではありません。それに、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)が策定され、プログラマは高い書籍を購入したり、開発に必要なリソースの増強を余儀なくさせられてきたからです。
 まあ、ほかにも、メールウェア(気に入ったら、作者に絵葉書やEメールを送る)、ビールウェア(ビール券か、使用者のすむ場所で買える地ビールなどを送る)など面白いものもたくさんあるようです。

 シェアウェアはお金を払っているのだから、作者に文句を言う権利もあるのだろう、と考える人も居るみたいですね。シェアウェアの対価は、使用権に対して発生するのではなく、作者の苦労に対する寄付です。営利でやっている人も多いので、なんとも言えませんが、使用者にどのような権利が発生するのか、作者はどのような義務を負うのかは付属のドキュメントを良く読まないとダメです。

 市販ソフト

 市販ソフトにはいっぱい文句を言ってあげましょう。市販ソフトは「使用する権利を買う」ソフトです。文句があれば葉書に書くなり、ユーザーサポートへ電話しましょう。次のバージョンへ向けての参考とされるはずです。よいと思った機能には、心から賞賛の言葉を贈りましょう。これは、フリー/シェアウェアにもいえることですが、そういった言葉は開発の原動力です。

 日ごろお世話になってるソフトについて書いてみました。ここらへんは、暗黙の了解という見えないものがあって、そういった精神が出来上がるころからのユーザーでないと、往々にして誤解しがちです。だからといって、今日私が書いた内容がすべて正しいかといえばNOでしょう。これは私の見解であって、他人には他人の見解があります。そういったものを加味した上で、皆さんにはこれらすばらしいフリーソフトを使っていってほしいと思います。

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