<ちいさい秋>という表現は、非常に感性に富んだ秀逸なものと思われます。しかし、具体的には何なのだろう?これに似た表現として、【秋来ぬと 目には清かに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる】というのがあります。晩夏のちょっとしたことにも、秋を感じる、という歌人の繊細な心が感じられます。しかし、この詩には、秋真っ只中の気配があります。それと、二番の歌詞により、室内から屋外の秋を感じている雰囲気があります。以下推測:<病で臥せっている子供が、戸外から伺える自分だけが感じる秋の息吹>を<小さい秋>と詩人が表現した、と思います。All Photoes By Hosomichi
作詞:サトウ・ハチロー(C)(倶楽部曲目)
作曲:中田喜直(C)
MIDI制作:滝野細道
(一)
誰かさんが 誰かさんが
誰かさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
めかくし鬼さん 手のなる方へ
澄ましたお耳に かすかにしみた
呼んでる口笛 もずの声
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
(二)
誰かさんが 誰かさんが
誰かさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
お部屋は北向き くもりのガラス
うつろな目の色 とかしたミルク
わずかなすきから 秋の風
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
(三)
誰かさんが 誰かさんが
誰かさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
昔の昔の 風見の鳥の
ぼやけたとさかに はぜの葉ひとつ
はぜの葉あかくて 入日色
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた
2006/SEP/01 開設曲
「小さい秋見つけた」解釈
【サトウ・ハチロー】当倶楽部の作詞 | |||
曲 名 | 作 曲 | 歌 手 | 歌 い 出 し |
ああそれなのに | 古賀政男 | 美ち奴 | 空にゃ今日もアドバルーンさぞかし |
秋の子 | 末広恭雄 | - | すすきの中の子 一二の三人 |
いとしあの星 | 服部良一 | 渡辺はま子 | 馬車が行く行く夕風に青い柳に |
うちの女房にゃ髭がある | 古賀政男 | 杉狂児・美ち奴 | 何か云おうと思っても女房にゃ何だか |
うれしいひな祭り | 河村光陽 | - | 灯りを点けましょぼんぼりにお花を |
お月さんと坊や | 中田喜直 | B.ジャックス | ついたちお月さんぞうさんのおめめ |
かわいいかくれんぼ | 中田喜直 | - | ヒヨコがねお庭でぴょこぴょこかくれ |
黒いパイプ | 服部良一 | 近江敏・二葉あ | 君にもらったこのパイプ昼の休みに |
小雨の丘 | 服部良一 | 小夜福子 | 雨が静かに降る日暮れの町外れ |
シャベルでホイ | 中田喜直 | - | シャベルでホイせっせこホイもぐらの |
ちいさい秋みつけた | 中田喜直 | - | 誰かさんが誰かさんが誰かさんが |
長崎の鐘 | 古関裕而 | 藤山一郎 | こよなく晴れた青空を悲しと思う切な |
二人は若い | 古賀政男 | ディック・ミネ | 貴方と呼べば貴方と答える山の谺の |
古き花園 | 早乙女光 | 二葉あき子 | 古き花園には想い出の数々よ白き |
めんこい仔馬 | 仁木他喜雄 | - | ぬれた仔馬のたてがみをなでりゃ |
目ン無い千鳥 | 古賀政男 | 霧島/松原 | 目ン無い千鳥の高島田見えぬ鏡に |
もしも月給が上ったら | 北村 輝 | 林伊/新橋み | もしも月給が上ったらわたしはパラソル |
もずが枯木で | 徳富 繁 | - | 百舌が枯木に鳴いている俺らは藁を |
夕方のお母さん | 中田喜直 | - | カナカナぜみが遠くでないたひよこの |
夢淡き東京 | 古関裕而 | 藤山一郎 | 柳青める日つばめが銀座に飛ぶ日 |
リンゴの唄 | 万城目正 | 並木路子 | 赤いりんごに唇寄せて黙ってみてい |
麗人の唄 | 堀内敬三 | 河原喜久恵 | ぬれた瞳とささやきについだまされた |
わらいかわせみに・・・ | 中田喜直 | - | たぬきのねたぬきのね坊やがね |