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千歳忍の独り言

なんでも解説!

2000年 11月

1999年 < 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 > 2001年

 

もくじ

11月15日・・・・・Itanium用コンパイラ登場
11月25日・・・・・クルーソー(前編)
11月26日・・・・・クルーソー(後編)


11月26日
買い物

 先日物欲に負けてオリンパスのCamedia C-3000ZOOMを買ってしまったのです。3030と悩んだんですが、連写性能ぐらいしか変わらないといわれて5000円の金額の差に負けて買ってしまったわけです(実際には3030の方がスマートメディア書き込みも速いように感じた)ところが、昨日のニュース見てたら、更にレンズが明るい(F1.8)3040ZOOMが出るらしいじゃないですか。ああ。何か悔しいです。いや、PC業界。常日ごろからそう思ってはいるのです。分かってはいるのですが、やっぱり悔しいです。

日本でしか受けないクルーソー

 昨日からの続きです。
 実はこのクルーソーですが、こんなに盛り上がっているのは日本だけらしいです。海外では、ノートと言えどサイズも大きく熱許容量も(ミニノートに比べて)余裕をもって設計できるものが多い為だと思います。
 日本ではいわゆるB5サブノートが出なくなて久しいですよね。SONYの505シリーズもなんだか厚くなってしまいましたし。
 CPUのクロックがどんどん上がり、熱を出すようになると、それを逃がすための機構や余裕づくりが必要になり、結果としてPCが大型化してしまいます。CPUを高く売るためには、どうしても高クロック化が避けられませんし、
 またPCメーカーも新モデルを出す際、旧モデルとの差をはっきりと出しやすいのがクロックになります。そういった事もあって、薄型ミニノートというのは設計が困難になってしまっています。そこに飛びついたのが日本の各メーカーというわけです。ソニー、日立、NECなど。計画中を含めればかなりのメーカーになるでしょう。

 IBMの離反

 ところが、そんな中、IBMがクルーソーの採用を中止しました。これにより、一部で大騒ぎにもなったのです。IBMの言い分では「思ったより駆動時間が伸びなかった」のだそうです。6セルのバッテリーで8時間を目標に作ったが、どうやっても6時間しか駆動しなかった。これであれば意味がないので、クルーソーの採用は(とりあえず)中止するとのことでした。
 しかし、これは正しいのでしょうか?
 個人的な見解では、IBMはIntelとの関係を大事にしたかったのだと思います。Intelの超低電圧モバイルPentium3で同じマシンを駆動させても、やはり6時間しか持たなかったのだそうですから、バッテリーが持たないのはCPUではなく、トータルバランスだと思います。
 また、クルーソーは、いわゆるインテルリファレンスな設計ではありませんから、非常に高度な技術力がいるのだそうです。また、メモリコントローラなどの設計がワイドマージンなIntelのものに比べ、シビアで、コードモーフィングソフトウェアのリビジョンによっては動かない、メモリのメーカーを変えると動かないなど、様々な問題点も指摘されています。
 逆に考えれば、マザーボードのBIOS同様最新版のものと差し替えるだけで安定したり、速度が向上する可能性が高いわけです。トランスメタは、おおよそ8ヶ月毎にバージョンアップする計画を立てており、これによりクルーソーの力を120%引き出していく考えです。
 今や、シリコンバレーで一番の社員増加率を誇るトランスメタ。今後に期待です。

本日のキーワード 「Pentium 4 SSE2使わないと遅い石」字余り。


11月25日
近所の銀杏も色づきました

 メモリの暴落がすごいですね。半年~1年前の高騰したときから見たら、半額~1/3ですよ。あの時買わなきゃ良かったと思ってる人も多いでしょうね。
 雨が降ったら急騰する野菜のように、底値安定なんて構えていられないのも事実。秋葉原ではまとめ買いしていく人も多いのだとか。この調子で行くと標準で256MB。DIMMストットさえ空いて安定すれば1GBなんていう夢の世界にも突入できそうですね。
 こ、これならWindowsフォルダ丸ごとコピーしてRAMディスク運用とか出来そうな感じもします。Windows3.1の頃はよくやったような気もするのですが、95/98ではどうなんでしょうね? 起動時にチェック入れられて弾かれそうな気がします。
(なんて書いてたら、今週はメモリ急反発だそうです。あらららら)

クルーソーは大海を渡る

 トランスメタ。ここまで有名になるとは思いもしなかったですね。何しろ、一般誌のトレンドランキングで堂々の1ケタ台を達成してるんですから。パソコン誌じゃないんですよ。驚いちゃいますね。
 え? トランスメタといわれてもピンとこない? だったらば、「VAIO C1に採用された小電力CPUクルーソー」と言えば、「ああ、なるほどね」と大体の方が思っていただけると思います。
 クルーソーには用途別に2種類がラインナップされており、PDAなどを主目的としたTMS3120(333MHz~400MHz)とノートPCなどをターゲットとしたTM5400(500MHz~700MHz)に分れます。基本的な骨格は同じものの、キャッシュの容量や、駆動周波数が異なります。
 特徴といえばVLIW(Very Long Instruction Word)と呼ばれるアーキテクチャとコードモーフィングによるx86エミュレーションでしょう。
 VLIWに関しては何度か書いた記憶があるので詳しくは割愛します。CPU側ではなくコンパイル時にスケジューリングを行う事によって命令の並列度をあげる手法を取ります。複雑な予測分岐や制御を行わなくてよいので、構造がシンプルになり結果として小電力に向いていると言われています。
 コードモーフィングは、簡単に行ってしまうとx86エミュレータです。自動的にx86命令をVLIW命令に変換するので、一般的なx86プログラムが動くわけです。
 古くからx86をエミュレーションするソフトはいくつかあったものの、満足なパフォーマンスで動くものは、旧DECのFX!32ぐらいしか知りません。クルーソーでは、ROMに格納されたコードモーフィングソフトウェアをメモリに展開します。その際、通常のx86アプリケーション(OS含む)からもアクセスできないようにするのです。
 確保した領域の残りは、いったん変換したVLIW命令を格納し、キャッシュとして使用します。ですから、起動直後は動作の遅いマシンも、ある程度の動作を行うと快適になってくるという特性があります。
 ですから、起動直後にベンチマークテストとか、そういう尺度でのパフォーマンスを語るのはナンセンスです。QUAKE3の動作が遅いからこのCPUは駄目だ、なんていうのも、何かが間違っているように思います。
 また、最大のセールスポイントである省電力はLongRunと呼ばれる技術が使われており、266MHz~最大クロックまでをスムーズに、CPU利用率などを判断しつつ動作周波数やコア電圧を変更しながら消費電力を抑える設計になっています。これは、IntelのSpeedStepと似ているように思いますが、クルーソーの方がよりきめ細かく制御できるようになっています。
 また、クルーソーはPCIバスコントローラやメモリコントローラなどのいわゆるノースブリッジに相当する機能も内蔵しているため、チップ点数を減らすことに貢献しており、結果としてさらなる省電力を実現しているといっていいでしょう。

続く

本日の一言 「ルーター設定は必ずトラブル。しかし何も設定を変えていないのにリブートすると嘘のようにOKがでる法則。をまたも体感」


11月15日
ホームページスペースを換えました


 え~、また丸一月以上サボってしまいました


 最近めっきり寒くなってきましたね。冬が近づいてきている感じです。もっとも、北海道では自然雪のスキー場がオープンしたそうですし、沖縄では、まだ温かい日は半袖でもOKと聞いています。いやはや、日本列島は長い。
 もうすぐ20世紀も終わり、というわけではないのですが、せっかく当Webページも7万ヒットを越えて、トップページもリニューアルしたことだし、やっぱりcgi(というよりもPerl)使いたい! ということでプロバイダを変えてしまいました。


 もともとアクセス解析系のスクリプトを組んでた事もあってPerl自体は「多少は書ける」んですよ。標準入出力を必要とするアプリを作るときなんかも、ちょいちょいって作ったりしてたんで難しさや抵抗感というものはなかったのですが、今まで全然Webページには利用していませんでした。
 なんでかって? それは無料でcgiまで使えるところが最近ないからなんです。一時期は、雨後のタケノコのように乱立したんですけど、そういうページを見に行くと「新規受け付け停止中」なんて感じでダメダメの嵐。
 掲示板やアクセスカウンタは無料で借りられるところも多いので、それならいいや、なんてあきらめてたんです。でも、仕事でちょっとそれっぽいことをやらなくちゃいけない状況もあり、めし後ゆっくりしているところにで「cgiの使えるところ借りちゃった」なんて言われたら、もう物欲万歳ですよね。そんな経緯もあってbig-netを借りてしまったわけです。
 そんなわけでこれから下らないcgi組みとかしますので、これからもお付き合いをお願いします。
 今回、TOPページのデザインはmiuさんに作っていただきました。ありがとうございます。ホームページスペースを換えました

 Itanium用コンパイラ登場

 intelがようやくItanium用のC++およびFortranコンパイラを発表しました。
 今回発表したのは「C++ Compiler for Windows 5」と「Fortran Compiler for Windows 5」共にIntelの新CPUであるPentium 4とItaniumに対応するものです。
 Pentium 4は、32ビット(IA-32)の最新版。既に秋葉原などではエンジニアリングサンプルのみならず、製品版と思われるものまで入手できるようですが、実際の製品発表はまだですね。20ステージに及ぶ長いパイプラインが特徴で、高クロック化に適した構造をしています。
 Itaniumは従来のCPUがCISCやRISCといったアーキテクチャであったのに対し、VLIWを採用した64ビット(IA-64)が特徴です。もう少し早くリリースされるはずだと思ったのですが、意外と手間取りましたね。
 今回のコンパイラはどちらかと言えば、このItanium対応が大きなポイントです。従来のCPUは、命令語の固定長不定長はあったものの、基本的にCPU内部でスケジュールを行い命令をどれだけ効率良く実行するか、それを念頭に設計されてきました。しかし、より細かく判断し、予想をしたり判断を繰り返せばそれだけCPUの命令を実行するためのオーバーヘッドも無視できません。これは、パイプラインを深くすることで見かけ上の速度を落とすことなく実行することができますが、その分トランジスタの数を多くする事になり発熱や、コストの面で不利になってしまう訳です。
 そこで新たに採用されたのがVLIWという方式。予めコンパイル時に必要な命令のスケジューリングを行っておき、CPUは最低限の判断のみで高速に命令を実行していくという考え方なのです。最近では、トランスメタ社のクルーソーというCPUもこの方式です(ちなみにクルーソーそのものはx86互換CPUじゃありません。コードモーフィングがx86命令を解釈して実行できるだけです。x86系のハードウェアもエミュレートしているみたいですね。これについては後日(^^))
 VLIWそのものは意外と古くから考えられていたものらしいのですが、つい最近までメジャーになったものはほとんどありません。DSPや特定用途向けCPUなどではよく使われていると思うのですが、Itaniumのような汎用CPUでは前例がないはずです。
 コンパイラの性能でCPUの動作速度も大きく影響を受けるんですよ。ソフトって恐いですね~

 本日の一言「音質劣化のないコーデックPerfect Clarity Audio登場」


当ページは「千歳忍」の独り言です。
極力真実に基づいて記述するようにしていますが、当方の思い違いや表記の方法によって一般的な解釈と異なる場合が有ります。意見や訂正の要請は大歓迎です。また、書いてほしいネタも募集しています。その場合はこちらまでどうぞ。

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