「青い眼の人形」は大正12年、野口雨情によって作詞されましたが、<セルロイド>という歌詞があるところから、キューピー人形から想を得たと思われます。これに本居長世が作曲して国内で大流行し、アメリカ公演でも歌詞と相俟って、“Blue Eyed Doll”と呼ばれ、大盛況だったようです。しかし、青い眼の人形のイメージは何かしらフランス人形的なものが想起されます。これはこの曲の5年後の昭和2年、アメリカから親善使節としてパスポートや切符付きで送られてきた、12,000体ものビスクドール(ジュモーなど)人形などのイメージでしょう。即ち、この曲とこの寄贈された人形には直接の関係はありませんが、贈られて来た人形たちが<青い目の人形>と呼ばれたのは、間違いなくこの曲の影響でしょうし、戦後、この戦争を乗り越えてきた青い目の人形が発見される度に、新聞報道され、青い目の人形=フランス人形のイメージが定着したものと思われます。こういう心温まる民間の交流も、イケイケドンドンの人たちによって、わずか10年ほどで、日米は犬猿の仲となるのです。English
大正10年(1921年)12月 JASRAC NO.000-0270-4
青い眼の人形
作詞:野口雨情(PD)(倶楽部内曲目)
作曲:本居長世(PD)
歌唱:河村順子・他
MIDI制作:滝野細道
青い眼をしたお人形は
アメリカ生まれのセルロイド
日本の港に着いたとき
一杯涙を浮かべてた
私は言葉が分からない
迷子になったら何としょう
優しい日本の嬢ちゃんよ
仲良く遊んでやっとくれ
仲良く遊んでやっとくれ
「野口雨情の世界」
青い眼の人形 2
2006/SEP/01 開設曲
野口雨情の当倶楽部のアップ曲
【野口雨情】当倶楽部の作詞 | |||
曲 名 | 作 曲 | 歌 手 | 歌 い 出 し |
青い眼の人形 | 本居長世 | 本多信子 | 青い目をしたお人形アメリカ生まれ |
赤い靴 | 本居長世 | - | 赤い靴はいてた女の子異人さんに |
あの町この町 | 中山晋平 | 平井英子 | あの町この町日が暮れる日が |
雨降りお月さん | 中山晋平 | 佐藤千夜子 | 雨降りお月さん雲の陰お嫁に行く |
うぐいすの夢 | 中山晋平 | 佐藤千夜子 | うめの小枝でうめの小枝でうぐいす |
兎のダンス | 中山晋平 | - | そそらそらそら兎のダンス タラッタ |
おてんとさんの唄 | 本居長世 | - | 赤い花咲いたいい花咲いたてれ |
おぼろお月さん | 藤井清水 | - | おぼろお月さん年ァいくつ十と六つ |
小石 | 本居長世 | - | 向こふ横丁で小石をひろたひろた |
こがねむし | 中山晋平 | - | こがねむしは金持ちだ金倉建てた |
木の葉のお舟 | 中山晋平 | - | かえる燕は木の葉のお舟ネ波に |
信田の藪 | 藤井清水 | - | お背戸のお背戸の赤とんぼ狐の |
しゃぼん玉 | 中山晋平 | - | しゃぼん玉飛んだ屋根まで飛んだ |
証城寺の狸ばやし | 中山晋平 | - | しょっしょっ証城寺証城寺の庭は |
十五夜お月さん | 本居長世 | - | 十五夜お月さんご機嫌さんばあや |
旅人の唄 | 中山晋平 | - | 山は高いし野はただ廣し一人とぼ |
七つの子 | 本居長世 | 本多信子 | からすなぜ鳴くのからすは山に |
にわとりさん | 本居長世 | - | ひょっこかかさん母鶏さん鳥屋に |
ねむの花 | 宮原禎次 | - | ねむれねむれねむの花ねむれ |
波浮の港 | 中山晋平 | 藤原義江 | 磯の鵜の鳥ャ日暮れにゃ帰る波浮 |
春の唄 | 草川 信 | - | 桜の花の咲く頃はうららうららと春 |
星 | 弘田龍太郎 | - | お星の数はかぞへてみたが片手に |
三日月さん | 本居長世 | - | やまの上の三ヶ月さんは細いこと |
四丁目の犬 | 本居長世 | - | 一丁目の子ども駈けかけかえれ |