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千歳忍の独り言

なんでも解説!

2003年 5月

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もくじ

5月12日・・・・・OpteronとPalm6



5月12日
 書いてたのにUP忘れてたよ


 ようやく出荷!

 AMDよりOpteronが正式に発表になりました。64bitモードを持ち、32bitモードでも十分に高速な第8世代CPUに、業界は興味津々といった感じです。
 しかも、予想より安い価格です。頑張れば、自作も可能ですね。マザーボードが7~8万円、CPUが最も廉価な240で34,000円程度でしょうか。
 評価用にどうぞ、と言ってる感じがします。

 自作派からはなじみの深いメーカーからもマザーボードが続々発表されています。AthlonMPにおけるDUALマザーの少なさが嘘のようです。そこからも、Opteronへの期待の高さが伺えますね。

 低クロックなOpteron

 当初は、2001年末とも2002年末とも言われていたOpteron(Hammer)でしたが、ここに来てようやくのリリースです。しかも、予定よりクロックを下回っていますから、製造に苦しんでいることが容易に想像できます。
 製造していく中でクリティカルパスをつぶし、シュリンクしていくことで徐々にではありますが、クロックは向上していくでしょう。
 また、AMDは先日IBMとの提携を結びました。IBMは半導体製造の分野において世界最高レベルです。SOI(シリコン・オン・インシュレータ)や、Low-K(低誘電率絶縁体)は他の追随を許さぬと言ったことなので、低消費電力化、高クロック化へ役立ってくれることでしょう。実際の製品は65/45ナノプロセスからということですので、次々世代となりますが、それに向けての取り組みは、Opteronのステッピングアップへと繋がっていくのではないでしょうか。

 基本構造

 大雑把に言ってしまうと、64bit化されたAthlonに、メモリコントローラとHyperTransportコントローラをくっつけたのがOpteronということになります。
 CPU内部にメモリコントローラを内蔵した点が高速化に大きく寄与しています。従来ノースブリッジ(MCH)で行っていた部分ですが、どうしてもCPUから見て外部に存在するために速度を上げることができませんでした。
 CPU自体は、3年で2倍程度の速度向上が維持されているのですが、メモリの方は6~8年で2倍という速度。CPUが80286~i386の頃まではCPUクロック=メモリクロックだったんです。10MHzとか、20MHzとか。i486が登場すると、クロックダブラーが登場して、バススピード(FSB)は33MHz、CPUの内部は2倍で66MHz、3倍で100MHzというようになり、最近ではFSB533MHzに対して、CPU3.06GHzですから、5.75倍。少し前では、FSB100MHzでCPU1GHzと、10倍まで開いたこともありました。
 メモリは、読み出しを要求してから実際にデータが出力されてくるまでにラグ(レイテンシ)があり、7クロック、バースト転送が終わるまでに、十数クロックかかる計算になります。その間、CPUはデータが来るのを待つことになり、無駄に数百クロックを過ごすことになります。
 Opteronはこのメモリコントロールを自身で行うことにより、無駄なレイテンシを隠蔽し、高速に動作することができるようになっています。

 また、マルチプロセッサ構成の場合、Opteronは、個々のCPUに対してメモリを接続します。自分が管理しないメモリへのアクセスは、Point to PointのHyperTransportを経由して取得します。共有バス方式ではないので、プロセッサ数が増えてきた場合にバスがボトルネックになりにくく、リニアに性能を伸ばして行きやすいという特性を持っています。

 このメモリ性能の高さは、サーバー用途では大きな意味を持ちます。
 高負荷時でも安定して処理を続ける事はとても大切なことです。

 ベンチマークを掛けると非常に興味深い結果が出ます。実クロックはまだまだ低いので、傾向がより顕著に出るためです。
 FPU(浮動小数点演算)は非常に優秀。
 MMX/SSE/SSE2などマルチメディア系は、それほど高くない。
 単純な命令はそれほど早くない(クロックに依存してしまうため)
 メモリを酷使するものは異常に速い。
 以上が簡単な傾向です。

 64bit化について

 32bitの限界は4GB(2の32乗=4294967296)なんですが、コレを超えて必要なモノって何でしょうね?
 HDDなどの記憶装置は、既にアドレッシングなどを工夫して4GB以上を扱えるようになっています。
 ファイルサイズ。2GBを超えたファイルのコピーでエクスプローラーがマイナス表記の時間を出したりするお茶目な不都合はありますが、NTFSなど、FAT系以外のファイルシステムであればこれも対応済みです。
 メモリ。現状では、1アプリケーションにつき最大2GB、OSが1GBを管理しています(うろ覚え)よって、1アプリケーションで2GB以上のメモリ空間を必要とする場合、現状の32bitOSでは足りないと考えられます。
 もっとも、セグメント/オフセット方式でもいいわけですし、急に64bit化でなくてもねぇ。という気がします。
 データベースサーバーで、ン千万ものレコードを扱うなど、特殊な用途でないとリニアに64Bitの恩恵を受ける部分は少なそうです。逆に、そういう分野では、64ビットを必要とし始めていると思います。
 もちろん、自然に64bitが使えればパフォーマンスアップに寄与しますし、自然だと思うんですが、これが普及するかどうかは、Opteronの双肩に掛かっていると言っては過言でしょうか?

 買うか?

 ちょっと人柱以外で手を出すのは厳しいですね。
 夏には、L2キャッシュを制限したAthlon64が出てきます。恐らくステッピングも上がりクロック数が上がってきますから、大幅な性能向上が見込めます。
 シングルでも速いと思いますが、真価は、やはりデュアル以上でしょう。MPEGのエンコードや、キャプチャしながらの作業など、バスやメモリに負荷をかけるような使い方をしている人には向いていると思います。
 Athlon64は、Opteronとは異なり、モデルナンバーを採用してくるでしょう。実際買うとなると、4000+程度のものでデュアル仕様で組みたいところですね。そのころにはマザーもこなれて、比較的安定してくれることを祈るばかりです。

 Palm6

 PDAで有名なPalm。常にポケットに入れておき、必要な時にさっと取り出し、瞬時に電源ON!という使い方がとても似合う、一番手帳に近い電子手帳だと思います。
 ところが、最近のPDAブームで、やっぱり音楽が聴けないと、大画面でないと、動画も、ネットワークも、と欲張りになってきて、初期の思想から離れたモノになってきました。
 AppleがMC68000系からPowerPCへ大変革を行ったように、PalmもOSとして転換期に来ているようです。

 来年には、待望のPlamOS6がリリースされそうです。
 現行のPalmOS5は、PalmOS4の機能をDragonBall(68030系)CPUから、ARM系のCPUで動くように移植されたモノです。ARMネイティブで動くOSの上にDragonBall用のエミュレータを載せて、ソフトウェアを稼働させていると考えるといいでしょう。
 ですので、OS5はとして非常に中途半端です。互換性を最大限に考えているためでしょう。
 OS6からはGraffiti(文字入力)が取り外せたり、セキュリティが強化されていたしますが、そんなことはどうでもいいです。OS6に望むべき事は、もっとも基本的なマルチタスクの提供、メモリ管理の強化です。
 現行のOS5は、いわばMS-DOSのようなシングルタスクであり、アプリケーションはOSのサブルーチンのように呼び出されるものでした。一つのアプリがエラーを出すと、OSまで含めてクラッシュしてしまいます。 
 OS6では、お互いに独立したメモリ空間を持ち、干渉できないものを提供して欲しいです。その際、各アプリのメモリ空間は1GB程度あってもいいのかもしれません。実装は128MB程度欲しいですね。OS5以前ようのアプリは、OS5互換メモリ空間で実行。丁度、Windows95のWindows3.1プログラムを動かしている感じといえば分かりやすいでしょうか?

 とまあ、Palmの大改造がうまく行けば、高速なCPUを武器に、ますます躍進していけるのではないかと思います。
 つか、最近出たTungstenや、SonyのCLIE以外元気ないぞ~

 本日のキーワード 「今頃FFXやってます」



当ページは「千歳忍」の独り言です。
極力真実に基づいて記述するようにしていますが、当方の思い違いや表記の方法によって一般的な解釈と異なる場合が有ります。意見や訂正の要請は大歓迎です。また、書いてほしいネタも募集しています。その場合はこちらまでどうぞ。

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