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千歳忍の独り言

なんでも解説!

1999年 7月

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もくじ

7月1日・・・・・文章を書いてみよう その4
7月5日・・・・・Athron(AMD K7)発売記念


7月5日
昨日食ったエビチリは旨かった

 Athlonの話

 ここの所、文章系のお話しばっかりだったので、興味のない方には、ちょっとつまらなかったかもしれませんね。ここらへんは、そのうち、まとめなおして、別のページにしていきたいと思いますので、どうぞ、ご了承ください。
 先日、読者の方からメールをいただきました。
 「AMDのAthlon(K7)はどうなの? CPUだけではなくて、チップセットなども含めて教えて」と言うことなので、久しぶりにコンピューター系のお話をしたいと思います。
 K7が正式に発表されたのは98年の10月14日頃だったと思います。噂はいろいろ出ていましたが、あからさまにその仕様を見ていると、驚きの連続だったのを覚えています。その当時、発売は99年の上半期と言っていましたから、遅れることがもはや常となっているこの業界で、予想通りの出荷を行えるAMDの姿勢には、脱帽してしまいます。
 と、いいながら、Athlonは、かなり早い時期に完成していたものと思われます。エンジニアリングサンプルも素直に出ていましたし、ベンチ結果や、噂も絶えなかったからです。出そうと思えば、今年の3~4月ぐらいから出荷できたのかもしれません。
 なぜ、AMDが遅らせたかといえば、K6-3の遅れが原因だと思います。相変わらず利益率の悪いAMDは、ハイエンドであるAthlonを出荷した後にK6-3を出していたのでは、折角のチャンスを失ってしまいます。
 比較的高価で扱われる内にK6-3で利益をあげ、その後Athlonを出荷する。IntelもPentium3で苦戦していましたから、Athlonを早々に出す必要を感じなかったのかもしれません。

 基本的な構成

 Athlonは9命令同時発行のスーパースカラ・マイクロプロセッサです。整数演算に6つ、浮動小数点に3つと配分されていて、特筆すべきは、そのすべての組み合わせによっても、すべての命令をデコードできる点にあります。どういうことかというと、従来のCPUの多くは、1本は、すべての命令をデコードできますが、残りは、比較的簡単な命令や、利用される頻度の高いもののみをデコードできるようになっており、組み合わせによっては、パイプラインを効率よく動作することができなかったのです。
 命令発行数そのものもPentium3などよりも多いですから、Athlonは「遅いわけがない」CPUと考えられるのです。
 CPUは旧DECのAlphaEV6互換のバスプロトコルを採用し、その速度は、200MHzとパーソナルユースでも度肝を抜く存在です。これは、100MHzのクロックの立ち上がり、立ち下がりを利用しているもので、IDE(ATA)のDMA/33などと同じ方式です。
 このEV6ですが、ピンアサインなどは互換性があるものの、低消費電力のため、電圧が違うため、なんとかしてAplhaを刺しても動かないそうです(下駄作ろうかと思ったのに)。ああ、残念(笑)
 当初、0.25ミクロンプロセスで製造され、その際のダイサイズは184m2ですから、スタート当初はなかなか値段の張る物となるでしょう。(それでも、予想したよりは安かったですね。今週の秋葉ホットラインでは、ソフトクリエイトFM館では、500MHzが44800、550MHzが69800、600MHzが89800だそうです(全て予価、単位、円))
 もう一つ、すばらしいことは、互換プロセッサが、初めてIntelのよりも駆動周波数で優位に立つことです。Pentium3が現在550MHzですから(600MHzも噂は聞きますが)600MHzのAthlonは、間違いなく最強のCPUとなるでしょう。
 あるベンチマークを取ったところ、(同クロックのPentium3と対比して)整数演算系で1.2~1.3倍、浮動小数点演算で1.3~1.5倍の差があったそうです。
 ゲームユーザーには、この浮動小数点演算の速度は、魅力的ですね(^^)

 DirectX7(8?)からハードウェアデコードがサポートされるので、あんまり関係なくなるのかも(^^;)

 チップセットは?

 Athlon対応のマザーボードやチップセットの話はあまり話題にのぼりませんね。
実際のところ、サンプル品は6月の頭には完成していたようです。チップセットはAMD751(実際にはVIAのOEMと思われる)ようです。BIOSは、Phenix(AWARD)、AMIの各社とも作成するようなので、今後さまざまなマザーが登場する可能性が高いと思います。今のところ、マイクロスターのマザーなど数種が確認されているようですね。今月中には、秋葉原などにお目見えすることとも居ます。
 ところで、実際のチップセットの出来ですが、どうでしょう。
 互換チップセット(正確には、チップセットとしてはIntelは後発組です)メーカーは、常にIntelにおくれをとってきた形となります(一部機能、DMA/66などを除く)メモリアクセスでは、ようやくIntelに追いついたというのが正しいでしょう。(MVP3は、それでも430TXより若干遅い)AGPの相性なども、だいぶ少なくなったとはいえ、まだまだ無視できないのかもしれません。
 バスプロトコルを設計し、PCIなどの規格に参画し、AGPなどは策定まで行っています。やはり、Intelには追いつけないというのが現状でしょう。(ここら辺は、古いコラムに書いていますね)
 ただし、土俵の違うP6系とEV6系では、事情が異なります。100MHz対200MHz、メモリも種類が違ってきますし、潜在的なアドバンテージでは、Athlonに軍配が上がると考えられます。それに、ハイエンドを狙うAMDは、旧DECなどのチップセットのノウハウを吸収することができれば、大逆転の可能性もあるかもしれません。
 IntelのハイエンドはMersedへ行こうとしています。実際には第2世代のMersedまで立ち上がりはゆるやかだと思いますので、AMDに許された時間は、2年ほどでしょうか? この間に、ある程度の地位にいないとIntelに再び食われることとなるハズです。赤字ですし、正念場ですね。

 総論

 思った以上に安価な値段で登場したAthlon。しかし、CPUだけではなく、メモリ、マザーボードの買い替えも必須です。単純に計算しても、10万円以上の出費を覚悟しなければなりません。
 また、メモリ回りは、今までにない速度です。相性問題も、非常に出てくるでしょう。一部新しいもの好きの人柱組みは別として、初物に手を出さないのが得策です。値段がこなれるまで待ってからでも遅くはないのではないでしょうか。雑誌でも大がかりな特集を組んでくるはずです。予備知識をたくわえてからでも遅くはないのでは? と思います。
 千歳の個人的には、買いです。秋口ぐらいには、1台欲しいですね。もちろん、600MHzです(笑)

 本日の一言 「世界の滅亡まであと(笑)日」

 


7月1日
久々に晴れ間を見た気がしました

 文末のあれこれ

 1行の文章を締めくくる場合、大きく分けで、2通りの種類があります。「だ・である」調と、「です・ます」調です。
 普段なにげなく使っていると思いますが、一般には、だであるの方がきつく、ですますの方が優しいとされています。また、前者のほうが男性的で、後者は女性的だとか、まー、いろいろな説もあるようなんですね。
 活字になっている文章の多くは「だである」調です。一部で「ですます」も見かけますが、女流作家さんに多いように感じます。女性誌や、子供向け雑誌もこちら側でしょうか。そう考えてみると、最近では増えている書き方の一つなのかもしれません。

 千歳的には、「だである」調のほうが文章としては書きやすいです。特に、コラムではなく小説やなどの、スケールの大きなものになるとその傾向が顕著です。それはなぜなのでしょうか。思うに、語尾の変化がつけやすいというのがあると思います。ちょっと例を出すと膨大になってしまいますので割愛しますが、ですます調で書いていると、途中で同じような語が重複してしまって、単語を選ぶのに苦労してしまいます。

 よく、この2種類を混用してしまう作文などを見かけますが、大概の場合、「ですます」から始まって、途中から「だである」に変わるというパターンが多いのではないでしょか。心理的にも、強く言いたい場面などでは断言系である「だである」を使いたくなってしまいますし、私と同じように、「ですます」が面倒になってきて、無意識に掛切り替えているのかもしれませんね。

 もう一つ、言葉のニュアンスとして、です。ます。で終わる文は、どうも「教えられている」というような匂いがします。直接的にそういうのではないのですが、語る側が、暗に諭しているような雰囲気があると思うのですがどうでしょうか。それに、
 「これは1個
 「これは1個です
 きつく言われると「です」の方が、実は冷たく言われているような気がしませんか?

 同じ語を重ねるな

 同じ語を重ねて使ったときのほうが効果的な場合があります。
 「それそれ、それなんだよ」
 それ、という言葉を印象づけるのに、非常に有効ですよね。この、印象というのが大変重要で、同じ語を重ねられると、非常に印象が強くなってしまう傾向があり、作者が意図しないで使うと、読者に、ものすごく違和感を覚えさせるような印象を与える文になってしまうんです。
 と、この文章おかしいと感じませんか? 「印象」を4回ほど使ってみました。くどいし、読みにくいのですね。ボキャブラリー(語彙)を増やせというのは、まさにこの為。どうしても同じようなことを言いたいのだけれど、同じ言葉を使うわけにはいかない。印象という言葉が使えないのであれば、「非常に強く心に残る」「脳裏に焼きつく」といった短文にしてもいいと思います。

 しかし、それを行うには、リスクが大きすぎるのではないだろう。
 しかし、それをしないことには、どうしようもないのではないか。

 しかし、それを行うには、リスクが大きすぎるのではないだろう。
 だが、そうしないことには、どうしようもないのである。

  他にも、しかし、と、だが、といった同じようで、微妙にニュアンスの異なる言葉、言い回しはたくさんあります。上記2文を見ていただければ、一目瞭然ですよね。また、同じ長さの文章を続けるのも、案外見づらい文章になってしまいますから、気をつけましょう。

 固有名詞は、まだ複数回書いてもそれほどおかしくないんですが、やはり、名前を連呼したりするのも、徐々に変な感じになってします。まあ、そのために代名詞があるのですが、「これ」も「それ」も「あれ」もあまり使いすぎると、どれがどれだかわかんなくなってしまいますので、文章を書くときは、そこら辺も考慮に入れておけるようにしましょうね。

 単語の持つニュアンス

 同じ語を重ねるな、と書きましたが、これがむずかしい。
 「叩く」「打つ」同じような動詞ですが、片や、素手で「叩く」イメージ、片や、バットなどの器具で「打つ」イメージがありませんか?
 もっと近いものだと、「歌う」と「唄う」。どう表現していいのか分からないぐらい、微妙な差がそこにあるわけです。(まー、この場合、辞書的な意味合いは同一でしょう。しかし、受け取る側には違う感覚があるわけですな)そういうことまで考えて、小説など読むと、非常に楽しいです。作者の苦労の跡とかも垣間見ることもできますから。そして、どうして、その言葉を選んだのかも、考えると、さらに楽しいです。
 やっぱり、日本語って面白い。こういう遊びが出来るのも漢字があるからなんですな。平仮名だけでも伝わらない、そういった微妙な所が伝えられるって、すばらしいことです。英語で「ここだよ、このAの使い方が絶妙」とか言ったりするのかな? まあ、向こうには向こうのテクニックや、方式があるでしょうから、きっとあるんでしょうな。ふむ。

 今日の一言「NTTとうとう分割しましたね」


当ページは「千歳忍」の独り言です。
極力真実に基づいて記述するようにしていますが、当方の思い違いや表記の方法によって一般的な解釈と異なる場合が有ります。意見や訂正の要請は大歓迎です。また、書いてほしいネタも募集しています。その場合はこちらまでどうぞ。

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