ミス・コロムビアこと松原操は、「十九の春」「並木の雨」などで人気スターであったが、デュエット相手の霧島昇が輪をかけた人気歌手で、しかも白皙の美青年であったことから、この愛染かつら主題曲「旅の夜風」の大ヒットにより、同行する時間も長くなり、「愛染夜曲」「愛染草子」「荒野の夜風」と続くと二人が結ばれるのも無理からぬことであった。それでも霧島昇はモテモテで「純情二重奏」の高峰三枝子らと浮名を流し、4歳年上の松原操としては気が気ではなかったが、長男を身ごもったのを機に結婚を迫り、山田耕筰夫婦の媒酌で夫婦となった。普通、人気歌手が結婚すると人気が落ちるものだが、「三百六十五夜」で育児専念の引退宣言するまでヒットを飛ばし続けた。夫霧島昇は昭和59年4月24日に没するまで、テレビ番組で懐メロ歌手として活躍したが、妻松原操は二度と音楽シーンに登場することはなかった。夫霧島昇が死去したとき松原操も病床にあったが、病を押して夫の葬儀を執り行い、49日の法要を終えた5日後の昭和59年6月19日、夫の後を追うように他界したのだった。
作詞の西条八十は別格として、作曲の万城目正は映画音楽を多く作曲したが、シングルとしてはこの曲が大ヒット。以後「リンゴの唄」「この世の花」・・・・・と続くのである。
かなり前、愛染恭子(あいぞめきょうこ)という踊り子がいました。いわゆるNaked Dancer というやつ。あるとき彼女が露出し過ぎて逮捕されんとしたとき、踏み込んだ老警官が「お前!“あいぜん”だな?!」、「いえ、わたしは“あいぞめ”よ」、「しまった、間違ったか!」・・・いかに<愛染かつら>の影響が大きかったかというお話。
旅の夜風
作詞:西条八十(C)(倶楽部内曲目)
作曲:万城目正(C)
歌唱:霧島昇・ミス・コロムビア(松原操)
MIDI制作:滝野細道
(一)
花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道
泣いてくれるな
ほろほろ鳥よ
月の比叡を 独り行く
(二)
優しかの君 ただ独り
発たせまつりし 旅の空
可愛い子供は 女のいのち
何故に寂しい 子守歌
(三)
加茂の河原に 秋長(た)けて
肌に夜風が 沁みわたる
男柳が なに泣くものか
風に揺れるは 影ばかり
(四)
愛の山河 雲幾重
心ごころを 隔てても
待てば来る来る 愛染かつら
やがて芽をふく 春が来る
西条八十の当倶楽部内のアップ曲リスト
【西条八十】当倶楽部の歌詞 | ||||
曲 名 | 作 曲 | 歌 手 | 歌 い 出 し | |
愛して頂戴 | 中山晋平 | 佐藤千夜子 | 一目見たとき好きになったのよ | |
哀愁日記 | 万城目正 | C・ローズ1 | 山の一夜の行きずりの愛の言葉 | |
愛染草紙 | 万城目正 | 霧島・松原 | 流れくる流れくる君がやさしの | |
愛染夜曲 | 万城目正 | 霧島・松原 | 愛染かつらの咲く春をなんで嵐 | |
相呼ぶ歌 | 古賀政男 | 霧島・菊地 | はじめて逢うたあの時あの夜 | |
青い山脈 | 服部良一 | 藤山一郎 | 若く明るい歌声に雪崩も消える花も | |
赤い靴のタンゴ | 古賀政男 | 奈良光枝 | 誰がはかせた赤い靴よ涙知らない | |
雨の夜汽車 | 古賀政男 | 奈良光枝 | 雨の夜更けの夜汽車の笛は何故に | |
荒野の夜風 | 早乙女光 | 松原・二葉 | 遠く我が名を呼びたもう君のみ声に | |
越後獅子の唄 | 万城目正 | 美空ひばり | 笛にうかれて逆立ちすれば山が | |
王将 | 船村 徹 | 村田英雄 | 吹けば飛ぶよな将棋の駒にかけた | |
お菓子と娘 | 橋本國彦 | − | お菓子の好きな巴里娘二人揃えば | |
丘は花ざかり | 服部良一 | 藤山一郎 | 若い生命のカレンダーを今日もひらけ | |
お山の大将 | 本居長世 | B.ジャックス | お山の大将おれひとりあとから来る者 | |
角兵衛獅子の唄 | 万城目正 | 美空ひばり | 生れて父の顔知らず恋しい母の名も | |
風 | 草川 信 | - | たれが風をみたでしょうぼくも | |
風は海から | 服部良一 | 渡辺はま子 | 風は海から 吹いて来る沖のジャンク | |
肩たたき | 中山晋平 | - | かあさんお肩をたたきましょタントン | |
悲しき竹笛 | 古賀政男 | 近江・奈良 | ひとり都のたそがれに思い哀しく | |
かなりや | 成田為三 | - | 歌を忘れたカナリヤはうしろの山 | |
かりそめの唇 | 万城目正 | C・ローズ1 | 女ごころのしずかな湖に誰か小石 | |
銀座の柳 | 中山晋平 | 四谷文子 | 植えてうれしい銀座の柳江戸の | |
ゲイシャ・ワルツ | 古賀政男 | 神楽坂はん子 | あなたのリードで島田も揺れる | |
恋のアマリリス | 服部良一 | 二葉あき子 | 赤い花びらアマリリス窓にやさしく | |
この太陽 | 中山晋平 | 佐藤千夜子 | 小さいときからいいなずけ二人で | |
この世の花 | 万城目正 | 島倉千代子 | 赤く咲く花青い花この世に咲く花 | |
湖畔の乙女 | 早乙女光 | 菊池章子 | 落葉散る散る山あいの青い静かな | |
サーカスの唄 | 古賀政男 | 松平 晃 | 旅のつばくら淋しかないか俺も | |
侍ニッポン | 松平信博 | 徳山 l | 人を斬るのが侍ならば恋の未練が | |
三百六十五夜 | 古賀政男 | 霧島・松原 | みどりの風におくれ毛がやさしく | |
しあわせはどこに | 万城目正 | C・ローズ1 | 街には楽しい人の波空には明るい | |
支那の夜 | 竹岡信幸 | 渡辺はま子 | 支那の夜支那の夜よ港の灯り紫 | |
十九の春 | 江口夜詩 | 松原 操 | ながす涙も輝きみちしあわれ十九 | |
純情二重奏 | 万城目正 | 霧島・高峰 | 森の青葉の陰に来てなぜに淋しく | |
純情の丘 | 万城目正 | 二葉あき子 | 黒髪風になびかせて夕日にうたう | |
絶唱 | 市川昭介 | 舟木一夫 | 愛おしい山鳩は山こえてどこの空 | |
蘇州夜曲 | 服部良一 | 渡辺はま子 | 君がみ胸に抱かれてきくは | |
旅の朝霧 | 田村しげる | 東海林太郎 | 今日は山越え明日は海を渡る浮世の | |
旅の夜風 | 万城目正 | 霧島・松原 | 花も嵐も踏み越えて行くが男の | |
誰か故郷を想わざる | 古賀政男 | 霧島 昇 | 花摘む野辺に陽は落ちてみんなで | |
同期の桜 | 大村能章 | 伊藤久男 | 貴様と俺とは同期の桜同じ兵学校の | |
東京音頭 | 中山晋平 | 勝太郎・三島 | ハァー踊り踊るならチョイト東京音頭 | |
東京行進曲 | 中山晋平 | 佐藤千夜子 | 昔恋しい銀座の柳あだな年増を誰 | |
東京の夜 | 竹岡信幸 | 渡辺・藤山一 | 東京の夜夢の夜ネオンの灯り | |
トンコ節 | 古賀政男 | 久保幸江 | あなたのくれた帯止めのダルマの | |
涙の駒鳥 | 万城目正 | 霧島/二葉 | 逢うは別れのはじめとは誰が悲しく | |
涙の渡り鳥 | 佐々木俊一 | 小林千代子 | 雨の日も風の日もないて暮らす | |
花言葉の唄 | 池田不二男 | 松平・伏見 | 可愛い蕾よきれいな夢よ乙女心に | |
花咲く乙女たち | 遠藤 実 | 舟木一夫 | カトレアのように派手なひと鈴蘭の | |
春よいずこ | 古賀政男 | 二葉あ・藤山 | おもいではおもいでは青い背広の涙 | |
不壊の白珠 | 中山晋平 | 四家文子 | やさしき母の子守唄ふたりできいた | |
ふるさとの笛 | 八洲秀章 | 島倉千代子 | ふるさとの青い月夜の河原鳩啼く | |
毬と殿さま | 中山晋平 | - | てんてんてんまりてんてまり | |
山のかなたに | 服部良一 | 藤山一郎 | 山のかなたにあこがれて旅の小鳥も | |
夜の酒場に | 松平信博 | 徳山 l | 夜の酒場に聴く雨のなぜにかくまで | |
麗人の歌 | 古賀政男 | 霧島 昇 | 夢はやぶれた花嫁人形派手なたもと | |
りんどう峠 | 古賀政男 | 島倉千代子 | りんりんりんどうの花咲く頃lサ姉lサ | |
若鷲の歌 | 古関裕而 | 霧島・波平 | 若い血潮の予科練の七つボタンは | |
わたしこの頃変なのよ | 町田嘉章 | 藤野豊子 | いつも出ているお月様マルク大きな |